昨日、本屋で自民党の小池百合子さんが小沢さんのことを書いた本を見た。
彼女は小沢さんと長い間共に政治生活を過ごしていただけあって彼のこと良く見ているようだ。
それで帰宅して彼女のホームページから、同じ主旨の小沢一郎と小泉純一郎を斬る (文藝春秋 2008年1月号)で同じような主旨の文章をみつけたので彼女の小沢さんに対する観方を纏めてみた。
[小池さんが見た小沢さん]
1.性格
小沢氏の言動は、時に周囲の人間にさえ理解できないことがある。独裁的だとか、人付き合いが悪いだとかのイメージもあるが、小沢氏は「孤を守る」人だ。
2.政治行動の基準
・小沢氏の政治行動の基準は、わずか二枚のカードに集約される。それは「政局カード」と「理念カード」である。具体的にいえば、「政局カード」とは持論である政権交代という錦の御旗を立てることであり、「理念カード」とは安全保障を中心にした政策構想である。
小沢氏というと政治的駆け引きに長けているように見えるが、決してそんなことはない。むしろやり方はシンプルだ。ある時は「政局カード」を振りかざし、それが手詰まりになると見るや、今度は「理念カード」を切る。この繰り返しである。
・湾岸戦争では、合計百三十億ドルもの巨額の戦費を求めに応じて負担したものの、国際社会からの評価は低かった。この体験が「理念カード」となり、今でも国連原理主義者として小沢氏を縛りつけている。
・大連立問題では小沢氏は「自衛隊の海外派遣は国連決議に基づくものに限る、という一点で福田総理と合意した」と語り、自民党との「大連立」に踏み切ろうとした。「理念カード」で一致をみたので「政局カード」を引っ込めたわけである。
3.ご都合主義
・私は(小池さん)は国旗・国歌法には賛成、外国人参政権には否定的な立場で、自由党内の大勢も同じ見解だった。心情的には小沢氏も同意見だったと思う。しかし、(細川政権を仕切っていた新進党のとき)公明の取り込みという政局的観点からか、党内議論とは別に、国旗・国歌法に反対、外国人参政権に賛成とした。「政局カード」を使ったのだ。
・小沢氏のカードの切り方は、ただシンプルなだけではなく、ご都合主義ではないかとの疑念がよぎったのである。私は「それが政治さ」とは割り切れずにいた。
[小沢さんと小泉さんの比較]
1.共通点:
行動力
小沢氏は自民党を割り、野党連立政権を作った。小泉氏は「九・一一郵政選挙」で、誰も予想しなかったまさかの解散総選挙を実現し、自民党に大勝をもたらした。
2.相違点
・性格
小泉氏の「明」に対し、小沢氏の「暗」。言い換えれば、外へ向うエネルギーの大きい小泉氏に対して、小沢氏はひたすら内向きのエネルギーが充満する。
(酒席では馬鹿話する小泉さんに比べて)小沢氏の場合、議論の場で向き合っていても、なかなか胸襟を開いてくれることはない
・「孤」を守る小沢氏と「群れない」小泉氏。子分を作るがいつしか離れていく小沢氏と、最初から作らない小泉氏。
・「政局」対応の成功度
小沢氏の切り札は「政局カード」だと先に申し上げたが、実はそのカードの釣果は多くない。対して小泉氏は、総理就任を決めた三度目の総裁選では組織票を固めたとされていた橋本元総理と戦い、地すべり的な勝利を収めた。また、総理就任後でも、郵政選挙における三百議席の圧勝に代表されるように、要所要所での勝負所では抜群の政局観を発揮し、結果、五年五カ月という長期政権を守りきった。
[私の見た小沢さん]
小池さんの書いたものを見ると当然ながら、政治家らしく、自己弁護や売り込みと思えるような記述も見られるので、割引をして見る必要がある思う。
特に小沢さんの政治理念が国際連盟一本槍と言わんばかり記述は公平を書き、彼のホームページをみても国内問題でも、彼なりの識見→理念を持っていると信じたい。。
次期政権を狙う政党の党首がそのような単純な理念しか持っていないとすれば、日本国民が可哀相過ぎると思う。
然し小沢さんを良く知る小池さんの言う、理念の政局の2枚のカードの使い分け、とくに都合によってはその理念カードをしまっても政局カードを使うと言う説明には今までの民主党の首を捻るやり方の殆どが説明できるようだ。
[これからの政局]
今日のANNのの最新世論調査 では、
・福田内閣の支持率は前回より5ポイントあまり下がって30.7%
・与党単独で予算案と税制関連法案を衆院で可決したことについては、「支持する」が3割程度だったのに対し、「支持しない」が5割
・10年間で59兆円規模となる道路整備計画については、65%の人が「支持しない」
と政府、与党には不利の結果がでている。
それについて自民党、とくに道路族と言われる人達は世論の動きにも鈍感、自民党が下野するかも知れないと言う危機感もない様に見える。
一方の民主党は小池さん流に言えば、政局カードを駆使する小沢さんの戦術に従って党利党略丸見えのような国会運営をしている。
しかし今の政局は小泉さん大勝以来の世論の動き、それを煽るマスコミの報道により大きく左右される状態だ。
だから自民、民主のどちらが余計にチョンボするかで選挙の趨勢は大きく変わる。
そしてその点から言えば、今の所は民主党が有利のように見える。
民主党は今は政権交代しか眼が向いて居ない様だが、いざその時になって慌てないように、そろそろ政権を取ったときの体制も考えて置く必要があるようだ。
私は何度も民主党が言うような小沢さんを首相に頂くことの危うさを書いてきた。
そして小池さんの言う事を聞いて、政治家としては優れていても、上に立つ人として不適任な人柄の人が万一首相になれば、日本、民主党に取って不幸なことになりはしないかと思う。
もう一つこれも何時も言う事だか、民主党は政権政党に足りるそして、自民党に猛攻撃に足りるしっかりした政策を取って貰いたいと思う。
参照:カテゴリー → 民主党
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