電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

老母のワクチン接種の後、山響第293回定期演奏会を聴く

2021年05月31日 06時01分48秒 | -オーケストラ
月末直前の日曜日、老母の新型コロナワクチン接種を予約した日でしたので、指定の集団接種会場に向かいました。30分前に行ったはずが、駐車場にはすでに多くの車が駐車しており、大勢の人が集まっていました。考えてみれば、都会では集団接種を受けるにも電車やバスなど公共交通機関を乗り継いで行かなければいけないわけで、ドア・ツー・ドア、車椅子で移動でき、受付してまもなく予防接種なんて贅沢なことなのかもしれません。接種後は特に変わったこともないそうで、風邪を引いてもいられないと、畑仕事もお休みとしたようです。

であれば、私も安心して出かけられると、午後から山形交響楽団第293回定期演奏会に出かけました。
本日のプログラムは、

  1. ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第二幕より "だったん人の娘たちの踊り" "だったん人の踊り"
  2. トマジ:トロンボーン協奏曲
  3. ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(トロンボーンと弦楽のための)
  4. リムスキー=コルサコフ :交響組曲「シェエラザード」作品35
      飯森範親 指揮 山形交響楽団、中川英二郎(Tb)

というものですが、期待するのはやはり初めて聴くトマジの「トロンボーン協奏曲」です。

会場に入ってびっくり。編成がずいぶん拡大されて、ステージ上が狭い(^o^)/
左から、第1ヴァイオリン(10)、第2ヴァイオリン(8)、チェロ(6)、ヴィオラ(6)、その右後ろにコントラバス(4)と、10-8-6-6-4 という弦楽五部。正面奥に、ピッコロ、フルート(2)、オーボエ(2)、その後方にクラリネット(2)、ファゴット(2)、さらにその後方にホルン(4)とトランペット(2)、トロンボーン(3:うち1はバストロンボーン)、チューバの金管群、木管楽器の左にハープ、金管楽器の左にはティンパニとパーカッションという編成・配置です。

この拡大された編成で始まったボロディンは、活発なリズムにのって全体がダイナミックに響き合う中に要所で見事な独奏が聴けるもので、特におなじみの「だったん人の踊り」では、例えばオーボエの印象的なフレーズとクラリネットの速いパッセージなど、「山響、うまいなあ!」とあらためて大満足。以前、雑誌『レコード芸術』に付録のCDに山響の録音がサンプラーとして掲載(*1)されたことがありますが、あのときもたしかボロディンだったはず。

ソリスト中川英二郎さんが白いシャツ姿で登場、なんだか隣の会議場からちょいと抜け出してきたといった風情です。トマジのトロンボーン協奏曲は、大編成オーケストラが爆演するタイプではなく、むしろピアノ伴奏では音色が単調になるのでオーケストラを使った、みたいなぎゅっと集中緊縮型の曲。でもトロンボーン・ソロはすごいです。長身の中川さん、腕も長いのでスライドさせるのも全く苦にならないみたい。初めて聴きましたがなかなかいい曲で、小編成アンサンブルやピアノ伴奏などと共演するのも別の味があって魅力的かも。

ソリスト中川さん、引き続きラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を弦楽合奏と共に。ほんとに軽々と音が出るのにびっくりします。とてもいい雰囲気のラヴェルで、聴き惚れました。
一転して、アンコールはボサノバと言うかジャズ風というか、無伴奏で「イパネマの娘」を。これも良かった〜。



ここで、20分の休憩です。

プログラム後半は、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」です。山響定期では、2010年3月の第203回定期演奏会(*2)で、広上淳一さんの指揮、高木和弘さんのヴァイオリンで聴いていますので、実に11年ぶりです。今回は、コンサートマスター髙橋和貴さんのヴァイオリンがシェエラザード姫を演じることに。編成を拡大した弦楽の中で咆哮する金管部隊の重量級の響きが素晴らしく、序奏の後に登場するヴァイオリンによるシェエラザード姫の主題が実に繊細な響きで、対比の妙に引き込まれました。ハープも、木管やチェロの独奏部も、官能的な弦楽セクションの響きも、実に良いなあ。管弦楽をたっぷり堪能して、今回も実に良い演奏会でした。

