体調を崩していた家内と同じ時間を過ごしたため、久しぶりに長い間テレビの国会の中継やニュース報道を見るる機会があった。
それを見ながら今更のように気がついた素朴な疑問を纏めてみた。
[予算委員会の委員の仕事]
予算委員会では党の代表質問者が政府関係者への質疑と言う形で進められている。
その間の他の委員はそれを聞くだけで何もすることがないようだ。
たまにすることは質疑者や回答者にたいする彌次だけ、それも時々は委員長から「静粛に」とブレーキがかかる。
予算委員会は出席者が定数にならないと成立しないそうだが、少なくとも質疑の間のその他の委員の役割は何だろう。
[予算委員会の議題]
野党の人達は審議不十分だとして与党の強行採決の非難をするが、審議の様子を見ていると、国交省の慰安旅行費用まるまる負担などの不祥事の追求などは予算に関連するのでまあ良いとして、焦点の暫定予算とその関連法案とはまったくかけ離れた、イージス艦問題や、次期日銀総裁問題、郵政改革についての批判、はては共産党の後期高齢者医療制度中の終末医療を何故老齢者に限るのかなどの政府攻撃などの他の問題までの質疑に相当程度の時間が掛けられているようだ。
素人考えでは予算委員会だから予算に限って審議すれば数週間の審議で十分に尽くされるはずだが、国会中継が本会議と、予算委員会に限られているのがこの現象となっているのだろう。
河野太郎さん、馬淵澄夫さんを中心とする自民、民主両党の7人の衆院議員が公表した国会改革案のなかに、「立法審査と行政監の分立」があるまさにこの弊害を直そうとするものだが、この提案にたいして、閣僚や党の有力者たちがどれ程の関心を払うのだろうか。
[品のない質問者]
民主党の某議員は会計検査院長との質疑が終了した後、「もう後は用がないのでとっとと帰って仕事を早くしろ」(彼が言った言葉そのまま)と言って一部からの失笑を買った。
院長は議員の思惑どおりの回答をしたのになんと失礼の言い方だろう。
私は彼の名前など全く知らなかった。
その様な余り有名でない彼は福田さん始め、閣僚の攻撃と次期政権を狙う党の議員として正義の味方気取りで、思い上がっていたのだろうが、この一言で彼の品性のないことを曝け出してしまった。
私は彼の選挙区でいたら絶対に彼に投票をしないだろう。
[自説を振り回す質疑者]
国民新党の自見庄三郎さんにとっては久しぶりの大舞台に立ってこともあったと思うが、彼の質疑は非常に迫力があった。
唯その内容は、これも久しぶりに聞く大型公共投資必要論で、現在の800兆を越す国債、償還に国費の3分の1近くを使っていること、今後の日本経済の大規模な回復の期待は望めないと言う現実を無視したもので呆れて聞いていた。
然し問題はその議論を補足する資料として橋本、小泉、安倍内閣時代からGDPが大幅に下落した資料を掲げて、構造改革の批判をしていたことだ。
GDPの下落は小泉改革の影響より、中国を代表とするBricsの台頭による世界情勢の大幅な変化と、日本企業の相対的競争力の低下によるものだ。
経済政策については自見さんと経済財政政策特命大臣の大田弘子さんの間で議論が交わされたが、経済の専門家の太田さんは、自見さんの提示した資料の読み方の間違いについて指摘しなかったし、これ以上の積極的な公共投資のための国債発行をしても、日本の競争力の減退→財政力の弱体化からから返還のめどがたたないことも言わなかった。
これは政府関係者の全てに通じることだが、政府提案の法案を通して貰いたいあまりの野党に対する遠慮の現れで、それを良い事に自説をぶっても徒に貴重なに審議時間を浪費するばかりだ。
然し、自見さんが専門の郵政民営化の問題については流石に唸らせる発言が続いて、自見もさんの経済政策論議をにやにやして聞いていた福田さんも丁重に返答をしていた。
このように質疑も的をついていれば、国会の論議も生きてくるのだが。
無駄な議論で大切な審議時間を空費する傾向があるのは勿体ないことだ。
[日銀総裁の後継問題]
この件に関する民主党の対応について、珍しく全ての全国紙の社説で批判されていた。
これについての国民の意見はほぼマスコミの意見とほぼ同じだと思う。
反対の理由は武藤さんが財務省出身であることはまだ良いとして、小泉改革のお先棒を担いで、超低金利政策を推進し、国民から預金利子を奪い格差社会をもたらしたと言うものだ。
私も一庶民として、金利ゼロの預金は嬉しくないが、超低金利以外の政策があったのか、もしあったのならその対案を示して批判すべきだと思うのだが、例によって一方的に彼の批判をするばかりだ。
鳩山さんは提案が遅れたのは政府の責任だと言うが、その前に彼が「政府が衆院3分の2条項を利用して予算を可決してので日銀総裁の審議をする環境にない」など、始めから政府の提案が誰であれ反対する態度のために、人事問題についての政府と民主党の交渉が遅れたのだろうと言う事はは誰でも想像がつくことで、鳩山さんの言う様に提案の遅れた原因は民主党にもあることは民主党以外の人達は皆思っていることだ。
民主党は世論やマスコミの反対にも関わらず頑として自説を貫いているのだ。
自民党はこの打開のために民主党が気にいりそうな人を選んでくるかもしれない。
もしそうなったとして、日本の得たもの、民主党の得るものは何だろうか。
日本の得たものと言えば、Japa"i”nの悪評だ。
そして民主党の得るものは日本のことは二の次にしても党利党略に走る胡散臭い党の評判だけだ。
[二大政党の弊害]
私は政権交代論者だ。
然し考えて見れば、その前提は二大政党ともいざと言う時は、日本や日本人のために胸襟を開いて本音で語り合える党であることだ。
勿論政治だから時に党利党略も必要だと思う。
然し日本の存亡や重大に岐路に立ったときは党利党略は抜きで協力してことに当たる政党で無ければ、政権を担当させるわけにいかないと思うのは当然だ。
そして、今日本は重大な岐路にたっている。
今まで頼りきってきた米国の経済情勢の回復も怪しい。
米国と一歩置いた立場の中国やロシヤの台頭。
米国の言いなりにならずに独り歩きするオイル・ダラーに代表される金余りのファンドなど。
そして日本は過去の経済成長路線から、縮小路線へ岐路にたっている。
米国では大統領が共和党、議会は上下院とも民主党だが、今回のサブプライムローン崩壊の危機では膨大な支出を即決に近い形で決めた。
もし議会が大統領と完全に対立しても、大統領の拒否権で少なくとも政治の停滞は避けられる。
日本では政治は停滞したままだ。
私は当面は政局の主導権を握る民主党に対する批判じみたことを言ってきたが、自民党もまあまあ主義の福田さんが首相になった途端に勢いを増してきた道路族がおり、党も野党に廻れば多分民主党と殆ど変わらないやり方で倒閣一本槍で進むと思う。
私は両党とも国民の付託に耐え得る立派な政党であって欲しいと思う。
もしも自民、民主が今の体質が変わらなければ、世論調査に見るような政権交代への国民の希望が潰れ、残るのは政治不信だけだ。
参照:カテゴリー → 福田政権
民主党
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