[停滞する予算関連法案の審議]
22日の読売新聞は福田さんをあくまで話し合い路線で関連法案の修正を提示しようとしているのに対して、
民主党の鳩山幹事長は22日朝、TBSの番組で、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案など税制関連法案をめぐって与党が呼び掛けている修正協議について、「暫定税率廃止と道路特定財源の一般財源化の二つは切り離せない」と述べ、与党が暫定税率廃止を約束しない以上、協議を拒否すると与党側に回答する考えを明らかにした。
と報じている。
ところが今日のNHKの日曜討論では鳩山さんが「国会での話し合いに反対するどころか民主党の方が話し会いを希望しているのだ」と言ったのに対して、自民党の伊吹さんが「鳩山さんの発言は微妙だが他の党は皆話し合いを希望している」と言って鳩山さんの発言に対して柔らかく批判をしていた。
また公明党の北側さんが「今日の話し合いの結果をどうぞ国会に活かして欲しい」と念を押していた。
こういう場で奇麗事を言っても党や国会の帰ると話がころっと変わるのが民主党の常道だ。
私の勘繰りだが小沢さんの強硬路線に首を捻りながら発言をしている鳩山さんも大変だ。
また22日の日テレの「ウェークアップ!ぷらす」ではゲスト出演の神戸大学の教授が、「G7の中で、米国のドル安は当然として、その他の国で自国の通貨が下がったのは日本とイタリヤだけだ。」
「そして両国に共通しているのは、両院制でしかも両院が対等の力を持っているために、両国とも政治が停滞していることを上げ、日本の政治家は「日本売り」を避けるためにも、もっと国民の方に向いて政局にあたるべきだ」と指摘していた。
日銀総裁問題では世論、特に珍しく揃ったマスコミの反対に関わらず、国民新党を除く野党は政府の提出した人事に反対をしてとうとう空席を作ってしまった。
そして今までのやり方から考えると今度の暫定予算問題もNHKの日曜討論の話し合いの同意とは反対に民主党は頭からはねつけそうな気配だ。
それでまた予算まで執行不能に陥ってしまいかねない。
[政治の停滞の問題点]
日本では政治の停滞を防ぐために、予算関連法案については衆議院の3分の2条項で衆院の優位を認めている。
そして今回の捩れ国会では政府与党はこれを利用して、予算案を通過させた。
然し考えて見れば、これはたまたま小泉さん大勝のお蔭で、衆院で3分の2以上の席を占めていたのでこの条項を使えた。
然し、今の政治情勢から見て、次回の衆院選挙で与党がまた3分の2以上の席を取ることは殆ど不可能のような気がする。
だから仮に自民党が勝ってもいまの状態は変わらないどころか、3分の2条項は使えないので、次年度の予算とその関連法案は民主党の態度が変わらない限りは絶対に通らない。
一つの希望は民主党が勝つて、両院とも今の野党が多数を占めれば、政治は停滞しなくてすむ。
その時は野党に廻ったベテラン揃いの自民党は、今の民主党以上の猛烈な政府の攻撃をするだろう。
今まで民主党が出してきた重要法案の対案を見ても、自民党の攻撃に耐え得る政策を民主党が持っているとはとても思えないし、結局は官僚達に頼る他ない。
そして今の情勢、特に民主党が言う小沢さんの首相では短命に終わることは、容易に想像出来る事だ。
その一方で、北叟笑んでいるのは政治権力の一つの官僚達だ。
政治が停滞しても、政治抗争が激化しても官僚達の思うがままに実質的な国家の運営を掌握出来る。
そして彼らの立場は依然として安泰だ。
[参議院改革の必要性]
私は何度か政治の停滞を防ぐためには参議院改革を行って、昔のような「良識の府」とすべきだと書いてきた。(前記の教授も同じことを言っていた。)
その内容は長くなるので、下記を参照願いたい。
参照:参議院選の選挙に行く前に [参議院の変質]
政治の停滞を如何に克服するか [参議院制度改革]
そして、今回の日銀総裁の後継問題や予算案の審議の停滞を見ると、改めて誰でもが考えつく参議院制度を改革するか、他国の例を参照して、両院がそれぞれ反対勢力で占められても何とか政治の停滞を防ぐ方法を考える必要性を改めて強く感じている。
然しこれには参議院で多数を占めて、そのうま味を知った民主党が参院改革などに賛成するとはとても思えない。
まして次の衆院選で多数を占めて政権を取ったときに、自ら参議院を改革して政治運営をやり難くするなど考えないのは、今までの自民党と同じことだ。
私は前にも書いたが、今のような衆議院と殆ど変わらない選挙制度を考えだしたのが、参議院の現有の政党勢力の拡大としか考えられないことから、今回参議院敗戦で苦い思いをした自民党や民主党以外の野党からも参議院改革の提案が出すなどとても思えない。
[参議院改革の進め方]
日本の歴史を振り返ってみると、政治の形態を改革した原動力は
・戦国時代→武力
・明治維新→武力
・軍国主義化→5.15、2.26事件など軍の一部の反乱→軍の勢力増大
・民主主義の導入→占領軍の統治
などが上げられる。
然しこれは全て政治の大改革でありすべて何らかの武力の行使によるものだ。
それに比べれば、参議院の改革などはるかに簡単なもので、国会議員の性善説に立てば容易に解決できるものだ。
もちろん私たちは武力の行使つまり自衛隊の関与など、考えられもしないことだ。
然し今の政治家達の言動を見ていると自民、民主に限らず国会議員の性善説などは言うべくしてとても期待出来ないことだ。
そうかと言って、民主主義の理屈から言えば一般国民が、政治を動かすのは投票によるしかないが、選挙で参議院改革するなどまず政党が公約で言い出さい限り、国民の意志が反映できない仕組みになっている。
そして政党自身がそれを言い出すかどうかは、前に書いたように随分頼り無い状態だ。
それで最後の手段として残るのは世論の力だ。
そしてそれを代表するのがマスコミだ。
先日も書いたが、福田さんを首相に担ぎ上げ、政治の停滞を防ぐために大連立を持ちかけるのに一部マスコミの人達が動いたと伝えられている。
大連立など昔の大政翼賛会を思わせるような、またそれに付随して発生する問題が大き過ぎるような提案でなくて、真っ当な参議院制度の改革へマスコミがもっと動いたらどうだろうか。
そして、一般の人達もネットでこの参議院改革の必要性をもっと大々的に主張してマスコミを動かしてはどうだろうか。
参照:政治と世論とブログ[世論の動向とブロガー]
このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