電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

歯科医院の紹介で県立中央病院を受診する

2024年01月31日 06時00分19秒 | 健康
昨年夏ころから、ときどき右奥歯の周辺が炎症を起こし、行きつけの歯科医院で治療を継続していましたが、夜中にトイレに起きたときにつばを吐くと少し出血していることに気が付きました。朝になると唾液が出てわからなくなりますので、夜中にデジタルカメラで撮影し先生に見てもらったところ症状を認識でき、X線撮影のうえ麻酔をして歯根部の掃除をするという治療を根気よく続けていました。ところが、半年を過ぎてどうも思わしくない。これは症状が出ている右奥歯ではなく、隠れている親知らずが内部で炎症を起こしているらしいとのことで、県立中央病院に紹介状を書いてもらいました。



昨日、人間ドックを除けば自分としては初めての大きな病院受診で、待ち時間はおよそ2時間。Wi-Fi が使えましたので Android タブレットで時間をつぶし、問診とX線で親知らずの抜歯の方針、ただし右下の奥歯も抜歯するかどうかはCTスキャンで判断することになりました。抜歯に際しては、炎症で毛細血管が発達していることから出血が予想されるため、入院が必要とのことです。病院のスケジュールから、5月下旬に血液検査、手術の説明と同意書の作成、6月下旬に入院手術となりました。幸いに、サクランボの収穫が終わってからの実施予定ですので、まずは良かった(^o^)/
それにしても、歯科の先生のキーボード入力のスピードはすごかった。超絶的な速さでした。PC歴40年を超える私も驚くくらいですから、実際、かなりの速度です。



問診と検査が終わってからの精算は早かった。自動支払機に診察券を入れると金額が表示され、紙幣とコインを入れて支払い完了。病院の情報化(*1)はたしかに着実に進んでいるようですが、それは医師の多忙さを引換にしているようで申し訳ない側面も感じつつ、お昼すぎには病院を後にしました。

当面は、これまで同様に歯みがきをしっかり継続することと、手術までの間に再び炎症が起こったら行きつけの歯科医院に報告がてら受診し対処してもらうことでしょうか。

(*1): 病院の情報化の追求が医師の多忙化に〜「電網郊外散歩道」2006年7月

コメント

真冬の悪天候時にウォーキング歩数を確保するために

2024年01月30日 06時00分41秒 | 健康
春秋のお天気の良い日にはぶらぶら散歩をするのも楽しく、特に畑仕事もあらかた終わった晩秋には、ご近所を散歩すると歩数計の数値も増えていきます。ところが真冬の悪天候時には、寒くて吹雪く戸外に出るのも、また冷たい氷雨の中を歩くのも億劫です。いきおい、ウォーキングの歩数も伸びず、冬季の運動不足、生活不活発病の要因になりかねません。

で、屋内ウォーキングを試してみました。無駄に広い田舎家の母屋を端から端まで歩くと片道50歩、往復すると100歩です。2階まで階段登りを取り入れると、結構な運動量になります。家族が多いと邪魔になるだけですが、一人で留守番のときなどは何の気兼ねも要りません。歩数計をポケットに入れて、10〜15分も歩けば2000歩にはなります。20〜30分では4000歩くらい。日常の動きが1000歩くらいありますので、1日5000歩くらいにはなり、最低限の運動量は保持できるでしょう。

途中にラジオを置けば、音楽やおしゃべりを聞きながら、老人向けのちょうどよい負荷になるでしょうか。転ばないように筋力の保持を目標とした冬場の運動不足の解消には、特に今年のような暖冬の年には、たまに降る短時間の雪かきだけではダメなようです。機会を作って「歩け、歩け」ですね。



我が家のやんちゃ猫「李白」も、主人の屋内ウォーキングに便乗して、時折ドドドドドッと爆走しております。また、ときどきかくれんぼをして遊んでおります。少しは二重アゴが解消されると良いのですが。



