akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

生まれ変わり

2006-07-25 | Weblog
今準備中の活弁作品が、集中して催眠ものになっているのですが、最近たまたま催眠づいて?おりまして。

「生まれ変わり」って信じますか?前世とか過去世とか。

先日、友人のすすめで飯田史彦氏の著書『生きがいの創造―“生まれ変わりの科学”が人生を変える』を読みました。著者は経済学者であり、経営学の大学教授で無宗教の方ですが、経営学において働く人間の「目的意識」「モチベーション」「使命感」などを追求していくうちに出逢ったのが、退行催眠等によって「人は生まれ変わる」という事を認識した人々の「生きる意識」の変化でした。
人間は、過去から未来まで何度も生まれ変わり、現世には使命を持って魂を成長させるために生れてきている。人間関係を学び、許し、喜び、愛し、自分の能力をもって他人に愛や希望を与えるために、意識体の時(俗に言うあの世にいる時)に、ソウルメイトとともに相談をして、自分の人生の課題を決めて生れてくる。縁の深い人とは、何度も立場や性別を変えながらこの世に巡り会い、魂を磨きあうのだと。

現世で選択をし続けて生きる私たちですが、よく不思議な力で導かれていることを感じたり、失敗から天の警告を感じたりしますよね。間違った選択も良い選択も自分に還ってくる。仏教でいう「因果応報」ですが、何かに気付かせ、成長をはかり、課題を全うさせるために壁や悩みが用意されるということでしょう。

その「生まれ変わり」を、飯田氏はこの著書で、宗教的アプローチではなく「退行催眠」という科学的(医療分野にも応用されている)アプローチで、様々な人の「過去世の記憶」の膨大なデータをもとに分析し検証しています。
たくさんの事例が細かく記載されておりそれだけでも興味深いのですが、私自身の幼少からの体験や考えを、理論化してくれている書に出逢った気がして非常に感銘しました。
(同時にたくさん反省させられました)
もうこの本を御存じの方もいるかと思いますが、簡単には書けませんので、あとは本を。(上記は全て、読んだ本の私の印象と解釈で書いていますし)
飯田史彦http://homepage2.nifty.com/fumi-rin/

先週の土曜日には、縁あって、これも非常に面白い公演を体験させていただきました。
尺八古典本曲徳山会の徳山隆先生。
天才肌の、すごい人です。明治期に途絶え、ほとんど演奏できる人がいなくなっていた「古典本曲」を三十数年かけて掘り起こしたという方。過去の記述を拾い集め、音にし、現在の譜に起こして、世界中で演奏してきました。
この「古典本曲」とは芝居や祭りで聴かせるための世俗的な尺八ではなく、奏でることで、仏教(臨済宗)の冥想や座禅、お経と同じ役割を果たしたというもの。実際、聴いている10分間は尺八の音色に体ごと包まれていく感じで気持ちがいいのでした。

それにしても、尺八という5つしか穴のないとても不自由な楽器一本で、何音階もの音を操り、どんな曲でも聴いて知っているものは演奏できてしまうという、そしてその独特の音色は、仙人というのか、まさに本人も言っていたように「尺八の神様」が彼に力を与えているのが見えるような感じでした。彼は若い頃から尺八の二つの流派の師範なのですが、もう、流派とか、ショーとか仕事としての演奏とか、そういうところから離れた、もっと原始的で本質的な「音を操る人」です。多分、津軽三味線の初代高橋竹山と同類の奏者。

そして、彼はそれが自分が現世で与えられた「仕事」だったのだということを自覚していて、「古典本曲」を形として(楽譜とCD)完成させたときに、尺八の神様にもらったごほうびによって、現在は死生学(サナトロジー)を中心とした研究に没頭させてもらっている、のだそうです(HPも長いこと更新されていません)。

その日の彼の講話の中身は(いつも台本もなくその場の流れで話すとのことで、あちらこちらに飛ぶのですが)、「生まれ変わり」と「自分の現世での仕事、出逢い、体験」で、最後に彼は、その与えられた才能とそれを真摯に結実させてきた「存在」と「価値」を音色にして見せてくれたのでした。

最後に徳山先生が仰った言葉。
「どのレベルを求めるかにもよりますが、努力をすれば、誰でもそこそこできるようになります。ただ、才能や素質の有無というのは、確かにある。また才能があっても努力しなければ実らない。私にとっては、一番労少なくして最大の成果をあげる、価値をつくることができるのが、たまたま音楽だったんですね。これは人それぞれ違います。私が経済学者になろうなんていくらがんばっても、だめだったし苦しかったでしょう」

ちなみに徳山先生は、今、お弟子さんもとらず、ほとんど俗世の交流を断って研究に没頭する毎日(日本語学校の校長でもあるようですが)、公演や講演もひきうけることはめったにないとのことで、とても貴重な機会だったようです。土曜面白倶楽部の皆様に感謝申し上げます。

私、半分眠っているような状態なのですが、つらつら長い事書きました。皆さんここまで、よく読んでくれました…

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする