橋下知事の功績・大阪維新の会が「船中八策」で足を引っ張られるな・小泉首相ににあって橋下市長にないもの・竹中平蔵
大阪維新の会が「船中八策」と言うマニフェストを出して政界やマスコミ、ネット上で急に橋下さんの批判が増えたようです。
地方分権の推進・地方交付税廃止・公務員制度改革・教育改革などは今までの主張でそれなりの細かい事まで考えているでしょうが、年金を掛け捨て制と積み立て制の併用・政府が国民に現金を給付するベーシックインカム制度・首相公選制の導入・参議院を廃止。代わりに主張が議員を兼務できる、国と地方の協議の場の議院を設けるなど政界からもネット上でも批判続出です。
私はこれを見て民主党のマニフェストを思い出しました。
如何にも選挙向けの見てくれの良いマニフェストで、政権奪回したのは良いが、その殆どが実現不能か、野党からの指摘で大幅に変更しなければならないものばかりでした。
橋下さんがこのような検討不十分の公約を出したのは、「維新政治塾」の定員400人の所応募者が最終集計で3326人にもなったために、次期衆院選では塾生を中心に300人程度を擁立、200議席の獲得を目指す(毎日新聞より)となれば大政党として、国全体の政策も建てておかねば形が整わないと思ったのでしょうか。
橋下さんの人気があるのはその行動力とマスコミを活用した発信力で、安倍・福田・麻生・鳩山・菅・野田の各首相にないリーダーシップを買われているからです。 (私は安倍さん・麻生さんはマスコミのお蔭で過小評価され過ぎと思っていますが。)
逆に言えば彼が大きな絵を描いていたのは、大阪府と市の改革と大阪都の構想実現だけのように見えます。
私は彼のリーダーシップが中途半端な政策立案でその評価が落ちその足元を救われるのではないかと思っています。
産経はその社説の
維新「船中八策」国づくりの指針聞きたい でも橋下さんの新たな政策に就いて批判し、最後に維新の会が国家ビジョンを示して、民主、自民の二大政党も巻き込んだ国家像の議論が深まることを期待したい。と書いています。
私は出来たばかりの政党だから、橋下さんの得意の地方分権の推進・地方交付税廃止・公務員制度改革・教育改革などはきちんとした政策を建て、後はしっかりとした国家観や歴史観だけでも公約に明示すべきだと思います。
維新塾でもこの点だけはしっかり抑えて同じ見方をした人を揃えて行けば、橋下さんの実績を見れば、当面の問題に就いて、悪く言えば直ぐ取り上げ上手く処理して行けると思います。
それよりも当面の大阪府と市の改革に集中して行きそしてその成果が上がれば、橋下さんの影響力は300人以上の維新塾生とともに中央の政界にも引き続きと言うか上手く行けばそれ以上の力を持つと思います。
私はネットで「小泉にあって橋下市長にないもの」と言う私の意見と違う観点から橋下さんの「船中八策」を批判しているのを見つけました。
・橋下氏は、権力、首相を狙っているだけで、それ自体が目的である。実現したい政策は実は何もない見方は正しいが間違っている。政策が何もないから、強いし怖いのだ。(筆者の小幡績さんは、始めから船中八策は政策ではないと思っているようです。)
・その対極は民主党だ。みんな政策に一家言あり、政策を語れない政治家は知的な政治家ではなく、だめな政治家、という風潮がある。だから、自分の思いの詰まった政策、自分が考えた政策にこだわる。一旦マニフェストで打ち出したモノはプライドがあるから引っ込められない。
・これを私は、民主党の「僕ちゃん政治」と呼んでいる。僕ちゃんはちゃんと政策を考えている、僕ちゃんの政策を実現しなくてはいけない、僕ちゃんが仕事をする、官僚には頼らない、僕ちゃんがやるんだ。(私は民主党の政策は野党のそれだと書いて来ましたが、著者は中途半端な政策を出したから失敗したのだと言いたいようようです。)
