本所深川の浪人暮らしから始まった磐音の江戸生活も、とうとう江戸城西の丸の徳川世嗣家基の剣術指南の役目を受け持つまでになった、佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ第29巻『冬桜ノ雀』を読みました。冬季には雪に埋もれる出羽山形では、冬桜などという風流はとんと御縁がありませんが、気分だけでも味わうことにいたしましょう。
第1章「鼠志野の茶碗」。おこん、霧子、早苗の3人を伴い、千鳥ヶ淵に冬桜を見物に出かけた磐音一行、高家・世良定満の行列に切りかかろうとした御家人の家来に対し、仲裁に入ります。どうも、世良定満という強欲者が、高家の家格をいいことに、無役の御家人・神沼家の家宝の茶碗をだまし取ったらしい。お家に科が波及しないよう、自裁した家来が哀れですが、そこはきっちりと始末を付けます。どうも、心なしか、近頃霧子さんの出番が多いような気がするなあ。大歓迎なのですが(^o^)/
※余談ですが、茶碗に限らず、趣味の欲と価格とは、対数関数的な関係にあるような。測定機器の精度と価格の間にも似たような関係があり、一桁精密に測定しようとすると、機器の値段の方も一桁はねあがります。オーディオ機器なども同様で、微細な違いを問題にしだすと、一桁も二桁も価格が跳ね上がるようです。いや、当方はそのような微細な違いはわかりませんので、無縁の世界ではあるのですが。
第2章「盲目の老剣客」。始まりはひさびさの出番、南町奉行所の知恵者、大頭の与力・笹塚孫一の訪問から。能楽の丹五郎という悪党一味を捕えるために、磐音と豊後関前藩に力を貸せ、との依頼です。この話はそこまでで終わるのですが、新たな剣客が登場。盲目の老剣客・丸目高継と、その手を引く歌女という娘の二人です。歌女と磐音の対決はなかなかの見せ場ですが、磐音の方が一段上でした。なぜこの二人が登場したのか、田沼老中の陰謀との示唆がチラリ。
第3章「武左衛門の外泊」。豊後関前藩の新造船をエサに、能楽の丹五郎一味をおびき寄せ、一網打尽にする話です。いや~、武左衛門、相変わらずです。能天気でセコく、どこか抜けている。世話のやける人物ですが、憎めない。藤沢周平『用心棒日月抄』シリーズでいえば、細谷源太夫の役柄ですが、しっかり者の細君と健気な娘たちと、それに品川柳次郎が支えです。この章は、幕間のお笑いのエピソードといった位置づけでしょう。
第4章「師走の話」。マスコミの宣伝効果は、当時から大きかったのだ、と言わんばかり。能楽の丹五郎一味の捕物に功の合った豊後関前藩が一躍名を上げた格好になりました。当然、門番のくせに無断外泊し、なんとか言い繕ってもらった武左衛門の立場は悪くなりますが、これは自業自得というものでしょう(^o^)/
むしろ、さらりと示唆される将軍世嗣家基の悪夢の話は、なんともミステリアス。丸目高継と歌女の二人は、他人の夢をコントロールできるのだそうな(^o^)/bakushou
いやはや、作者もネタに困って、大変な奥の手を使ってきたのでしょうか。これはもう、わが少年時代の紙芝居にまで遡る懐かしき超能力です(^o^)/
霧子さんが探索で活躍するので、利次郎も、と思ったらしく、土佐での利次郎の活躍もチラリ。
第5章「加持祈祷」。西の丸の桂川甫周から磐音のもとへ至急の使いがあり、家基の容態急変とのこと。で、原因は例によって丸目高継と歌女のコンビです。この二人が将軍世嗣の夢に入り込むというだけでも唖然なのに、磐音クンまで夢の中で敵を撃退するなんて、思わず唖然ボーゼン(^o^)/