帰途、車を運転しながら思ったのは、山形テルサというホールの大きさに対して今回の編成は響きの純度を保つにはもしかしたら上限に近いのかもしれず、この響きの純度とスケールを自宅で一般的な音響機器で再現しようとするのはそもそも無理なのだろうなあ。やっぱり、ナマの演奏会に通うことは音楽を堪能するという点で大きな喜びであり、満足感が大きいと感じます。新型コロナウィルス禍の中にあっても、わざわざ演奏会に出かけるのは、それがあるからなのだろう。もちろん、一般的な演奏会のプログラムには乗らないような、特別な曲目を調べたり楽しんだりできるという点で、録音や録画の役割は大きいと日々感じてはおりますけれど。

(*1):『レコード芸術』3月号に山形交響楽団の記事と演奏録音CDが付録に〜「電網郊外散歩道」2014年2月
(*2):山響第203回定期演奏会「ペテルブルグの栄光」を聴く〜「電網郊外散歩道」2010年3月

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今日は忙しい一日になりそう〜老母のワクチン接種、山響定期演奏会

2021年05月30日 06時00分07秒 | Weblog
今日は、忙しい一日になりそうです。まず、午前中に老母の新型コロナワクチン接種があり、付き添いをする予定。持参するものは、接種券、予診票、本人確認書類(健康保険証だろうなあ)、など。
また、午後からは山響こと山形交響楽団の第293回定期演奏会。本日のプログラムは、「壮大な音絵巻・・・管弦楽の魔術師コルサコフ作品で冴える山響メンバーの技!名手 中川が奏でるトマジの音響世界」と題して、

  1. ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第二幕より "だったん人の娘たちの踊り" "だったん人の踊り"
  2. トマジ:トロンボーン協奏曲
  3. ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(トロンボーンと弦楽のための)
  4. リムスキー=コルサコフ :交響組曲「シェエラザード」作品35
      飯森範親 指揮 山形交響楽団、中川英二郎(Tb)

というものです。チケットは土日ともに完売とのことで、注目度の高さが伺えます。

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チェリストは重々しい表現に飽きていたのかも〜The Piano Guys の動画より

2021年05月29日 06時01分18秒 | クラシック音楽
例の、氷の中でピアノを演奏する「The Piano Guys」の動画(*1)で、結婚式の音楽の演奏に駆り出されたはいいが、「パッヘルベルのカノン」の伝統的で重々しい表現に飽きてしまったのか、眠くなってしまったチェリストがしでかした失敗と夢想を描いた動画に、思わず笑ってしまいました。これです。

結婚式の音楽
Rockelbel's Canon (Pachelbel's Canon in D) - 4 Cellos - The Piano Guys


「なんともはや」な事態ですが、わからなくもない。確かに、1960〜70年代までは、こうした重々しい表現が伝統的なものとして主流派をなしていて、これに対する反発からいわゆる古楽ムーブメントが起こったらしい(*2)、などという連想も浮かんでしまうほどです(^o^)/

いっぽうで、こちらは讃美歌「主よ、みもとに近づかん」から。
Nearer My God to Thee (for 9 cellos) - The Piano Guys


映画「おくりびと」でも野外でチェロを奏する場面が実に良かった記憶がありますが、音だけでなく映像を加えるとなると、演奏する側と楽器の負担はなかなか大変なものがありそうです。映像をプロデュースする側はしばしば容赦ないことを要求するからなあ(^o^)/

(*1): 孫と観た「アナ雪」ついでにチェロとピアノの「Let It Go」〜ごく夏向きの演出〜「電網郊外散歩道」2014年8月
(*2): 那須田務『音楽って素晴らしい〜古楽演奏による音楽の魅力の発見』を読む〜「電網郊外散歩道」2011年9月

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NHKのTV番組でカタリン・カリコ&山中伸弥両博士の対談が興味深かった

