普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

女性の役割と少子化

2006-10-26 10:19:18 | 少子高齢化

私どもの英字新聞輪読会で、ジェニファー・松井の「War on Wemen」という論文を読みました。
http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/articles/op20060929/op20060929main.htm

その概要は、
1.女性への闘いは激しさを増していて、日本も例外でない。
社会の不孝と破壊は女性の理由にする事が多い、男女同権は結婚と家庭の基礎を蝕み、日本の出生率低下の原因となっていると言われている。
与党の鷹派からなる憲法改正プロゼクトチームは、個人主義が戦後に利己主義にゆがめられて解釈され、家庭やコミュニティーの価値観を壊し、出生率の低下を来したと結論づけている。
彼女は全体の文脈から見るとそんなことはないと言いたいようです。
2.憲法では男女同権を定めている。
3.政府は(女性を攻撃している家庭の概念)を米国から借りてこようとしている。
米国との違いは、宗教的な言葉でなくて、国家主義的な言葉を使っていることだ。
私は新聞などで読んだことはありませんでした。
4.愛国主義的な言葉で、女性に恥ずかしい思いをさせてその独立性を捨てさせようとしているのは、ヒットラー時代の閣僚が取ってきたやり方だ。
近代社会では、女性の役割を放って置かなかった。それは優れて立派な物だった。
然し、(時代の)変容(transformation)は女性からその相応しい役目を奪ってきた。
結果は、前の理想とは無関係のドイツ女性らしさ(womanhood)についての一般の歪められた見方となっている。
 ?????!!!!!?????!!!!!?????
5.最近の素直で従順な紀子さまが、国の為に自らのお子様をお産みになったことは、改定された憲法の元での日本女性の将来へのぴったりと例えとなるだろう。
それはヒットラーの閣僚が見つけることが出来なかった、新しいファシストの世界秩序の到来を告げるヒロインのよりよい例である。
何を言っているんですかね。?????

Ms. 松井は"Student Times"の論客の中では、まあ増しな方だと思っていますが、4.から5.までは彼女らしくない論理の飛躍があるのか、私の英語力の不足かで何を言いたいのかよく判りませんでした。
ただ、日本人として、日本に半世紀以上も住んでいるである私にとって、紀子さまのご出産が「ファシスト」の世界に繋がると言う外国人の発想にはついてとても着いて行けません。
然し、私は彼女の文章から改めて、日本における女性への対応と、家庭における両親の役割を改めて考えさせられました。

<<女性の責任>>

彼女が例に上げた、女性に関する彼女から言わせればいわれのない指摘は、私も必ずしも女性だけが問題だとは思いません。
戦後の女性に対する差別への反省や、男女同権の考え方から、女性の立場が向上したのは、非常に良い事立ったのですが、女性の権利向上に伴う、「責任」という面では殆ど議論されず、マスコミも取り上げて来ませんでした。
それが、今になって少子化などと言う大きな問題に日本が直面して原因だと思います。
次に私の以前に投稿したものの該当部分の抄録を見て下さい。

<<農村の花嫁問題>>
http://blog.goo.ne.jp/mutouha80s/d/20060613
一番のよい例が戦後から今まで続いている「農村の花嫁」の問題です。
マスコミでしばしば農村の青年の嫁不足の問題や都会からや外国からの花嫁取り上げられました。
然し農村の若者の半分を締める、若い女性は殆どこの問題を取り上げるテレビの画面に出てきませんでしたし、今でも全くと言っていい程見られません。
農村を維持して行く責任は男の若者だけにあるのででしょうか、若い女性の責任はどうなっているのでしょうか。
最近、農村の花嫁問題はマスコミに殆ど出てきませんが、もう解決したのでしょうか。
私はこの問題が定着してしまって、もうニュース・バリューがなくなったからでは無い事を祈っています。

<<少子化に対する女性の責任>>

既に家庭では女性が磐石の地位を占め(私の家などは特にそうです)、社会的地位の向上とともに、女性の社会に対する責任の重さも増えてくるのも当然です。
特に女性にとって大きな負担を強いる出産の問題については、女性の意見が大いに反映されるべきなのは当然です。
それで女性自身が、自分自身の立場だけでなく、地域のコミュニティーや国と言う私たちが生活を共にしているグループの将来も考えて行動すべきだと思います。
だから男女同権、共同責任と言う以上に女性の責任とは言えないとしても、少なくとも女性自身が良く考えるべきだと思います。

<<少子化に対する若い夫婦の責任>>

人によっては、少子化が必ずしも悪くないと言う人もいますし、労働力が足らなければ輸入すれば良いと言う人もいます。
然し、彼らは少子化から派生する年金の危機などの余りにも多くの問題、労働者の輸入に伴う人種問題や階級社会化等は(多分意識して)言わないし、勿論、そのその具体的な解決策など出そうとしません。
このような楽観的な発言には眉に唾を付けて聞くべきだと思います。
結局は一番の当事者として、夫婦自身で問題を考えるしかないような気がします。

<<子供に対する親の責任>>

昔だったら普通3~5人からの子供がいて、その家庭の中や近所の世界の中で自然と社会のルールを学んで来ました。
現状からして全く仕方がないのならともかく、自分たちの都合だけで、子供を一人だけ生むことで、そのような子供の権利や勉強のチャンスを奪って良いのでしょうか。
またいじめ論議が盛んになって来ました。
今でも、進んで来ている少子化がその子たちの教育面で、色々と良くない影響を与えているのも考えるべきではないでしょうか。

有名な田島陽子先生によれば、家庭にいる女性は半馬鹿扱いにされていますが、家庭で子供を産み、立派な人に育て上げるのが、そんなに詰まらない事でしょうか。
仕事に付くのも良いし、そこで社会的地位を築くのもいいし、家庭で社会のために 立派な子供を育て上げるのも立派な仕事と思います。
女性の方達がもっと多様な価値観を持って頂ければ、少子化にも歯止めがかかるし、世の中はもっと良くなると思うのですが。


女性の方にお願い:
どうか、Ms.松井のように子供を産む事が、それがファシストや国家主義などの道に繋がるなど考えないで下さい。
世の動きに惑わされずに、もっともっと貴女自身の価値観をもってそれぞれの道に進んで下さい。
 
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