メルマガの転載です。(ご本人の承諾を得ています。)
「第88回」と言うところにも反応してしまいましたが、タイトルにもしびれてしまいました。
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人材育成の110番 ― 人材を人財に変身!
株式会社 総合経営センター流人材育成の考え方
第88回「まわりの人たちに満足を」
●ほぼ20年ぶりに中小企業診断士の、以前では第3次実習と言っていました実務補習の指導員をやっております。診断士試験の第1次、第2次試験を合格した人が最後に通らなければならない関所です。15日間で3企業の診断をします。その内容(企業でのヒアリングおよび診断報告書のまとめから発表内容と態度までのすべて)が基準値に達していれば合格となり、翌年4月に中小企業診断士として登録されます。
●以前は、12月に発表される第2次試験合格者に対して翌年の2月に実施していたのですが、制度が変わった昨年からは7月にも8月にも行っています。私が今回担当したのは7月コース。受講者は少なくて4名だけの編成で、職員15名の経営会計事務所の診断に入っています。
●その受講者の1人に大学の4年生が入っています。彼は3年生の時に第1次、第2次試験を1回で合格しました。名古屋の試験会場では過去最年少の合格者ではないかと思います。数年前に診断士の父親の影響で大学在学中に合格したお嬢さんがいました。
●さて、大学4年生がどのような診断報告書を書いてくるのか、こちらの方は期待と不安が交錯しています。いや、不安の方が大きいです。しかし、10年も立てば押すに押されぬ立派なプロ診断士になっているのかも知れませんが…。
●一方では、診断士2年目の岐阜県支部の29歳の女性が、6月の下旬に25分番組のNHK教育テレビ「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」にほぼ出ずっぱりで出演しました。中小企業診断士を志望した動機、美容院の開店コンサルティング、和食店のメニュー改善などのテーマで、フレッシュな感覚で一生懸命努力している様子が映し出されていました。
●このような若い人たちが中小企業診断士という資格を盛り上げてくれるのは大変有難いことです。ボランティアで本部会員8,380人の常任理事をやり、会員委員会委員長の職を任せられている私としては、何としても診断士の知名度向上と活動分野の拡大をはかっていかねばなりません。その意味ではよい刺激を受けています。
●恥かしいことですが、中小企業診断士の資格保有者は約1万9千名もいますが、中小企業診断協会の組織率は50%を割っています。これでは国家資格が泣きます。有資格者の2人に1人が自分たちの出身母体に背を向けているのです。
●企業内診断士の人で、診断士の資格に恩恵を受けていない人(そもそもそんな人が資格を取らなくていいと思うのですが)にとって、約5万円の年会費は高いのでしょうね。が、資格の取得のための試験制度、資格維持のための登録更新制度にはお金はかかるものです。
●今後の私の目標の一つは、会員組織率の向上をはかり、事務局の財政を少しでも安定させ、向上させることです。診断士を取った人たちが、進んで会費が払えるような有難い資格にしたいものです。
●経済的にはメリットどころか、デメリットの多い協会役員をなぜやるのかと笑う人もおられるでしょうが、「50歳過ぎてボランティア一つできないような者はろくな死に方をしない」とか「これまで診断士として生きて来られたのは、先輩が努力してくれたからだろう。その恩返しをこれからはしなさい」と目上の先生方から言われたのが、のめり込むきっかけになりました。
●診断士の地位の向上と活動分野の拡大という使命感を持ってボランティア活動しておりますと、思わぬメリットが生まれます。その第一は、まわりの人たちが私に尊敬の念を持って接してくるようになることです。さらに、会務で訪問する先々で丁重な応対を受けます。これは大変な励みになります。
●仮に私が診断士のプロとして仕事のために駈けずり回って(10年前まではその通りでしたが)、私益を優先することばかりしていれば、現在のような充実感はなかったろうと思います。私益を抑えて公益を優先させることによって、私に対するまわりの見方が変わってくるのです。
●不思議なことに今、少しも貧乏していません。なぜかといえば、意外にも仕事がよく回ってくるのです。自分で売り込みに行くよりも、人の紹介で日程が詰まってくるのです。なぜか。多分、自分の人間性が高まっているからなのでしょう。
●優れたリーダーシップの持ち主は、まわりの人たちが一目置く人間性の高さを持っています。人間性とは人格、識見、教養、思いやりなど人間の内面のすべてをいうものですが、それはその人の置かれている状況とか、人生観、使命感などによって少しずつ積み上げられていきます。
●私のような年齢になれば、クライアントが求めているより高い人間性によって、求められる的確なアドバイスをする必要があります。
●前述した2人の若い診断士は、クライアントの要請にはすべて応えてコンサルティングのスキルを磨いていかなくてはいけないでしょうが、最初のうちは目標になる人を見つけ、まずその人の長所をよく観察すること。その後一人前になるには自分流の確立。世阿弥の「守」「破」「離」です。
●さらに、一流になるには、「あの人」と指名される専門分野を持つこと。それは自分らしさ。自分が最も多くクライアントを満足させることができる分野。そのためにはクライアントがいつでも待ってくれるような人間に成長していかなくてはなりません。
●それは人まねをしている時代には築けないものです。早く人まねから脱皮して、自分は「これだ」という分野と専門を持つこと、そしてそのことを向上させることがワクワク、楽しくてしようがない状態にいつもなっていること。その先は、クライアントにそれを伝えたくてしようがないという情熱にかられることが大切です。
●そのためには嫌いなことはやってはいけません。好きな分野を見つけ熱中することです。診断士を目指したのであれば、企業診断、コンサルティング、教育研修等で得意分野を早く見つけること。そして、この仕事が好きでしょうがないという気持ちに駆られないと一人前にはなれませんし、その先の一流まではとても行けません。第一嫌いなことで人を満足させることなど出来るはずがありません。
●例えば、小売店や飲食店に働いている人たちが、店内で生き生き仕事をしていれば、その気持ちは必ずお客に伝わります。リピート客が増えるのは入って気持ちの良い店なのです。それは味や品揃えと同じように、店にとっては重要なことです。従業員の目が生きていない店は早く閉めるか、トップを替えることです。
●今回は少し長くなりました。まわりの人たちを満足させることの大切さを、自分にも言い聞かせる意味で語りました。
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株式会社総合経営センター
代表取締役社長 加藤 靖慶
(中 小 企 業 診 断 士)
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E-mail:katoh@skc-katoh.jp
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加藤靖慶先生は、社団法人中小企業診断協会愛知県支部の支部長をやられております。企業研修では超一流先生で、中小企業診断士になった頃は名刺交換をさせていただくだけで感激したほどの雲の上の存在でした。
以来15年以上とても多くのことを学ばせていただきながら成長をさせていただいていると感じます。今ではおかげさまで、その下で副支部長を拝命して3目年になります。
「好きなことをやる」(それを続ける。)ことの大切さを改めて認識させていただきました。
好きであれば自然と笑顔も出て楽しくなります。
楽しいことが一番でしょ。
今日も楽しく、ニコニコと!