2021年05月28日 06時00分36秒 | 健康
NHKのテレビ番組「クローズアップ現代+」で、mRNAワクチンの原理を開発した科学者カタリン・カリコ博士とiPS細胞の山中伸弥両博士の対談が放送されました。これが実に興味深く、また研究一筋の科学者らしい心にしみる良い内容でした。特に、不遇時代にどんなふうに乗り越えたかについて、正確な表現は忘れましたが、「自分が変えられないものは忘れて、自分で変えられる、できることに集中する」ようにした、と話していました。多くの場合、これはとても大事なことではなかろうか。しばしば他人をうらやんだり境遇のせいにしたりして、自分で変えられないものを嘆いて時間が過ぎていきがちですが、それをしていても仕方がない。自分でできることに集中することが大事だ、というのは実にそのとおりだと思います。

また、自分の研究に自信と確信を持ちながら、自分の研究の成果が先人の業績の積み重ねの上にあることを自覚し、科学の歴史に加えられたことを喜びとする態度には、久々に科学者らしい清々しさを感じましたし、実際に新型コロナウィルスに立ち向かう医師や看護師はもちろんですが、清掃作業員など現場で働く人々の勇気と努力を称賛し、自分はただ実験室にいただけだとする言葉に、これまでの人生遍歴を経た人柄、謙虚さを見たように思います。ふとドイツのメルケル首相のスピーチ(*1)を思い出し、東西対立の時代に東側から脱出した頃の経験が、最前線で、あるいは底辺で働く人たちへの温かな視点や共感という共通点をもたらすのかな、などと感じた次第です。

良かった〜! 久々にNHKらしい良い番組を見ました。

(*1): メルケル首相のスピーチについて〜「電網郊外散歩道」2020年5月

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新型コロナウィルス禍に関連した記事の一覧を作ってみた

2021年05月27日 06時00分19秒 | ブログ運営
新型コロナウィルス禍も、ワクチン接種が進むと改善の方向に向いてくるようで、海外では英国などデータとして実績が上がっているようです。もちろん、多少のトラブルはあるのでしょうが、全体として見ればワクチンによる予防が効果的に作用することがはっきりしてきたと言って良いでしょう。

私自身も、若い頃には生化学専攻でしたので、関連情報を集めたり学術論文に近い総説を読んだりするなど、それなりにずいぶん勉強しました。新型コロナウィルス禍でもなければおそらく読まなかったであろう文献は、たいへん興味深いものでした。そこであらためて感じたのは、実験に基礎をおく自然科学や医学の実証性、信頼性と有効性です。政治や報道がしばしば右往左往するのは、こうした実証的な裏付けとは別な、思惑や利害によるものを優先しようとして現実に背かれるためだろうと思います。

ところで、備忘のために、新型コロナウィルス禍に関連して当ブログに掲載した記事の一覧を作ってみました。

うーむ、やはり転機は2020年1月の「ワクチン接種が見えてきた」「mRNAワクチンの原理とリポソームの実験の記憶」の記事あたりだな。mRNA ワクチンの原理と自分自身の若い頃の実験の記憶が結びついて、方向性が明瞭に見えてきたことがわかります。昨夜はスーパームーンとのことで、写真を撮ろうと試みました。残念ながら手ブレで二重になってしまいましたが、月食が過ぎて再び元の月の姿が現れるように、おそらく事態は新型コロナワクチン接種率の向上とともに徐々に収束に向かうのではなかろうか。

【追記】
夜のNHKニュースで、1月10日の記事に取り上げたmRNAワクチンの原理を開発したカタリン・カリコ博士のインタビューが放送されました。2月17日付け記事で紹介し3月19日付け記事では出国の際のエピソードに驚かされた博士ご本人の声と語られる内容に、ちょっと感激してしまいました。

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老母のワクチン接種日が決まる〜私たちにも接種券が届いた

2021年05月26日 06時01分02秒 | 健康
高齢者を対象とする新型コロナウィルス・ワクチンの接種は、当地のかかりつけ医院ではまだできないことが判明しました。93歳の老母は、近所の同年代のジイチャンが集団接種会場で受けてきた話を聞き、「車椅子が使えるならそこでもいい」と希望を転換。さっそくネットで予約してみると、すんなり今月末に予約できました。当日は付添が必要でしょうが、まずは一安心。

