今朝の散歩で柿の若葉を取ってきた。夜の食卓を飾る大切な材料だ。
天草で今年初めての松茸がとれたと新聞に出ていた。1本4万円で落札されたという。旬の松茸だが、ここしばらく外国産を含め松茸はいただいたことがない。年金生活者にとってはあまりにも高価な品だ。
初夏の日差しをうけて代わりと言ってはなんだが、旬の山菜や木の葉など、身近にある品物がわが家の食卓を飾る。柿の葉もそうだが、お茶の新芽、アザミの若葉などが、朝の散歩の途中に転がっている。今が盛りの薄紫の藤の花も食卓にのぼる。その味は誠に乙なものだ。松茸にはかなうはずもないが、山菜の天麩羅を酒の肴にいただくささやかな夜の晩酌が楽しくなってくる。
“わが家の奥さま”自慢じゃないが料理が上手。奥さま手作りの筍ご飯は天下逸品。大好きだ。日に3度、食べてもあきが来ない。
春のタケノコ、出立ちは値が張りなかなか手が出ない。ブランド品も目に余る。京都の白タケノコや北九州合馬の筍また然り。筍が出回り始め少し安くなる時機を狙って奥さま筍ごはんにやっと挑戦する。
最初に具を作る。独特の味付けがあるようだ。秘伝は青い山椒の実。去年買った京都伏見の山椒の実を大事にこれまで取っていた。
2人家族では想像できないほどの沢山の筍を小さくきざむ、大変な作業だ。出来上がった具は必要分を冷蔵庫に保存しておく。残りの具を身近な人たちに配るのも奥さまの楽しみの一つ。近くにいる娘夫婦はもちろんのこと、京都にいる孫にも送る。この時期、それを待っている方もたくさんおられる。
数日前、奥さま自慢の筍ごはんがやっと食卓を飾った。美味しいよ。ありがとうさんと小さな声でいった。奥さまと顔を見合わせ乾杯した。 料理上手な奥さんと一緒になって50年、こんな幸せいつまでも大切にしたいものだと、今宵もわが家の楽しい食事の時間が過ぎて行く。