akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

ドイツ映画祭2006

2006-07-17 | 映画・芸術・エンターテインメント
16日、17日と、有楽町朝日ホールの「ドイツ映画祭2006」へ行ってきました。

エルンスト・ルビッチのドイツ時代の作品が4本上映されるということで、これは観にいかないわけにはいきません。うち3本は日本初公開。
16日(日)『陽気な監獄』『牡蠣の女王』
17日(月)『男だったら』『山猫リュシカ』

いや、面白かった。さすがルビッチ。もちろんハリウッドに行ってからの作品ほど洗練されてはいないし、ちょっとお下品で強引な笑いもありますが、その斬新なセット、空間構成や構図、テンポのよさ、発想には感嘆します。「巧い!」と思わずうなるシーンがたびたび。

特に『山猫リュシカ』はよかった。シーンをあげたらキリがありません。会場もよく笑っていました。またオチがいい。あれだけスノッブで皮肉な笑いを展開させながら、最後は思いやりとそれぞれの幸せを打ち出し、一番の笑いで仕上げる。天才です。

今度私がフィルムセンターで語らせていただく『カリガリ博士』などは同時期の作品で、表現主義の代表的なものですが、ルビッチ作品も、当時のドイツ表現主義の波をしっかり感じさせるもので、「ドイツ的でルビッチ的な」個性が非常に愉快に感じました。

17日の方が作品もいいだけにお客さんも入っていました。弟子のビリー・ワイルダーの作品に繋がるセンスが随所に見られる、ルビッチファンの期待を裏切らない作品でしたね。

4作品全部のピアノ生演奏を弾き切ったアリョーシャ・ツィンマーマンは、たいへんだったとは思うし、よく弾いてくれたと思うのですが、もう少し変化がほしかった…。どの作品も同じ曲をくり返し使うのと、単調さのために、ところどころ眠くなるし、いまだにあのピアノ曲が頭の中をぐるぐる回っているのです。

そういえば、昨年のムルナウ、ラング特集のドイツ映画祭も盛況だったなあ…。
いつかあのステージで活弁ができたらと、活弁を想定しながら鑑賞したのでした。
コメント
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