そうこうするうちに、私たち夫婦にも接種券が届きました。二人とも65歳以上ではありますが、もたもたしていた印象があったのに、92歳以上から65歳以上に到達するまで数週間と意外に早い印象です。当地の自治体や関係者が頑張ったのだなと、認識を新たにしました。予約受付は6月4日からだそうで、サクランボ収穫作業が本格化する前にはなんとか接種を終えたいところですが、起こりうる発熱等を考えると妻とは日程を少しずらしたいところです。老母と同様に、集団接種会場に行く予定。

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5月下旬は毎年きまって雨降りの日が続く

2021年05月25日 06時00分23秒 | 季節と行事
5月中旬にずっと続いた晴天と乾燥注意報の日々を取り戻すかのように、5月下旬は不順な天候が続きます。雨降りか、雨模様(*1)の曇り空で、カラリと晴れた晴天は望めません。この時期、サクランボや桃の防除の日取りを考えるのが、毎年のように悩ましい。反面、野菜の苗の成長には恵みの雨となります。店頭にジャガイモの種芋がなくなり焦っておりましたが、岡山県から通販で取り寄せて植えた「アンデスレッド」が、ようやく芽が出てきました。このまま順調に育ってほしいものです。

また、亡父と老母があちこちに植えた「ジャーマンアイリス」と「ルピナス」がただいま花盛りです。こちらはルピナス。



93歳の老母は、今もときどき畑に出て草取りをしています。おかげで花の周囲はきれいです。息子(私)はそこまで手が回りませんので、助かります(^o^)/

本日は、非常勤の勤務日。退職前までの早朝出勤とは違い、ゆっくり目に出かけます。通勤の音楽は、この季節になると聴きたくなる(*2)グリーグの「ピアノ協奏曲」としましょう。レオン・フライシャー(Pf)、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の見事な演奏で、1960年の録音。すでにパブリック・ドメインになって久しいです。

グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調 Op 16 P フライシャー /セル Grieg Piano Concerto A-mol


(*1): 「雨模様」=「雨降り」のこと?〜朝日新聞ことば談話室
(*2): セル/フライシャーのグリーグ「ピアノ協奏曲」を聴く〜「電網郊外散歩道」2005年6月

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自分で作る料理が楽しみになった理由

2021年05月24日 06時00分04秒 | 料理住居衣服
このところ、自分で作る料理が楽しみです。妻もすっかり当てにしているようで、地域の役割で忙しいとか献立が思いつかないとか、はたまた気分が乗らないなどの理由で、遠慮なしに丸投げしてくるようになりました。すると、根が「豚もおだてりゃ木に登る」ほうですから、「まかせて!」と作り始めます。もちろん、妻の長年の経験にはかなわず珍妙な取り合わせの献立になることもしばしばですが、それでも単品でみればけっこう美味しいものが作れるようになりました。例えば昨日の場合は「フレッシュトマトソースのチキンソテー」でした。

まずは【材料と準備】から。

  • 鶏むね肉 1枚 観音開きにして塩コショウしておく。

  • 小麦粉:大さじ1+粉チーズ:大さじ1 よくまぜて鶏むね肉にまぶす。

  • トマト 1個 細かく切って塩:2つまみ、オリーブ油:小さじ1、コショウ:少々 を加えておく。ちなみに、このアスパラガスは我が家のものです(^o^)Y


  • 他にバター:10g、塩コショウ、オリーブ油、パセリ:みじん切りで小さじ1/2

作り方は、

  1. フライパンにオリーブ油とバターを中火で熱し、鶏肉を皮を下にして焼く。このときは、動かさない。こんがりしてきたら返して同様に焼く。約8分。


  2. トマトソースをよく混ぜ合わせ、パセリを加えて混ぜる。
  3. チキンソテーを器に盛り、スレッシュトマトソースをかけて供する。


盛り付けは、レタスを添えたりアスパラガスを添えたり、多少は工夫しましたが、写真を撮ったときはあいにくパセリを切らしていました(^o^)/

ただし、「たけのこご飯」との取り合わせは、やっぱり和洋折衷で少々珍妙な面もあります。でも、美味しかったので良しとしましょう(^o^)/


このレシピは、実は『きょうの料理ビギナーズ』2019年5月号 に掲載されていたもので、ちょうど材料があったので作ってみたらたいへん Good でしたので、二度ほど続けて作りました。妻にも老母にも好評でした。



