井上もやしの日常

ほぼ「つぶやきの墓場」となっております。ブログやSNSが多様化して,ついていけないのでございます。

映画「女の子ものがたり」 ~女の底打ち感~

2009-10-24 23:34:26 | Weblog
 映画「女の子ものがたり」が最終日と聞き、23日に福島フォーラムで見てきました。最終日の最終回で観客は8人でした。

 西原理恵子の漫画を原作とした映画です。やる気の起きなくなった36歳の漫画家・高原なつみ(深津絵里)がごろごろしていたり、昼からビールを飲んでいたりするものだから、担当編集者の財前(福士誠治)が頭に来て「先生は友だちいないでしょ? 恋をしたこともないでしょ?」と言います。その言葉から、なつみは少女時代を回想し始めます……。

 この映画はどう見るかで評価が分かれると思います。単なる少女趣味の回想物と見るか、本編のストーリー展開を観客なりに再構成して再生の物語と見るかで、かなり感じ方が違うでしょう。物語の大半は現在のなつみが回想する少女時代です。小学校時代に引っ越してきて新しい友だちができること、街へ初めてブラジャーを買いに行くこと、義父に「なっちゃんは他の子と別な人生を送れるよ。」と何度も言われること、友人のきいちゃんに不良っぽい彼氏が出来ること、なつみ・きいちゃん・さきちゃんと山道をさまよい歩くこと、友だち3人で掘っ立て小屋に大きなイラストを描くことなどなど、様々なエピソードが語られます。しかし、それぞれの関連性は薄く、「なぜに」そうしたかの理由が語られていません。例えば、山道をさまよった後に、3人は銭湯に駆け込んでいって服を着たまま、湯船に入ります。このあたりでも何も説明がなく、観客は宙ぶらりんにされます。全体的にはほろ苦さとか切なさとか女の子版「汚れちまった悲しみに」とかで一括りに出来ますが、ごつごつしたエピソードの羅列感は否めません。小学生時代の子役たち、高校生時代を演じる女優たちが本当に芸達者で生き生きしているだけに、ばらばら感がかえって際だっていました。

 現在のなつみが、昔の友だちのことを漫画に描こうと決意してラストを締めくくります。深津絵里が過剰でないさわやかな泣きの演技で前向きさを出していました。


 ☆ 総合評価  86点

ひょうたん島の町

2009-10-24 22:37:49 | Weblog
 川西町の中心商店街を車で通ると、あちらこちらに「ひょこりひょうたん島」のキャラクターが描かれていました。店舗のシャッターや壁などにドン・ガバチョ、ライオンさん等の登場人物がいるのです。原作者の井上ひさしが少年時代を過ごした川西町なので、その縁で「ひょうたん島」で町おこしをしているようでした。他に「ひょうたん島」ののぼりもあったし、「ひょうたん島3番館」などの看板もありました。

 画像は海賊トラヒゲ。後ろのほうで細く写っているのはサンデー先生。

遅筆堂文庫

2009-10-24 22:22:31 | Weblog
 妻が「土曜日はニューヨーカー米沢工場の販売会へ行きたいなあ。」と言い出したので、お供で会場へ出掛けました。開始時刻の午前10時になり、会場内を見渡しても大してめぼしい物がありません。結局、何も買わずに会場をすぐ後にしました。お昼は米沢周辺でそばを食べるつもりでしたが、中途半端な時間が出来てしまいました。

 それでは…と、米沢市の隣町である東置賜郡川西町へ向かいました。20年ほど前、作家の井上ひさしが少年時代を過ごした故郷の図書館に蔵書を寄贈したとのニュースを聞いたことがあります。その図書館を訪れたことがなく、今日なら行けると思ったからです。ただ、急に決めたことなので、それがどこにあるのか、突然行って町民以外の者が入れるのかなど、不安材料がありましたが、とにかく向かいました。

 情報を仕入れようと、川西町の商工会議所へ行っても鍵が掛けてあって誰もいなくて、近くにあったローソン川西上小松店に入って聞いてみました。
「井上ひさしが贈った本が置いてある図書館があると聞いたのですが、どちらでしょうか。」と私。
「それって米坂線の東側にある川西町フレンドリープラザだと思います。」と、地図で指し示しながら、レジにいた若くて素敵な鎌田さんが親切に教えてくれました。

 案内に従って、フレンドリープラザへ向かいました。井上ひさしが寄贈した本は「遅筆堂文庫」として川西町立図書館の半分以上を占めていました。「遅筆堂」というのは井上ひさしが執筆スピードの遅さ故に自らを称した屋号です。(実際に台本が出来上がらずに公演中止になったことが何度かあります。)寄贈した本は20万冊以上らしく、演劇、文学、政治などの本が書架に沢山ありました。特に浅草演劇や農業関連(もちろん、他のジャンルの本でも付箋がありましたよ。)の本には井上ひさし直筆コメント付きの付箋が多数挟まっていて、「本当に執筆の資料として使っていたのだなぁ。」としみじみと思いました。

 余談ですが、私のペンネーム「井上もやし」は、井上ひさしにあやかって名付け、高校生の頃から使っています。

 画像は図書館入り口の表示です。