第4巻の歌の扇コレクションのアホらしさに次ぐ、とんでもストーリー。これまでの磐音の活躍の中でも、残念ながら下から数えて一二を争う荒唐無稽さです。
やれやれorz
これは、次巻に期待するしかなさそうです。さて、面白さが復活するかどうか。
第1章「鼠志野の茶碗」。おこん、霧子、早苗の3人を伴い、千鳥ヶ淵に冬桜を見物に出かけた磐音一行、高家・世良定満の行列に切りかかろうとした御家人の家来に対し、仲裁に入ります。どうも、世良定満という強欲者が、高家の家格をいいことに、無役の御家人・神沼家の家宝の茶碗をだまし取ったらしい。お家に科が波及しないよう、自裁した家来が哀れですが、そこはきっちりと始末を付けます。どうも、心なしか、近頃霧子さんの出番が多いような気がするなあ。大歓迎なのですが(^o^)/
※余談ですが、茶碗に限らず、趣味の欲と価格とは、対数関数的な関係にあるような。測定機器の精度と価格の間にも似たような関係があり、一桁精密に測定しようとすると、機器の値段の方も一桁はねあがります。オーディオ機器なども同様で、微細な違いを問題にしだすと、一桁も二桁も価格が跳ね上がるようです。いや、当方はそのような微細な違いはわかりませんので、無縁の世界ではあるのですが。
第2章「盲目の老剣客」。始まりはひさびさの出番、南町奉行所の知恵者、大頭の与力・笹塚孫一の訪問から。能楽の丹五郎という悪党一味を捕えるために、磐音と豊後関前藩に力を貸せ、との依頼です。この話はそこまでで終わるのですが、新たな剣客が登場。盲目の老剣客・丸目高継と、その手を引く歌女という娘の二人です。歌女と磐音の対決はなかなかの見せ場ですが、磐音の方が一段上でした。なぜこの二人が登場したのか、田沼老中の陰謀との示唆がチラリ。
第3章「武左衛門の外泊」。豊後関前藩の新造船をエサに、能楽の丹五郎一味をおびき寄せ、一網打尽にする話です。いや~、武左衛門、相変わらずです。能天気でセコく、どこか抜けている。世話のやける人物ですが、憎めない。藤沢周平『用心棒日月抄』シリーズでいえば、細谷源太夫の役柄ですが、しっかり者の細君と健気な娘たちと、それに品川柳次郎が支えです。この章は、幕間のお笑いのエピソードといった位置づけでしょう。
第4章「師走の話」。マスコミの宣伝効果は、当時から大きかったのだ、と言わんばかり。能楽の丹五郎一味の捕物に功の合った豊後関前藩が一躍名を上げた格好になりました。当然、門番のくせに無断外泊し、なんとか言い繕ってもらった武左衛門の立場は悪くなりますが、これは自業自得というものでしょう(^o^)/
むしろ、さらりと示唆される将軍世嗣家基の悪夢の話は、なんともミステリアス。丸目高継と歌女の二人は、他人の夢をコントロールできるのだそうな(^o^)/bakushou
いやはや、作者もネタに困って、大変な奥の手を使ってきたのでしょうか。これはもう、わが少年時代の紙芝居にまで遡る懐かしき超能力です(^o^)/
霧子さんが探索で活躍するので、利次郎も、と思ったらしく、土佐での利次郎の活躍もチラリ。
第5章「加持祈祷」。西の丸の桂川甫周から磐音のもとへ至急の使いがあり、家基の容態急変とのこと。で、原因は例によって丸目高継と歌女のコンビです。この二人が将軍世嗣の夢に入り込むというだけでも唖然なのに、磐音クンまで夢の中で敵を撃退するなんて、思わず唖然ボーゼン(^o^)/
第4巻の歌の扇コレクションのアホらしさに次ぐ、とんでもストーリー。これまでの磐音の活躍の中でも、残念ながら下から数えて一二を争う荒唐無稽さです。
やれやれorz
これは、次巻に期待するしかなさそうです。さて、面白さが復活するかどうか。