コメント

ヴェルディの歌劇「椿姫」を聴く〜山響・演奏会形式オペラシリーズVol.2

2024年01月29日 06時00分03秒 | -オペラ・声楽
冬型の気圧配置も通り過ぎ、久しぶりに太陽が顔を出した日曜の午後、山形交響楽団の演奏会形式オペラシリーズVol.2、ヴェルディの歌劇「椿姫」を聴きました。会場はやまぎん県民ホール、日本語字幕付きイタリア語上演、15時開演です。ホールに入るとステージ上にはオーケストラの席が並んでいますが、オーケストラピットを使わないでステージを広げているため、ずいぶん余裕があるように感じます。オーケストラの後方には合唱団のための階段状の台があり、その手前、オーケストラと合唱団の間に小舞台のようなものが作られています。おそらく、何か演出上の工夫があるのでしょう。

ステージ上の楽器配置は、左から第1ヴァイオリン(8)、チェロ(6)、ヴィオラ(5)、第2ヴァイオリン(7)、チェロの左後方にコントラバス(3)の 8-7-5-6-3 という編成の弦楽5部に、正面後方にフルート(2、うち1はピッコロ持ち替え)とオーボエ(2)、その後方にクラリネット(2)とファゴット(2)、木管の左にホルン(4)、木管の後方にトランペット(2)、トロンボーン(3)、テューバ、最後方にティンパニとパーカッション、というものです。

以下、敬称を略しますが、舞台構成と演出は太田麻衣子、配役は

ヴィオレッタ:森谷 真理(ソプラノ)
アルフレード:宮里 直樹(テノール)
ジェルモン:大西 宇宙(バリトン)
フローラ:小林 由佳(メゾソプラノ)
ガストン子爵:新海 康仁(テノール)
ドゥフォール男爵:河野 鉄平(バス)
ドビニー侯爵:深瀬 廉(バリトン)
医師グランヴィル:井上 雅人(バリトン)
アンニーナ:在原 泉(アルト)
ジュゼッペ:西野 真史(山響アマデウスコア)
使者:鈴木 集(山響アマデウスコア)
フローラの召使:土田 拓志(山響アマデウスコア)

管弦楽:山形交響楽団、合唱は山響アマデウスコア、合唱とバンダに県立山形東高等学校音楽部・吹奏楽部。指揮は山響常任の阪哲朗。

第1幕、ヴァイオリンがひそやかに前奏曲を奏でると、「椿姫」の舞台は夜会の場面に。パリの社交界で名高い高級娼婦ヴィオレッタが、友人フローラと共に客間でパトロンや貴族たちをもてなしていると、青年アルフレートが紹介され、ヴィオレッタと共に「乾杯の歌」を歌います。来客たちは宴に移動しますが、ヴィオレッタはめまいがしてその場に残ります。彼女の健康を気遣うアルフレートも残って真剣に恋心を訴え、ヴィオレッタは心を動かされます。



第2幕、第1場はパリ郊外の家で静かに暮らすアルフレートとヴィオレッタの生活です。部屋にソファと小テーブルを置いただけの場面ですが、アルフレートは生活を支えるのにお金が必要なことがわかっていない。生活はヴィオレッタが自分の財産を切り崩しながら営まれているのです。それを知ったアルフレートは金策のためにパリに向かいますが、そこへアルフレートの父ジェルモンがやってくる。娘の婚約が破談になりそうなので、息子と別れてくれ、という話です。最初は納得しなかったヴィオレッタも最後には折れて、自分から身を引くことにしますが、このあたりの心変わりの理由は以前に考えた(*1)ことがありました。ヴィオレッタが去った後は、息子アルフレートと父ジェルモンの対話による心理劇。見応え、聴き応えがありますが、ここでは合唱はありません。第2場は合唱が入り、フローラの夜会の場面です。男爵とよりを戻したヴィオレッタにアルフレートは札束を投げつけ侮辱します。緊迫した場面に父ジェルモンがやってきて息子を叱りつけます。それぞれの思いが歌われますが、思いが交差することはありません。



