akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

文学座浅草オペラ「毒の香り」

2005-11-20 | 映画・芸術・エンターテインメント
文学座の浅草オペラ「毒の香り」鑑賞。
大正時代、華を咲かせた浅草オペラ。

舞台は、大正14年「浅草オペラ」の殿堂だった金龍館。
関東大震災で崩壊するまでの、「浅草オペラ」を取り巻く人々の、芝居にかける情熱と人間模様が描かれる。
大衆受けするオペラの上演に目を輝かせ、日夜「カルメン」の稽古に励む面々。

主役の演出家を江守徹。さすがに巧い。「演技をしている」と感じさせない演技。劇場で、実際に演出家が怒っているんじゃないかという、せりふ。「自分の言葉」になっているということだろう。
ある日突然、新国劇の沢田正二郎がやってきて、どうしても「シラノ・ド・ベルジュラック」をやりたい、これを演出できるのはあんただけだ、と演出家(江守)に頭を下げる。新国劇の沢正の断っての頼みにも関わらず、江守は、俺にそんな演出なんかできねえ、おれたちは高尚な舞台なんか望んじゃいねえ、大衆が喜ぶオペラをやるだけだ、あんたは今までどおり切った張ったの世界を演ってりゃいいじゃないか、と断固として申し出を突っぱねる。
だが、何かを確信している沢正は、懲りずに何度もお願いに来るのである。

実は江守は、シラノ・ド・ベルジュラックに誰よりも傾倒し、誰よりも大切にしている男だった。すべてのセリフが、そして情景が、頭に入っている。


http://www.asakusa-e.com/tokushu/opera/opera_a.htm

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