このように、自分で作る料理が楽しみになった理由は、(1)やはり美味しく食べられること、(2)家族が「美味しい!」と褒めてくれること、(3)化学実験のように手頃なサイズの道具をひととおり揃えたこと、(3)『きょうの料理』やネットで調べて興味を持ったレシピをノートに転記し、少しずつ蓄積している(*1,*2)こと、などがあげられます。また、将来万が一妻が倒れたりしても、なんとか食べさせてやれるように、という心づもりもあります。自分が楽しみ、周囲の人にも役立つという技術は、きっと残りの人生を支えてくれるものと思います。

(*1):「料理メモ」のノートを作ることで〜「電網郊外散歩道」2019年10月
(*2):ソフトリングノートの使い途〜料理メモに便利、便利〜「電網郊外散歩道」2019年1月

※そういえば、今日のは「料理・住まい」カテゴリーを独立させてからちょうど200本目の投稿のようです。

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軽トラックの車検が終わる

2021年05月23日 06時01分45秒 | 週末農業・定年農業
農作業用の軽トラックの車検期限が迫っていましたので、近所の整備工場に依頼し、このほど車検整備が完了して戻ってきました。平成17(2005)年に亡父が購入し初年度登録してからすでに16年になりますが、走行距離はまだ 7,600km程度です。農作物の収穫や出荷、農機具等の運搬には欠かせませんが、それほど距離を走るものではないだけに、まだまだ大丈夫そう。先にタイヤも更新済みですので、今回は

  • エンジンオイル交換
  • ワイパーゴム交換
  • ロングライフクーラント交換

程度で済んだようです。経費は、計81,000円なり。



軽トラックと言えば、農園経営には必須の存在で、たいへん便利に使っています(*1)が、ニュースによればホンダは商売にならないと軽トラックから撤退するらしい。軽トラックも、今後は貴重な存在になっていくのでしょうか? 故障がちな某国製のトラックなんてのが幅を利かせるようになったら、ちょいとイヤだな。

(*1):軽トラックは実に便利だ〜「電網郊外散歩道」2019年6月

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孫のピアノ発表会のDVDを観る〜もう少し良い音で聴くには

2021年05月22日 06時01分36秒 | コンピュータ
東京在住の娘夫婦から、DVDが送られてきました。孫たちのピアノ発表会の様子を夫君が録画してくれたようで、さっそく老母にも見せてあげることにしました。まずはノートパソコンにパワード・スピーカを接続して、リビングにて。うーむ、vlc メディアプレーヤーで DVD を再生してみたものの、ノートパソコンのオーディオ回路は音楽を聴けるレベルではないみたい。私としては不満足な再生ですが、93歳の老母には人が動いてピアノの音が聞こえるだけで充分に満足のようです(^o^;)>poripori

いやいや、夫君の録画はもっとしっかり音も入っているはず。もう少しきちんと再生したいと考え、自室の Ubuntu Linux パソコンと簡易 PC-audio で再生を試みました。まず、DVDを再生する環境が必要です。

$sudo apt install vlc
$sudo apt install libdvd-pkg
$sudo dpkg-reconfigure livedvd-pkg

これで、vlc メディアプレーヤーを導入できたので、念のために再起動してから動作確認してみました。



うん、「ディスク」を選ぶと、ちゃんと鮮明な画像と音で再生してくれます。簡易な PC-audio というのは、USB接続のDACとしてサウンドブラスターを使い、ラインケーブルで ONKYO のミニコンポ CR-555 と耳の高さにセットしたスピーカ (FR シリーズXN7TX用) を鳴らす、というものですが、ドビュッシーの音楽がきちんと鮮明に流れてきました。モダンな和声、たゆたうように揺らめきながらもしっかりとテンポを保つ演奏は、孫たちの成長を感じさせます。




