3月4日、NHKのクローズアップ現代で「もう職場に行きたくない~広がる大人のいじめ~」の放送があった。
NHKの案内では番組の概要は次の通りだ。
「いじめ」が今、大人の職場で広がり深刻な事態を引き起こしている。去年末、産業カウンセラー440名に行ったアンケートでは、社員の56%が「同僚間のいじめ」に悩んでいると返答。派遣社員の間では、有能な人を追い落とすためにいじめが広がり、学校現場では教師同士のいじめが多発。病院では看護師同士のいじめが起きていた。多発の背景には、派遣社員など労働契約の多様化が進み、生き残りをかけ職場が荒廃したことや、成果主義が導入され職場にゆとりがなくなっていることがあると見られる。事態を重く見た企業の中には、いじめ対策マニュアルを取り入れたり、懲戒処分の理由にいじめを付け加えるところも出てきている。広がる職場でのいじめ。その実態と対策に迫る。
[時代の変遷]
私ども戦前派のように、企業の家族主義的な考え方に基づく、従業員の家族の成長による生活費の増加に対応する定年制と年功序列型賃金を払っても、企業として外国企業に十分競争力を保っていた古き良い時代を過ごした人間に取っては、とても考えられない事が起きているそうだ。
然しBRICs 、特に隣国の中国の台頭に伴う競争激化に対応して企業の成果主義の導入→職場にゆとりの減少がこのいじめと言う現象が生れたとすれば、職場のいじめの増加はある程度は致し方ないのかも知れない。
然しこの現象の増加に対応して、一般企業には改正された労働安全衛生法第69・71条により労働者が働くための環境を安全・快適にしておく所謂、職場環境配慮義務が課せられた。
つまり、例え肉体的に無傷であっても、陰口やセクハラ、仕事上で不平等な扱いを受るような事があれば会社が職場での環境を整えているとは言えぬので、当然、精神的な苦痛に対しても会社は職場環境配慮義務あるということだ。
そして実際的にこれらいじめが授業員の精神的疾患による休業や退職などによる会社の損失と言う実害もあり、割合に適切な対処ができる土壌もあり、また対策の実施例も放送されていた。
[教師間のいじめ]
然し一番に問題になるのは、「学校現場では教師同士のいじめが多発」だ。
放送では一般的な、職場でのいじめ発生の原因として、企業などの成果主義の傾向の増大を上げていた。
学校で言えば、この流れにあるのが最近問題になった教師の評価制度や学校のバウチャー制度だ。
放送ではその他の理由として、教師や看護師特有の Emotional labor (感情労働)の問題を上げていた。
詰まり教師は看護師は何時も生徒や患者に対しては、何時も良い人であり、いつもにこにこして接する必要がありそれがストレスとなっていると言うのだ。
そして学校の教師達は企業の従業員と違って余程のことがない限り問題教師を解雇など出来ない制度になっているのが企業と違ってこの問題を難しくしている。
これでは今まで問題になってきた生徒同志のいじめの解決やモンスター・ペアレンツへの対応どころでは無くなる。
それこそ教師間のいじめ防止どころか、教師が一団になって事に当たらねばならぬ、学力の向上、生徒間のいじめや学級荒廃の防止、教師の精神疾患の防止などもっと大きな問題を抱えているのだ。
教師の団結を阻むもの
・成果主義(教師の評価制度の見直し、公立小、中学校のバウチャー制度)→教師間の競争
・日教組全盛時代からの名残で校長や教頭は管理者、教師の労働者の名残で管理する人、管理される人のやり方がまだ残っている。
・日教組、反日教組、ノンポリの対立が教師間に残っている。
日教組に属していた友人の元教師の言によれば、国、教育委員会、校長などの圧力で教師の団結がばらばらにされたと言っていた。
・多分戦前からの教師は教室に入れば一国一城の主と言う感覚がまだ残っている。
それで一般企業だったら普通の作業の標準化、資料の共同使用、先輩から後輩へのノウハウの伝承などが、十分でない。
私は、
スーパーマンを要求するのか、教員の免許更新制度
教師の締めつけよりも教育環境の改善へ
学校現場の負担増と教育委員会
などで何度も日教組全盛時代の名残である、学校や教師の締めつけより教育環境の整備をすべきだと書いたきた。
今度の教師間のいじめ問題の発生を期にさらに、学校の環境の改善に努め、教師間の協力を強化して学校が抱える問題の解決や改善に当たって貰いたいと思う。
校長以下、教師全員が前向きになれば教師間のいじめは自然に消滅して行くはずだ。
教育問題に特に関心のある私は、これを書いている間も、教師間のいじめなどある筈がない、この「問題が多発」と書いてあるが実際は極く一部に過ぎないとまだ思っている。
どうかこれが私の希望的観測であって欲しいものだ。
現在や元学校関係者にお願い
もし私の駄文を読まれた方で、誤解や検討違いの点など有りましたら是非ご教示をお願い致します。
参照:カテゴリー → 教育問題
教育改革、ゆとり教育
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