第3幕、真っ白な長椅子を置いただけのヴィオレッタの寝室。決闘による男爵の傷も癒え、ジェルモンがアルフレートに真実を伝えたことで、急ぎアルフレートが戻ってきますが、ヴィオレッタはすでに結核で明日をもしれぬ命となっています。わかっていないアルフレートは二人でどこか遠いところで暮らそうなどと言いますが、ヴィオレッタにはもうその力はない。容態が急変して崩れ落ちるように亡くなります。合唱はありませんが、オーケストラによるヴェルディの繊細な音楽が聴かせどころを作ります。指揮の阪哲朗さん、オーケストラが歌を支え、情感を盛り上げ、さすがにうまいです。ブラヴォー!です。




熱のこもったカーテンコールとなりました。それぞれの役の皆さんによる歌も山響の演奏も山響アマデウスコアの合唱も素晴らしかったですし、バンダで参加した山形東高音楽部・吹奏楽部の生徒さんたちも、きっと強烈に心に残ったことでしょう。演奏会形式ではありますが、演出の見事さも感じました。県民ホールの会場を活かしたこのシリーズがさらに続いてくれるように願っています。



ここからは余談です。

父親ジェルモンの影に母親の存在を見る見方(*2)もおもしろいです。現代にも通じ、あり得るだけにリアリティを感じます。
主人公の一人、アルフレートの残念さ。恋に浮かれて突っ走るけれど、生活することを知らない。ヴィオレッタにお金を出させて、のほほんとしている。当時の貴族のボンボンといえばそんなものかもしれませんが、自分の娘なら恋人にはなってほしくないタイプです。そういえば、おとぎ話の王子様はみんな面食いのスネカジリ君だなあ。
もう一つ、忠実なアンニーナの役割は、ヴィオレッタにとっては大切なものだったのでしょう。主従関係は根底にありながら、「奥様、それはいけません」と止めてくれるような関係、信頼感があったのでは。明日をもしれぬ病に加えお金が底をついたとしても、主人を見限ることなく仕えている。この密接な紐帯にも、背景がありそうです。ヴェルディは目立ったアリアを与えてはいませんが、重唱の場面でのアンニーナの声の役割も、何度も聴いていると聴きどころの一つに思えてきます。「椿姫〜ラ・トラヴィアータ」、ほんとに名作だなあと思います。そういえば、あれほど繰り返して観ているLDの「トラヴィアータ」は、まだ記事にしていなかったんだなあ。

(*1): ヴェルディの歌劇「椿姫」を見る〜「電網郊外散歩道」2006年5月
(*2): ジェルモン〜「中爺通信」より

コメント (2)

娘にLINEで指摘されてデスクの片付けに着手

2024年01月28日 06時00分16秒 | 手帳文具書斎
先日、LINEで我が家のやんちゃ猫・李白の写真を送ったら、下の娘に「机の上は整理整頓」と指摘されてしまいました。しかも「人差し指」スタンプ付きで(^o^)/
むむ、これは父親の沽券に関わるモンダイと、すぐさま書斎のデスクの片付けを決意、積み上げた紙類と散らばったペン、積み上げたCDなどを片付け、ようやく猫がのうのうと昼寝できる程度のスペースを開けることができました。片付けは、重要な書類は要点を手帳にメモするか綴って保存することとし、不要になった紙類は破って捨てることで対処しましたので、比較的スムーズに進みました。これを普段からちゃんとやっていればいいんだよなあと思いつつ、つい「とりあえず」脇に置いてしまう。今回は娘に「指摘、かたじけない!」と返しましょう(^o^)/

コメント

除雪の有無と雪どけの違い

2024年01月27日 06時00分12秒 | 季節と行事
今年が暖冬だと感じるのは、雪が少ないだけではありません。日中の気温が零下になる真冬日がごく少ないようです。先日の雪の日はさすがに真冬日となりましたが、それ以降の最高気温はいずれもプラスで、除雪しておいた箇所はどんどん雪解けが進みます。例えば作業小屋の脇を通り裏の果樹園に通じる道は、暖冬少雪のうえに除雪機で除雪しておいたおかげで、一日でもう地面が見えています。



では、例年ならばどうか。例えば2022年1月の同時期の積雪は、こんなふうでした。





これだから、除雪機は農作業の開始時期に大きく影響します。そろそろお天気を見計らってサクランボやモモ等の剪定を始める頃合いです。例年のような積雪なら、除雪しないで自然にまかせていたらいつまでも通り道の雪が消えませんので、剪定作業のために大小複数の脚立を運ぶのが大変です。