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香月美夜『本好きの下剋上』第5部第5巻を読む

2021年05月21日 06時01分45秒 | -香月美夜
先月、4月に刊行されたばかりの最新刊、香月美夜著『本好きの下剋上』第五部「女神の化身」第5巻を読みました。発売後一ヶ月も過ぎたので、そろそろネタバレの心配も緩和されたかなと判断し、記事とする次第です。

プロローグはエーレンフェストの領主ジルヴェスターと伯父ボニファティウスのやりとりから。ボニファティウスが珍しく従来型の常識派の役回りです。なるほど、そんなわけでライゼガング一派に与することとなったのか。加護の再取得で神殿に対する偏見がだいぶ緩和されたようですが。

ローゼマインは、王族の命により、領主会議の間ずっと貴族院の図書館の書庫でダンケルフェルガーのハンネローレとともに古い文献の現代語訳に従事しています。王の第三夫人のマグダレーナがお目付け役で付き添う中、ある日アーレンスバッハのディートリンデが図書館にやってきて、言いたい放題。王命により婚約させられたフェルディナンドが連座で処分される可能性が高いとローゼマインは心配しますが、とりあえず対応をマグダレーナにまかせて貴族院の森をひそかに散策して鉢合わせを回避します。そこで見つけたのが古びた祠でした。これが実は、神々に認められて王となる道を示すもので、ローゼマインは第二王子アナスタージウスの妻となったエグランティーヌに請われてすべての祠を回ることとなり、メスティオノーラの書を得るための資格を得ますが、王族登録がないためにこれを読むことはできませんでした。しかし、次期王に最も近い位置にいることは間違いなく、王族はローゼマインを得るために動き出します。

いや〜、第一王子ジギスヴァルトとローゼマインの交渉の様子は、「商人聖女vs王族!」という帯のキャッチコピーのとおり。WEB 版でも面白く読みましたが、紙の本でもやっぱり面白いところです。もっと言えば、巻末の他者視点「望まぬ結婚」のアドルフィーネは、いかにも誇り高いドレヴァンヒェルの筆頭領主候補生ですし、「シュラートラウムの花」でのオルタンシアの不幸な最後を示唆するサスペンス調の終わり方は、中央騎士団長ラオブルートの悪役ぶりを強く印象づけます。

次巻は8月刊行予定。楽しみに待ちましょう。

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花弁がしおれない「菜の花パスタ」を作るには

2021年05月20日 06時00分32秒 | 料理住居衣服
春からずいぶん食べた「つぼみ菜」がトウが立ち花が咲いて、菜の花のように見えます。これを使って「菜の花パスタ」にしようと何度かトライしましたが、どうしても花弁がしおれてしまいます。せっかくの黄色い花弁をそのまま活かして「菜の花パスタ」ができないものか。









こんなふうに、ペペロンチーノを菜の花で飾ることを考えたのに、茹でてしまえば黄色い花びらは全く見えません。茎立ちのほろ苦さは美味しく感じられるのですが、見た目はアスパラガスの緑色だけがやけに目立ちます。うーむ、これでは「菜の花パスタ」とは言えないだろう。



要するに、裏の畑から摘んできたばかりの新鮮な素材なのですから、茎の部分は軽くゆでる必要があるけれど、花が咲いているところは柔らかいのでそのままナマでも良いのではなかろうか。そういえば、和食でお刺し身等に菜の花を添えている場合があるが、あれも火を通してはいないだろう。では、別の日にもう一度チャレンジ!





