残念ながら、マスコミの取材は無かったようですね。アリーナ席のJ友さんの前には渡辺えりさんがおられ、前方席にはタローさん、依知川さん、伊藤銀次さんがおられたそうです。
伊藤銀次さん→ジュリーとカズのOLD GUYS ROCK @武道館初日
沈黙図書館さん→J-f#707 忘れられない人 沢田研二さん(in 武道館・前編)
西の2階(実質3階)から下を見降ろしてみれば、広いステージ上は実にシンプルで簡素でした。いつものステージなら もうちょっと機材が置いてないかい?黒い折り畳んだ幕が上方にぶら下がっていて、これがスクリーンになるのだろうか?
始ってみたら、スクリーンに鮮やかにシュールな背景が映し出されて、そこに写るのはジュリーとカズさんの頭部 2人だけ。懐かしいライブからの映像の2人の姿が次々と・・2人っきり。なんというのか、映像はシュールで奇妙、まるで前衛絵画の世界のよう。
悪夢の世界で苦闘する、いやこの年齢にしてさらに羽ばたこうとする2人に見えた。ああ、これがジュリーとカズさん、まさに2人だけの「冒険」なんだな。ジュリーはブカブカピエロの恰好に紫の首輪、あのピエロの首飾りは何と言うのかな?
始ってすぐに首のピエロの紫の飾りがとれてしまい、「せっかくつけたのに、すぐとれた」と、舞台上でつけようとするも なかなか付けられないジュリー。やっとついた!と思ったら、裏側だった・・・
と言う訳で、またやり直し。誰もジュリーの手助けには来ません。スタッフ全員静かに見守るのみ。誰かジュリーを手伝ってあげて!カズさん、手伝ってあげて~ と、あの場の観客皆がそう思ったに違いないです。長い事かけて、やっとジュリーは自分で首に紫の飾りをつけたのでした(笑)
この大きな日本武道館の舞台で二人きり、ジュリーとカズさんの老練なコンビ・・いや、今はユニットいうのか。ギターとボーカルだけの老練ユニットは、壮大な武道館のステージで実に身軽なライブを繰り広げて見せてくれる。自分の声に大きな自信が無いとできない、ジュリーの心意気、気概を感じたシンプルにして、壮大なユニットのライブでした。
構想12年、3年前に岡山の「隠微なバー」で、飲めないのに付き合ってくれたカズさんに構想を打ち明けたのだというジュリー。これがジュリーの「冒険」だったのか。
始めは、ギターだけでは音は薄すぎないか 軽すぎはしないのか、ギターと歌のアンサンブルがいまひとつではないのかと、いささか気になってしまって、音に耳を凝らすことに集中してしまい、ジュリーの歌声にまで いまひとつ気が回らなかった。曲目は新曲に70年代のヒット曲、題名が思い出せない古いアルバム曲に、思い出深い曲もあるという 意外な構成でした。どちらかといえば、マニアックな選曲です。3曲しかわからなかったという、ツイもあったそうです。
新曲が続けて歌われた頃には、最初に感じたギター1本だけの違和感も忘れてきて ジュリーの歌声に没頭できました。
「ホーホケキョー」ホ~の時、会場全体に映し出される照明の実に複雑怪奇で異様な模様が、ジュリーと観客全体を包み込む。いったいこれは何の世界なんだろうか?ホー!と叫ぶジュリーとジュリーを見守る観客。ジュリーは間違いなく観客を支配するカリスマであり、観客はカリスマを信望する信者でした。カリスマは自由自在に信者全体を操り、ジュリーとカズさんの世界に引っ張り込んでゆく。
歌うごとにジュリーの声は艶を増して甘くてセクシー心臓を掴まれてしまうわ~ 音が薄すぎないか?最初に疑念と疑問を抱いた事など すっかり忘れさせていたのです。そのうち慣れます!と言ったジュリー。またしてもジュリーマジックに囚われてしまっていたのでした。
強引なカリスマでありながら、古稀と言えども女たちの変わらぬアイドルでもあるジュリーは、いくら歳をとっても かわいい仕草だって忘れちゃいません。時おり、背中しか見えない後ろの観客に振り向いて、可愛く首をかしげて見せる。後ろの観客がキャーキャー!と、大きく湧いているのがよ~く見えました。
ジュリー自身が白髪になろうと いくつになろうと 可愛い仕種が似合う事を心得ているという小憎らしさ!もう、あの時のジュリーの姿を思い出しただけて 昔の少女たちは簡単にイチコロなんである。ほんっと、けったいなブカブカピエロみたいなカッコしているのに、なんて可愛いんだろう!
女とは、ジュリーの老練な手練手管には簡単に堕ちる、実に愚かな生き物であるようです。あ~ かわいかったぁ