一方で、もう一つの園地、自宅から少し離れた場所にある果樹園に至る道は、例年よりもずっと少ない積雪量ですが、農道なのでまだ除雪機は入っていません。写真の最奥部の左手にあるので、ここが除雪されないと軽トラックで脚立を運ぶことができないのです。



例年よりもだいぶ少ないとは言え、真っ白だと太陽光も反射してしまい、雪解けも遅くなりがちです。こちらの畑はプロに剪定を委託していますので、まだ半月も先でしょうか。3月になってから剪定枝を片付けて焼却することになります。とりあえず、後回し。自宅裏のほうが先です。

とはいうものの、寒いなあ。風は冷たいし、もう少し太陽がのぞいてからやりたいなあ。なんだかまだ気合が入りません。温風ヒーターで暖かい部屋でぬくぬくしている生活に慣れてしまうと、何やかやとデスクワークに逃げる気分が顔を出します。亡き父母は元気だったなあ、覚悟が違ったなあと感心してしまいます。

コメント

昨日の積雪量は20cmくらいか

2024年01月26日 06時00分50秒 | 季節と行事
昨日は冬型の気圧配置の予想通りに、終日雪降りのお天気でした。当地では例年並の降り方で、格別に豪雪というほどでもなく幸いでした。それでも久々に除雪機が出動し、今季二回目の出番です。表面はサラサラの粉雪状態でも、下の方は水分量の多い湿った雪で、除雪機に「詰まりやすい」タイプです。朝早くから出動して自宅敷地内の車の通り道を確保、続いて道路に出て、近隣の若い衆と共に除雪機が置いていった雪をさらに脇に寄せてグリーンベルトがわかるようにすると、小学生が一列に並んで集団登校して行きました。雪国の小学生は、高学年の子どもが低学年の子たちを率いて黙々と登校していきます。車が通れないような雪道でも徒歩であれば歩くことができるように、足腰が元気であれば、最終的な交通手段は徒歩だ、というのは正解なのでしょう。では足腰が弱ったら? うーむ、一人暮らしの高齢者など、地域の共同性が問われる課題です。

コメント

日常の中に記事の題材を探す

2024年01月25日 06時00分09秒 | ブログ運営
ブログ記事の題材を探し考えるのは、けっこう楽しい面があります。日常生活を見回し、ちょっと視点を変えると、記事ネタはたくさんあるものです。仕事の話は書かないと決めていましたが、完全にリタイアした今は、その点の懸念はだいぶ薄れました。自分や家族のプライバシーを垂れ流すことを避けるには、できるだけ固有名詞を入れないこと、でしょうか。いろいろな他の人との関係については、曖昧にぼかすこと、などを注意していますが、「季節と行事」のような漠然としたカテゴリーも、毎年のローカルな話題を取り入れる上では有用でした。

この冬一番の寒気が到来しているようですが、例年の積雪量と比較すると、当地ではまだまだ少ないようです。被災地や豪雪地域には一度に降る「どか雪」とならないように願いたいものです。

コメント

ミュラーの「クラリネット四重奏曲第1番」とはこんな曲

2024年01月24日 06時00分49秒 | -室内楽
過日の山形弦楽四重奏団の定期演奏会で知ったミュラーの「クラリネット四重奏曲第1番」、さっそくネットで探してみました。CDはあるようですが残念ながら品切れの様子。聴きたい時が欲しい時とは言うものの、なかなかタイミングが合わないものです。それでは YouTube の動画はどうかと探しましたら、こんな録画を見つけました。クラシック音楽や室内楽にあまり慣れない方は例えば第3楽章の「ポロネーズ」から試しに聴いてみて、良ければ第1楽章から聴いてみるとよろしいかと思います(^o^)/

カレイド・アンサンブルの演奏、クラリネットはアントン・ドレスラー(*1)です。どうやらご本人の投稿みたい。
まずは第1楽章から。
Kaleido Ensemble - Iwan Muller - Quartet n.1 for clarinet and string trio - 1. Allegro