以下小泉さんは郵政民営化一本に絞って徹底的に政治的に勝ち切った。それには実際には実現したい政策が何もないから自由に動けたのだ。(私の見方で言えば年次改革要望書による規制緩和と、竹中さんの金融問題処理は善悪は別として小泉さんの仕事です。)
橋下氏の戦略も似ている。現在のひ弱なふらふらしている民主党、自民党の若手議員とは、けんかの強さが違う。そして、僕ちゃんの政策はなく、自由にポジションを取り、イメージを作れるから、強い。
小泉さんには竹中さんと言う強い味方がいたが、橋下さんには下手な政策へのプライド、知性へのプライドのある「僕ちゃん」政策ブレーンしかいない。
橋下氏が語る分には、揚げ足をとられないように、抽象的で大枠とイメージだけを語る。だから、揚げ足をとられない。ところが、具体性がないと言われて、知的に反論したくなってしまう僕ちゃんブレーンは語ってしまうだろう。そこが落とし穴で、破綻の可能性がある。
著者の小幡さんの言を借りて、下記の橋下さんの実績をみますと大きく言って「大阪府の合理化」で括られるものが殆どで、その実績は多いに評価すべきですが、年金を掛け捨て、ベーシックインカム制度、首相公選制の導入、参議院を廃止などは、「大阪府の合理化」に匹敵またはそれ以上の大きく難しい政策です。
私は前記のように、不十分の公約で民主党のように引っ掻き回されて、橋下さんの今までの大きな功績がフイになったり、その国の政治への影響力ががた落ちにならないように、まず足元の大阪府と市の改革と橋下さんの希望のように大阪都実現に力を集中すべきだと思います。
予定通り何人かの維新の会が国会に進出しても、基本的な国家観や歴史観だけはしっかり統一して、ここの公約以外の問題が出たら討議拘束を外すなどすればまた会の人気が上がると思いますので、得意の政策以外はじっくりと検討すべきと思うのですが。
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*注記:橋下知事の功績(太字は私の支持する政策)
・職員給与・ボーナス・手当・福利厚生カット、退職金カット(全国初)→人件費1300億円削減
・一般施策の経費見直し、建設事業費カット→1100億円削減
・大阪府が負担する借金の残高を3100億円削減、太田やノックがやっていた赤字隠し手法を止めた
・天下り先の大阪府出資法人を44→28に削減、赤字垂れ流しハコモノ28施設を廃止・見直し
・府の全ての公金支出と予算要求をHPで全面公開(全国初)、情報公開度ランキングで28→1位に
・府の監査に民間が参加できるようにしてチェック機能が向上
・東京都と連携して民間企業と同じ複式簿記の会計制度を導入
・知事交際費を廃止(全国初)
・国の直轄事業負担金制度見直しを訴え国に認めさせる
・関空と伊丹空港の経営統合を国交省に認めさせたほか、国交省の「大戸川ダム」計画を建設中止に追い込む。国交省の計画が知事の意見で凍結されたのは全国初
・街頭防犯カメラ1700台・LED防犯灯1940器を設置、警察装備強化、青色防犯パトロール、府庁「青少年・地域安全室」の新設など、様々な治安対策を実施
・その結果大阪府の犯罪件数は平成19年→22年で24%減少。全国の17%を上回る成果
・ひったくり件数ワーストを35年ぶりに返上、街頭犯罪件数ワーストも11年ぶりに返上
・公共事業からの暴力団排除という独自規定を盛り込んだ「大阪府暴力団排除条例」を制定
・弁護士の能力を生かし自ら草稿を書いたナマポ対策の貧困ビジネス規制条例を制定(全国初)
・解放同盟に40年間無償貸与されていた「大阪人権センター」を解体。各種予算の削減
・教員に君が代の起立斉唱を義務づける条例を制定(全国初)。朝鮮高級学校補助金を停止
・公立学校に塾講師などを派遣し無料補習授業。全国学力テスト小学校部門の大阪府順位は41→31位に