というわけで、パスタをゆでている間に、花が咲いている首の部分を上に出し、茎のところだけを軽く茹でる「入浴スタイル」で準備しておき、普通にパスタを作った後に菜の花を飾る形で試してみました。




うん、なんとかうまくいきました! できれば、パスタの山の中から花の部分が首を出すようにして、パスタ山の頂上には別の彩りを考えると、パスタの熱で茎がやわらかくなって良いのかもしれません。また、菜の花はこれではちょいと多すぎました。あまり多くなくさらりと添える程度のほうが食感がゴワゴワしなくて良いのかも。

とにかく、懸案の「菜の花パスタ」は、「入浴スタイルで茎の部分だけをゆでる」ことで解決できました。採れたての柔らかさを活かしたもので、味も良好、見た目も季節感があって Good です。

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永田和宏『タンパク質の一生〜生命活動の舞台裏』を読む

2021年05月19日 06時00分47秒 | -ノンフィクション
岩波新書赤版で、永田和宏著『タンパク質の一生〜生命活動の舞台裏』を読みました。2008年の6月に第1刷が刊行され、私が手にしたのは2012年1月発行の第7刷。順調に刷を重ねている、私より5歳上の、岩波らしい碩学による一般向け解説書です。

本書の構成は次のようになっています。

はじめに
第1章 タンパク質の住む世界―細胞という小宇宙
第2章 誕生―遺伝暗号を読み解く
第3章 成長―細胞内の名脇役、分子シャペロン
第4章 輸送―細胞内物流システム
第5章 輪廻転生―生命維持のための「死」
第6章 タンパク質の品質管理―その破綻としての病態
あとがき

第1章では、タンパク質の役割と細胞の構造、細胞の共生進化、DNAの共通性などがかいつまんで紹介され、第2章はDNAを中心とするセントラル・ドグマの解説となります。このあたりまでは、ほぼ50年前の学生時代に習った生化学・分子生物学の知識でなんとかなる部分で、違いと言えば昔のセントラル・ドグマは

DNA→mRNA→タンパク質

で済ませていたのを、現在は

DNA→mRNA→ポリペプチド→タンパク質

の4段階とし、ポリペプチドのフォールディング(折りたたみ)を重視しているところでしょう。

たしかに、共立出版の雑誌『蛋白質・核酸・酵素』が「アロステリック酵素」を特集していた50年前には、mRNAによって伝えられた情報をもとに作られたポリペプチドは、自動的に熱力学的に最も安定な形に再構成されて蛋白質となる、とされていましたので、フォールディングがそれほど重大なものとは認識していませんでした。ところが第3章では、この「折りたたんで形を作る」ことが「自然に」行われるのではなく、細胞内では分子シャペロンが望ましい形に折り畳まれていくことを介添えすることが述べられます。このあたりは、細胞内構造の重要性とも相まって、認識を新たにしたところです。

もう一つ、第4章ではリボソームで作られた蛋白質が本来の「赴任地」へ運ばれていく仕組みが説明されます。ここでは、膜蛋白質の重要性と小胞体やゴルジ体の役割、貨車輸送に喩えられるモータータンパク質や小包の宛先の表し方、外部から内部へ取り込むエンドサイトーシスの仕組み、インスリンやコラーゲンの場合、HSP47の発見と分子シャペロンとしての役割など、本書の白眉と感じられるところです。

第5章は、輪廻転生に喩えられる蛋白質の生成と分解、再利用の話です。これまでずっと動物の光周性は不思議な現象と思っていましたが、細胞周期が蛋白質の分解によって決まるあたりはなるほどと説得的です。第6章は、人間社会との安易なアナロジーを戒めつつ、製造ラインの停止、修理と再生、廃棄処分、工場閉鎖に喩えられる蛋白質の品質管理のシステムを紹介しますが、実にわかりやすいものです。当然、品質管理の破綻としての様ざまな病態についても、実に説得的です。



私にとって、これは実に有益な一冊でした。分子生物学、細胞、遺伝子などに興味関心を持つ人にとって、自分の知識をアップデートするにはたいへんに有益な本のようです。いまさらワトソン『遺伝子の分子生物学』の高価な新版を購入するまでもない、昔、その分野をかじったことのある人には絶好の本と感じました。この分野に全く不案内な人には、必要とされる予備知識の面でちょいと辛い本かもしれません。