続いて第2楽章。
Iwan Muller - Quartet n.1 for clarinet and string trio - 2.Adagio con espressione

第3楽章、ポロネーズです。
Iwan Muller - Quartet n.1 for clarinet and string trio - 3. Polonaise


カメラの位置はあまりよろしくないけれど、クラリネットのドレスラーさん、うまいなあ。今更ながら、こういう佳曲を知ることができたのは実演ならではの恩恵と感じます。

(*1): Anton Dressler | Clarinet 〜アントン・ドレスラーの経歴(英文)

コメント

山形弦楽四重奏団第90回定期演奏会でシューベルト、ミュラーを聴く

2024年01月23日 09時01分26秒 | -室内楽
大寒を過ぎたのに全く雪がない冬の夜、山Qこと山形弦楽四重奏団の第90回定期演奏会に出かけました。会場はいつもの文翔館議場ホールではなく、前回同様にやまぎん県民ホールのスタジオ1です。プログラムは、

  1. シューベルト 弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D.471
  2. ミュラー クラリネット四重奏曲第2番 ホ短調
  3. シューベルト 弦楽三重奏曲第2番 変ロ長調 D.581 (第1稿)
  4. ミュラー クラリネット四重奏曲第1番 変ロ長調

という内容です。クラリネットは、山形交響楽団の首席クラリネット奏者の川上一道さん。



長方形のスタジオの短辺側に設けられたステージ上の配置は、左からヴァイオリン:中島光之、ヴィオラ:倉田譲、チェロ」茂木明人となっています。例によって、皆さん黒を貴重としたシャツで茂木さんの明るいネクタイがワンポイントになっています。
第1曲、シューベルトの弦楽三重奏曲第1番は、作曲者19歳頃の1816年9月に作られた曲だそうですが、歌、旋律を器楽曲の枠組みに落とし込むのがうまくいかないと中断放棄してしまうクセがあった例にもれず、第1楽章だけが完成し第2楽章の途中で中断、結局は未完に終わってしまいます。私も聴くのは初めてですが、曲自体はシューベルトらしいやわらかな旋律が特徴的なチャーミングなものでした。

第2曲、イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲。ステージ上は左からクラリネット:川上一道、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置。プログラムノートによれば、ミュラーという人は1786年生まれ、1854年に没した「エストニア生まれのドイツのクラリネット奏者、バセットホルン奏者、発明家」として活躍した人だそうで、バセットホルンやクラリネットの孔をふさぐタンポを発明したとのことです。ベートーヴェンより一回りと少し若く、シューベルトやシューマンらと同時代の人のようです。演奏家として楽器の不満点があると自分で工夫改善、発明してしまうというタイプだったのかな。
第1楽章:アレグロ・モデラート・マ・コン・スピリト、鋭いクラリネットの音で開始します。管楽器の音と弦楽器の音の違いを感じながら、クラリネットの魅力的な低音から高音まで駆け上がるようなパッセージなどに、改良されていった楽器の特徴があらわれているのかもしれません。第2楽章:アンダンテ・主題と変奏。短調の緩徐楽章から長調に戻ってテンポアップし、先の主題に回帰し下降する音、響きが実に魅力的です。

ここで15分の休憩が入りました。



後半のプログラムは、シューベルトの弦楽三重奏曲第2番から。第1楽章:アレグロ・モデラート。やっぱり実演ならではの響きです。レアな曲目でも、今は YouTube 等で接することはできるわけですが、当然ながら生の響きには負けます。第2楽章:アンダンテ、第3楽章:メヌエット、アレグレット。弦楽四重奏と比べると、やっぱりヴァイオリンの負担が大きいように感じます。第1と第2とヴァイオリンが二人になることで、響きの面でも動きの面でも、多彩な展開ができるのかもしれません。わずか2曲で終わったシューベルトの弦楽三重奏曲、案外そのへんに理由があったのかも。第4楽章:若いシューベルトが室内楽の形式にまとめた音楽、それぞれの楽器に出番というか見せ場を作っているようです。軽やかに主題に戻ります。

