映画「女の子ものがたり」が最終日と聞き、23日に福島フォーラムで見てきました。最終日の最終回で観客は8人でした。
西原理恵子の漫画を原作とした映画です。やる気の起きなくなった36歳の漫画家・高原なつみ(深津絵里)がごろごろしていたり、昼からビールを飲んでいたりするものだから、担当編集者の財前(福士誠治)が頭に来て「先生は友だちいないでしょ? 恋をしたこともないでしょ?」と言います。その言葉から、なつみは少女時代を回想し始めます……。
この映画はどう見るかで評価が分かれると思います。単なる少女趣味の回想物と見るか、本編のストーリー展開を観客なりに再構成して再生の物語と見るかで、かなり感じ方が違うでしょう。物語の大半は現在のなつみが回想する少女時代です。小学校時代に引っ越してきて新しい友だちができること、街へ初めてブラジャーを買いに行くこと、義父に「なっちゃんは他の子と別な人生を送れるよ。」と何度も言われること、友人のきいちゃんに不良っぽい彼氏が出来ること、なつみ・きいちゃん・さきちゃんと山道をさまよい歩くこと、友だち3人で掘っ立て小屋に大きなイラストを描くことなどなど、様々なエピソードが語られます。しかし、それぞれの関連性は薄く、「なぜに」そうしたかの理由が語られていません。例えば、山道をさまよった後に、3人は銭湯に駆け込んでいって服を着たまま、湯船に入ります。このあたりでも何も説明がなく、観客は宙ぶらりんにされます。全体的にはほろ苦さとか切なさとか女の子版「汚れちまった悲しみに」とかで一括りに出来ますが、ごつごつしたエピソードの羅列感は否めません。小学生時代の子役たち、高校生時代を演じる女優たちが本当に芸達者で生き生きしているだけに、ばらばら感がかえって際だっていました。
現在のなつみが、昔の友だちのことを漫画に描こうと決意してラストを締めくくります。深津絵里が過剰でないさわやかな泣きの演技で前向きさを出していました。
☆ 総合評価 86点
西原理恵子の漫画を原作とした映画です。やる気の起きなくなった36歳の漫画家・高原なつみ(深津絵里)がごろごろしていたり、昼からビールを飲んでいたりするものだから、担当編集者の財前(福士誠治)が頭に来て「先生は友だちいないでしょ? 恋をしたこともないでしょ?」と言います。その言葉から、なつみは少女時代を回想し始めます……。
この映画はどう見るかで評価が分かれると思います。単なる少女趣味の回想物と見るか、本編のストーリー展開を観客なりに再構成して再生の物語と見るかで、かなり感じ方が違うでしょう。物語の大半は現在のなつみが回想する少女時代です。小学校時代に引っ越してきて新しい友だちができること、街へ初めてブラジャーを買いに行くこと、義父に「なっちゃんは他の子と別な人生を送れるよ。」と何度も言われること、友人のきいちゃんに不良っぽい彼氏が出来ること、なつみ・きいちゃん・さきちゃんと山道をさまよい歩くこと、友だち3人で掘っ立て小屋に大きなイラストを描くことなどなど、様々なエピソードが語られます。しかし、それぞれの関連性は薄く、「なぜに」そうしたかの理由が語られていません。例えば、山道をさまよった後に、3人は銭湯に駆け込んでいって服を着たまま、湯船に入ります。このあたりでも何も説明がなく、観客は宙ぶらりんにされます。全体的にはほろ苦さとか切なさとか女の子版「汚れちまった悲しみに」とかで一括りに出来ますが、ごつごつしたエピソードの羅列感は否めません。小学生時代の子役たち、高校生時代を演じる女優たちが本当に芸達者で生き生きしているだけに、ばらばら感がかえって際だっていました。
現在のなつみが、昔の友だちのことを漫画に描こうと決意してラストを締めくくります。深津絵里が過剰でないさわやかな泣きの演技で前向きさを出していました。
☆ 総合評価 86点