今夜は少しだけ気分がよい。夕食後久しぶりにテレビを見た。中国・上海で開かれている「フィギュアスケートグランプリシリーズ」の中継があっていた。
優勝を狙える位置につけている羽生選手のフリーの演技を期待した。ところが思わぬアクシデント、6分間の公式練習中に中国選手と激突し2人とも身動きが取れない。氷上には血が流れている。数分後、頭に包帯を巻き、あごにばんそうこうを張り、痛々しい姿でリンクに戻ってきた羽生選手。顔色は真っ青、立っているのもおぼつかない様子。
私ごとだが先日の自動車事故を思い出した。コンクリートの堅い道路に投げ出され、全治3週間の傷だった。痛かった。何日かは歩行にも支障をきたした。羽生選手の表情での激突、堅い氷の上だからもっと衝撃がひどかったことだろう。
痛々しい羽生選手を見ておられなくなり、すぐにテレビの前を離れ、そうそうとベットにもぐりこんだ。羽生選手は棄権すると思った。
ところが翌日の新聞を見て驚いた。羽生選手が2位になっているではないか。あの状態で競技ができたことが不思議でならない。彼のひたむきな姿勢に「感動した」という声も多い。一方で「危険だ」との指摘も相次いだという。
私は彼のファンだからこそあえて言いたい。あの場合いでは「棄権する勇気」を持ってほしかった。自分のからだを考えてほしかった。結果的に大事には至らなかったようだが、頭部を強打した直後に激しく動いた後遺症がいつ現われるか分からない。心配されるところだ。
ファンとして世界王者としての彼が健康で長くいつまでも活躍してくれること願う。