最後の曲目は、ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番です。黒と緑の模様のシャツ姿でクラリネットを手に川上さんが登場、ステージ上は左から順にクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという配置です。第1楽章:アレグロ。クラリネットがたいへん見事な活躍を見せます。弦三人に音量面でも負けないくらいで、たぶんクラリネット奏者だった作曲家は自分の楽器を目立たせるためにわざわざそのように書いたのだな(^o^)/ 第2楽章:アダージョ・コン・エスプレッシオーネ。ここではクラリネットは抑制気味に、弦の叙情的なところがいいなあ。第3楽章:ポロネーズ。再び活発なクラリネット、弦のポロネーズのリズムがおもしろい!弓が弦の上で飛び跳ねるようにリズムを刻むかと思えばピツィカートで軽やかに。クラリネットの妙技がすごい、スゴイ! イヴァン・ミュラーのクラリネット四重奏曲第1番、こんな作曲家、こんな曲もあったんだなあ。あらためて魅力を再認識しました。これはぜひCDを探して買いたいものです。



次回は4月26日(金)、18:45〜、文翔館議場ホールにて、犬伏亜里(Vn)さん、田中知子(Vla)さんを迎えて、モーツァルトの弦楽五重奏曲第1番、弦楽四重奏曲第2番、シューベルトの弦楽四重奏曲第2番を予定とのこと。これは楽しみです。手帳のスケジュールににしっかり転記しました。世の中、原則は先約優先です(^o^)/

コメント

大寒なのにずっと雨降りだった

2024年01月22日 06時00分38秒 | 季節と行事
      (気象庁の天気図、2024/01/21, 15:00現在)

今年の大寒は1月20日だったようですが、昨日21日は終日雨降りで、なんだか春先のようなお天気でした。こんな雨降りに合わせてシベリアの寒気団が南下してきていたら、全部の雨が雪に変わるわけで、たいへんな大雪になっていただろうとぞっとしますが、天気図を見ると典型的な春先の低気圧の通過です。これが通り過ぎた後は、西高東低の冬型の気圧配置に戻り、きっと雪が降るのでしょう。やれやれ、雪かきしないで済んでいるありがたい期間はいったん中断でしょうか。それとも降るべき時に雪が降らない気候に、異変の前触れを感じ取るべきなのでしょうか。

コメント

牛肉と長芋の炊き込みご飯を作る

2024年01月21日 06時00分29秒 | 料理住居衣服
少し前に作ったものですが、「牛肉と長芋の炊き込みご飯」を作ってみました。『きょうの料理ビギナーズ』2022年11月号に掲載のもので、材料と準備は次のとおり。

米 2合 洗っておく
牛コマ肉 100g 食べやすい大きさに切り、次のタレをもみこんでおく
 タレ:砂糖 大さじ1、醤油 大さじ1/2
長芋 150g 一口大に切る
細ねぎ 小口切り 適量
醤油 大さじ2 タレとは別に用意

作り方は、

  1. 米を洗って炊飯器の内釜に入れ、2合の目盛から水大さじ2杯分を除き、30分置いて吸水させる。大さじ2杯分の水は、長芋の水分量に相当。
  2. 米の入った内釜に醤油大さじ2を加えて軽く混ぜ、米の上に牛肉を広げて載せ、その上に長芋を加えて炊く。
  3. 炊きあがったらしゃもじで長芋をくずしながら全体を切るように混ぜ、器に盛り、細ねぎを散らして供する。

写真では細ねぎを散らすのを忘れていますが、できあがりはこんな感じ。簡単で、なかなか美味しかった。



この日は、常夜鍋ときんぴらごぼうのご飯となりました。




『きょうの料理ビギナーズ』によれば、牛肉をもみ込むときにごま油かラー油を少し加えても良いし、長芋の代わりに里芋でも可だそうです。ピリ辛ならアクセントになって良かろうし、里芋ならまた別に試してみたいものです。