・大阪府議定数109から88に 削減案を可決
大阪維新の会が「船中八策」と言うマニフェストを出して政界やマスコミ、ネット上で急に橋下さんの批判が増えたようです。
地方分権の推進・地方交付税廃止・公務員制度改革・教育改革などは今までの主張でそれなりの細かい事まで考えているでしょうが、年金を掛け捨て制と積み立て制の併用・政府が国民に現金を給付するベーシックインカム制度・首相公選制の導入・参議院を廃止。代わりに主張が議員を兼務できる、国と地方の協議の場の議院を設けるなど政界からもネット上でも批判続出です。
私はこれを見て民主党のマニフェストを思い出しました。
如何にも選挙向けの見てくれの良いマニフェストで、政権奪回したのは良いが、その殆どが実現不能か、野党からの指摘で大幅に変更しなければならないものばかりでした。
橋下さんがこのような検討不十分の公約を出したのは、「維新政治塾」の定員400人の所応募者が最終集計で3326人にもなったために、次期衆院選では塾生を中心に300人程度を擁立、200議席の獲得を目指す(毎日新聞より)となれば大政党として、国全体の政策も建てておかねば形が整わないと思ったのでしょうか。
橋下さんの人気があるのはその行動力とマスコミを活用した発信力で、安倍・福田・麻生・鳩山・菅・野田の各首相にないリーダーシップを買われているからです。 (私は安倍さん・麻生さんはマスコミのお蔭で過小評価され過ぎと思っていますが。)
逆に言えば彼が大きな絵を描いていたのは、大阪府と市の改革と大阪都の構想実現だけのように見えます。
私は彼のリーダーシップが中途半端な政策立案でその評価が落ちその足元を救われるのではないかと思っています。
産経はその社説の
維新「船中八策」国づくりの指針聞きたい でも橋下さんの新たな政策に就いて批判し、最後に維新の会が国家ビジョンを示して、民主、自民の二大政党も巻き込んだ国家像の議論が深まることを期待したい。と書いています。
私は出来たばかりの政党だから、橋下さんの得意の地方分権の推進・地方交付税廃止・公務員制度改革・教育改革などはきちんとした政策を建て、後はしっかりとした国家観や歴史観だけでも公約に明示すべきだと思います。
維新塾でもこの点だけはしっかり抑えて同じ見方をした人を揃えて行けば、橋下さんの実績を見れば、当面の問題に就いて、悪く言えば直ぐ取り上げ上手く処理して行けると思います。
それよりも当面の大阪府と市の改革に集中して行きそしてその成果が上がれば、橋下さんの影響力は300人以上の維新塾生とともに中央の政界にも引き続きと言うか上手く行けばそれ以上の力を持つと思います。
私はネットで「小泉にあって橋下市長にないもの」と言う私の意見と違う観点から橋下さんの「船中八策」を批判しているのを見つけました。
・橋下氏は、権力、首相を狙っているだけで、それ自体が目的である。実現したい政策は実は何もない見方は正しいが間違っている。政策が何もないから、強いし怖いのだ。(筆者の小幡績さんは、始めから船中八策は政策ではないと思っているようです。)
・その対極は民主党だ。みんな政策に一家言あり、政策を語れない政治家は知的な政治家ではなく、だめな政治家、という風潮がある。だから、自分の思いの詰まった政策、自分が考えた政策にこだわる。一旦マニフェストで打ち出したモノはプライドがあるから引っ込められない。
・これを私は、民主党の「僕ちゃん政治」と呼んでいる。僕ちゃんはちゃんと政策を考えている、僕ちゃんの政策を実現しなくてはいけない、僕ちゃんが仕事をする、官僚には頼らない、僕ちゃんがやるんだ。(私は民主党の政策は野党のそれだと書いて来ましたが、著者は中途半端な政策を出したから失敗したのだと言いたいようようです。)
