また北アルプスで遭難事故が起こりました。
特に白馬岳の事故は私と同じ趣味の登山で、しかも同県の人だったので他人事とは思えませんでした。
<<私の山登り>>
私の80歳を超した今でも、近所の山の登山を楽しんでいます。
歳のことも考えて、原則として、
1.土曜か日曜を挟んで晴天が三日続く場合の土曜か日曜に登る。
つまり登山日の前後が必ず、晴天の日を選ぶ。
これで登れなかったら、また次があるからと割り切る。
九州の山は1,500m以下の山が多いので、この方法で確実に雨を避けられるので、雨具などの荷を減らせる。
2.普通は、一人で登るので私の熟知した山に登る。
然も万一のことも考えて他の登山者の協力を得られるように、土、日曜日を選ぶ。
3.無理なコース取らない。
4.家内と約束した時間内に必ず帰る。
家内に心配をかけず、次からの登山の許可を貰うため。
お蔭でこの定年以後、この方法で家内以外に誰にも迷惑をかけずに、無事故で登山を続けています。
<<北アルプス遭難の原因>>
しかし、私の山登りなどお遊びのようなもので、秋のアルプスなどの登山とは比べものにならず、私など老人が批判するつもりは全くなく、ただ遭難者にお悔やするとともに、リーダーの心中をお察しするばかりでいす。
新聞によるリーダーの経歴からしても、その登山計画は万全だったと思います。
ただ一つの問題で、そして遭難を起こした原因の全ては、天候の判断が実際とは大きく違ったことでしょう。
その当時は、台風と低気圧が合体して、暴風になっていたそうです。
ここでそ難しいのは、天候の判断とそれに対する決定です。
<<グループ登山の難しさ>>
もし、リーダーが出発の前から、天候が怪しくなっているので、計画の取りやめをするとします。
多分、予約の取り消しや、違約金の支払いなどの多くの問題が出てくるでしょう。
最悪の場合、天候が回復したときは、登山者からクレームが来るのは間違いありません。
登山途中に、天候変化に気づいて、中止したのに、天候が回復しても、やはり登山者から苦情が出るに違いありません。
<<一般登山者の場合>>
リーダーについて行く登山者の場合は、自分が天候の悪化を予想した時、キャンセル料の損などより、友達と一緒に行く約束をしていて、自分だけ断りにくいとか、リーダーの言う事を聞かなかったら、その機嫌を損じるなどして、ついつい付き合い皆について行き、ひどい眼に逢うことにもなりかけません。
私のように気楽に中止など出来ないのが普通です。
勿論、リーダーは物凄く難しい決断を迫られるので、50年以上登っていても、依然素人同様な私などがとやかく言えません。
しかし、一般登山者に是非聞いて貰いたい事は、グループ登山は単独行より遥かに安全で気楽ですが、天候が怪しくなった時の、参加するか否かで、楽しい登山が出来るか、ひどい登山になるか、極端には生命に関わる危険にさらされることにも成りかねません。
その決断が難しい程、希望的観測で無意識のうちに、天候が回復すると思い込みがちになるものです。
そのような時の、そのパーティー以外の登山経験者の意見を聞いて、判断するのをお勧めします。
一般登山者の決断するのは、その時だけです。
後はリーダーについて行けば良いだけです。
そして、やめる判断をしなければならない時は、私の考え方のように、また次があるさと割り切ったらいかがでしょう。
80歳を超した私でさえ、そう思っているのですから、60歳以下の人達なら、私の経験からしても、無雪期のアルプス登山など後何度も機会が訪れると思います。