「ボクの食べる分がな〜い!」とやんちゃ猫・李白がすねております(^o^)/



コメント

キリーロバ・ナージャ『6カ国転校生ナージャの発見』を読む

2024年01月20日 06時00分39秒 | -ノンフィクション
どなたかのブログで、『6カ国転校生ナージャの発見』という本の存在を知りました。たまたまメモ帳に書き留めていたおかげで、地元の図書館に行ったときに探してみることができましたが、残念ながら誰かが借りているらしく、その日は空振り。でも、パソコンでの検索システムでは予約もできるらしく、メールで通知してくれるようなのです。さっそく予約を入れてその日は帰宅しました。しばらくすると、「予約の本が貸出できるようになりました」というメールが入りましたので、さっそく借りてきて読んでみました。

本書は、次のような構成になっています。

はじめに
6つの国、4つの言語で教育を受けて育つとどうなる?
この本を楽しむためのヒント
プロローグ 5つの質問
第1章 ナージャの6カ国転校ツアー
 筆記用具、座席、体育、学年、ランチ、
 数字、テスト、満点、水泳、音楽、
 ノート、お金、校長先生、夏休み、科目
第2章 大人になったナージャの5つの意見
 「ふつう」が最大の個性だった/苦手なことは克服しなくてもいい/
 人見知りでも大丈夫、しゃべらなくても大丈夫/どんな場所にも、必ず
 いいところがある/6カ国の先生からもらったステキなヒントたち
エピローグ 5つの質問【解答編】
おわりに

まあ、小中学生が6カ国も転校するなんて、なかなかできることではないと思いますから、たしかに稀有な、貴重な体験です。その結果が、様々な学校教育のあり方ややり方を相対的に眺め、それぞれの特徴や目的の違いとして感じられる、ということでしょう。ある国の流儀が良くて別のある国のやり方が悪いというのではなく、違った考え方で行われている、という視点はたしかに貴重です。たいへん興味深い本でした。

著者のキリーロバ・ナージャさんはどんな人なのだろうと興味を持ち、検索してみたら、こんなページがヒットしました。
(*1): 日本には多様性がない、なんてない〜 LIFULL stories



一方で、違いに注目すればそういうことになるだろうけれど、逆に6カ国がいずれもいわゆる「先進国」で、学校教育の価値と重要性を認識し、そうした制度を持っているという共通点に立っていることも確かです。世界には、子供を学校に行かせない国や民族、宗教や習俗等がまだまだあるようですし、ノーベル平和賞を受賞した少女の例に見るように、女の子の教育を制限する例もある。そういう大きなとらえ方は、高校生や大学生くらいになったらできるようになるのだろうか。

コメント

つけペンを使ってみた記憶

2024年01月19日 06時01分40秒 | 手帳文具書斎
学生時代だったと思いますが、いつ頃だったでしょうか、愛用していたショートタイプの万年筆、パイロットの Elite を紛失し、一時的につけペンを使っていたことがあります。つけペンというのは、写真でわかるように金属製のペン先を軸に取り付け、インク瓶に突っ込んでインクをつけて書く、というものです。細いカリカリとした書き味も慣れないし、何よりもすぐにインクが切れて、またインク瓶に浸さなければならず、イライラがつのるばかり。万年筆のありがたさが身にしみました。


  (セーラー万年筆のサイトより)

たしかこの頃に、大学生協でセーラーの茶色のキャンディ万年筆(600円)を見つけて購入してみました。使ってみたら、書き味は金ペン万年筆に劣るけれども、つけペンよりもずっと便利なものでした。そうか、実用だけなら必ずしも金ペンでなくてもいいんだと実感した記憶があります。今でも Preppy などの廉価な万年筆に食指が動くのは、このときの記憶が強いからだろうと思っています。つけペンは今でも持っていますが、遊びとしてはともかく、実用的に使ってみようという気にはなかなかなれません。たくさん書くほどに、お値段にかかわらず、万年筆のありがたさを感じます。



写真の万年筆は、結婚したばかりの頃、たしか妻に買ってもらったパイロットの万年筆、カスタム・グランディ。同社に一度修理してもらい、すでに45年も使っています。当時のお値段は忘れましたが、仮に 9,000円だったとすると、45年で割れば1年あたり200円。長く使えば経済的という見本のようなものです。現在、プラチナの#3776ブルゴーニュ、TWSBI のダイヤモンド580ALラヴァーとともに愛用している常用万年筆のうちの一本です。