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老母のワクチン接種案内が届く〜WEB予約を試みたが希望の医院ではまだできないみたい

2021年05月18日 06時00分48秒 | 健康
先日、当地の自治体より高齢者を対象とするワクチン接種案内が届きました。我が家で年齢的に該当するのは今年93歳の老母です。本人は「長生きしても浦島太郎になるだけだからなあ」とのことでしたが、「コロナは呼吸ができなくなるから苦しいそうだよ」と言ったら、「じゃあ受けてみるか」となりました。そこで、妻が電話予約をしようとしましたが、なかなかつながらない。ではWEB予約はどうか。これまでの実績から、政府機関が下請けに出すシステムの出来具合には期待できそうにない(*1)ということで、今回は Linux PC からではなくリビングの Windows10 のPCから予約システムに接続。案の定、あっけないほどスムーズにつながりました。10桁の番号を入力し、氏名ヨミを入力し、生年月日で本人認証、次の段階として

  • 接種会場で選択
  • 接種日時で選択

の2つから選びます。本人の希望は、大きな会場では駐車場から接種会場まで長い距離を歩かなければならないことから、「いきつけの医院でなら」というものでしたので、「接種会場」を選択。すると、

  • 集団接種会場 (1)
  • 各医院 (0)

とありましたので、各医院を選択しましたが、希望の医院だけでなくぜんぶが「×」でした。どうやら、カッコ内の数字は受付中の会場の数を表しているもののようです。

調べてみると、どうも全国的に集団接種会場での実施を先行させているようで、接種率アップのための戦略としては正しい方向と思いますが、それならばテキパキと予約・実施できる若い人から案内したほうが良かったようにも思います。出歩く確率の高い人から実施するほうが防疫上は効果的なのではなかろうか。私も高齢者の一人ですが、高齢者を優先する「敬老精神」は儒教道徳としては大事なものだろうけれど、政策としては若者対策のほうが重要度はずっと高いように思えてなりません。たぶん「高齢者を大事にする施策のほうが支持されやすい」あるいは「敬老を打ち出すほうが票になる」あたりが実際の理由なのかもしれませんが(^o^;)>poripori

いやいや、今はそんな皮相な見方をするよりも、実際に予防接種業務に従事する皆様の安全と、関連する事態が少しでも前進することを祈りましょう。

(*1): 国勢調査オンラインは「やっぱり」回答できず〜「電網郊外散歩道」2020年9月

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見かけはパスタ、実は「そうめん」! 〜久々のヒット作か

2021年05月17日 06時00分14秒 | 料理住居衣服
昼、再び厨房に立つことに。見かけはパスタ風でも、中身は違います。「そうめん」です。

  1. 椎茸、ウィンナ等を食べやすい大きさに切り、塩コショウで炒めておきます。
  2. そうめんを茹でます。ついでにアスパラガスも。
  3. お皿にめんつゆを入れ(*1)、同量の牛乳を加えてのばします(*2)。
  4. ちぎったレタスを飾り、めんつゆの中に茹で上がったそうめんを冷水で洗って載せます。
  5. さらにレタスを飾り、炒めた椎茸、ウィンナ等をのせて縦に半分にしたアスパラを飾ります。
  6. 好みにより、ラー油等をかけていただきます。

見かけはパスタ風ですが、食べようとするとそうめんが出てきて、こんな感じです。
こんどは「またパスタ?」とは言わせない(^o^)/



午前中、せっせと働いたので、飲み物はビールで。素麺のお味は妻にも好評でした。

(*1): いつも使っている楕円形のお玉で1杯。これでちょうどのようです。何mLくらいなのだろう。後で調べておかなければ。
【追記】大さじ4杯分でした。ということは 60mL ということだな。
(*2): これは、ブログ「お野菜を食べよん!」のこの記事を参考にしました。

【再び追記】
その後また作ったときに、老母から少し「しょっぱい」との声がありました。めんつゆの種類によっては、1:1では濃すぎるかもしれません。その場合、めんつゆの量を好みで加減して減らす必要があります。

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