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中国の明時代の袁了凡(えんりょうぼん)という人が書いた『袁了凡四訓(しくん)』という本の中の「積善」に、次のような話が出ています。国中の人から、立派な人だと仰がれていた呂文懿公(ろぶんいこう)という人が、宰相(さいしょう)をやめて郷里に帰りました。そのとき、一人のよっぱらいが、呂公をののしったのです。呂公は、門を閉めて相手にしませんでした。ところが、このよっぱらいは、まもなく死刑になるほどの罪を犯したのです。それを聞いた呂公は、あのときに、すぐ戒めておけば、そんな罪を犯させないで済んだのに、自分は、ただ寛大であるところを見せようと思って、人を育てる心がなかった、と後悔したというのです。自分のことを考えていたのでは、人を育てることはできないという教えです。
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