コメント (2)

今年のお年玉年賀はがきの当せん枚数は

2024年01月18日 06時00分34秒 | Weblog
今年も、高齢の、いや、恒例の(*1)お年玉付き年賀はがきの当せん番号が発表されましたので、さっそく調べてみました。その結果、3等、下2桁が「69」のものが2枚、「00」が1枚、計3枚が当たっていました。お年玉切手シートですね。郵便料金も値上げされるらしいし、早々に交換して使ってしまうに限るかも。

ところで、「作品69」というと何があるのだろうと調べてみました。そうしたら、けっこう有名どころがあるようです。例えばショパンのワルツOp.69-1「別れのワルツ」とかベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番とか。Op.69-1 が「告別」なら、69-2 はどんな曲だったろうとか、他に有名曲ではないけれど作品69の曲ってどんなものがあるんだろうとか、野次馬的好奇心で YouTube を検索してみました。

まずは、ルービンシュタインのピアノで、ワルツ Op.69-1 を。
Arthur Rubinstein - Chopin Waltz "L'Adieu" Op. 69 No. 1 in A Flat , Posth.


Op.69-1 があるなら 69-2 もあるだろうということで、ギターの演奏で。
Tatyana Ryzhkova performs F. Chopin Valse op. 69 no. 2


次は曲想が雄渾なイメージ。ベートーヴェンの「チェロ・ソナタ第3番」をロストロポーヴィチとリヒテルの演奏で。
ベートーヴェン チェロ・ソナタ第3番 イ長調 Op 69 ロストロポーヴィチ/リヒテル Beethoven Sonata for Piano and Cello No.3 in A Major


有名どころではないけれど、スクリャービンの「2つの詩曲」から。
スクリャービン/2つの詩曲 1.アレグレット,Op.69/演奏:渋谷淑子


ウクライナ出身のロシアの作曲家カプースチンのヴィオラ・ソナタ作品69から第1楽章。
Kapustin : Viola Sonata Op.69 1st movement


この曲は初めて聴きました。

最後に、ドヴォルザークのヴァイオリン作品を。ソナチネ Op.100 です。ヴァイオリンはギル・シャハム。好きなんですよ〜、この曲。
Gil & Orli Shaham Perform Dvořák's Sonatina, Op. 100


そうそう、今年いただいた年賀状の中に、山響からのものもありました。今年はオーボエの土屋愛菜さんからでした。土屋さん、ありがとうございます。山響の演奏会、楽しみにしています。




(*1): 今年のお年玉付き年賀はがきの当せん枚数は〜「電網郊外散歩道」2020年1月2021年1月2022年1月、2023年は喪中でした。

コメント

早起きの猫が雪降りを教えてくれた

2024年01月17日 06時00分37秒 | 季節と行事
早起きの猫が、雪降りを教えてくれました。「エサくれ〜」だけじゃなくて、たまにはいい仕事をします。急いで着替えて外に出ると、新聞配達の人の足跡が残っています。朝早くから大変、感謝です。



除雪機を始動、一発で動き始めました。カーポートから道路まで、それほど積雪はありませんが、自宅敷地内を軽く除雪して車が通れるようにします。





続いて道路に出て、歩道のグリーンベルトがはっきり出るように、向こう三軒両隣を除雪します。ある年の大雪に音を上げて翌年の夏に購入した除雪機、その年の冬から始めた歩道除雪のボランティアでしたが、今はご近所の若い衆も出てくれるようになり、子どもたちが雪道を踏んで集団登校するのがずいぶん楽になりました。

この寒波も当地ではどうもあまり長続きしないようで、真冬日は1日か2日で終わるようです。山間部にはしっかり降ってくれるほうが水資源の面からはありがたいのですが、日常生活の面では平地にはあまりどかっと降ってくれないほうがありがたい。能登半島地震の被災者の方々の苦労を思えば贅沢は言っていられないのですが、もう少しの期間、暖冬でいてくれたほうがありがたいというのが正直な気持ちかも。


コメント