以下小泉さんは郵政民営化一本に絞って徹底的に政治的に勝ち切った。それには実際には実現したい政策が何もないから自由に動けたのだ。(私の見方で言えば年次改革要望書による規制緩和と、竹中さんの金融問題処理は善悪は別として小泉さんの仕事です。)
橋下氏の戦略も似ている。現在のひ弱なふらふらしている民主党、自民党の若手議員とは、けんかの強さが違う。そして、僕ちゃんの政策はなく、自由にポジションを取り、イメージを作れるから、強い。
小泉さんには竹中さんと言う強い味方がいたが、橋下さんには下手な政策へのプライド、知性へのプライドのある「僕ちゃん」政策ブレーンしかいない。
橋下氏が語る分には、揚げ足をとられないように、抽象的で大枠とイメージだけを語る。だから、揚げ足をとられない。ところが、具体性がないと言われて、知的に反論したくなってしまう僕ちゃんブレーンは語ってしまうだろう。そこが落とし穴で、破綻の可能性がある。
著者の小幡さんの言を借りて、下記の橋下さんの実績をみますと大きく言って「大阪府の合理化」で括られるものが殆どで、その実績は多いに評価すべきですが、年金を掛け捨て、ベーシックインカム制度、首相公選制の導入、参議院を廃止などは、「大阪府の合理化」に匹敵またはそれ以上の大きく難しい政策です。
私は前記のように、不十分の公約で民主党のように引っ掻き回されて、橋下さんの今までの大きな功績がフイになったり、その国の政治への影響力ががた落ちにならないように、まず足元の大阪府と市の改革と橋下さんの希望のように大阪都実現に力を集中すべきだと思います。
予定通り何人かの維新の会が国会に進出しても、基本的な国家観や歴史観だけはしっかり統一して、ここの公約以外の問題が出たら討議拘束を外すなどすればまた会の人気が上がると思いますので、得意の政策以外はじっくりと検討すべきと思うのですが。
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*注記:橋下知事の功績(太字は私の支持する政策)
・職員給与・ボーナス・手当・福利厚生カット、退職金カット(全国初)→人件費1300億円削減
・一般施策の経費見直し、建設事業費カット→1100億円削減
・大阪府が負担する借金の残高を3100億円削減、太田やノックがやっていた赤字隠し手法を止めた
・天下り先の大阪府出資法人を44→28に削減、赤字垂れ流しハコモノ28施設を廃止・見直し
・府の全ての公金支出と予算要求をHPで全面公開(全国初)、情報公開度ランキングで28→1位に
・府の監査に民間が参加できるようにしてチェック機能が向上
・東京都と連携して民間企業と同じ複式簿記の会計制度を導入
・知事交際費を廃止(全国初)
・国の直轄事業負担金制度見直しを訴え国に認めさせる
・関空と伊丹空港の経営統合を国交省に認めさせたほか、国交省の「大戸川ダム」計画を建設中止に追い込む。国交省の計画が知事の意見で凍結されたのは全国初
・街頭防犯カメラ1700台・LED防犯灯1940器を設置、警察装備強化、青色防犯パトロール、府庁「青少年・地域安全室」の新設など、様々な治安対策を実施
・その結果大阪府の犯罪件数は平成19年→22年で24%減少。全国の17%を上回る成果
・ひったくり件数ワーストを35年ぶりに返上、街頭犯罪件数ワーストも11年ぶりに返上
・公共事業からの暴力団排除という独自規定を盛り込んだ「大阪府暴力団排除条例」を制定
・弁護士の能力を生かし自ら草稿を書いたナマポ対策の貧困ビジネス規制条例を制定(全国初)
・解放同盟に40年間無償貸与されていた「大阪人権センター」を解体。各種予算の削減
・教員に君が代の起立斉唱を義務づける条例を制定(全国初)。朝鮮高級学校補助金を停止
・公立学校に塾講師などを派遣し無料補習授業。全国学力テスト小学校部門の大阪府順位は41→31位に
・大阪府議定数109から88に 削減案を可決