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うかうかしていうとあっという間に新年に突入しそうな師走です。今年の手帳の残りも少なくなってきましたので、新しい手帳に必要事項を転記する時期になりました。今年の手帳ダイアリーから新年の手帳に必要事項を転記します。特に、すでに決まっている1月〜3月までの予定が中心になります。それ以外のパーソナルデータの部分はパソコンに保存してありますので、追加訂正して印刷し折り曲げて手帳に差し込むだけです。
書き込むのはもっぱら万年筆、それもかなりの量の書き込みが必要になりますので、愛用のプラチナ#3776ブルゴーニュ(F:細字)に同社の古典ブルーブラックインクで転記します。インクが滲んだり裏抜けしたりする心配がないため、安心して記入することができるのがこのインクの長所です。また、スリップシール機構のおかげでインクが自然乾燥して書けなくなる心配がごく少なく、数ヶ月〜半年以上も他のペンに浮気してほったらかしにしてもすぐに書き出せるというのはありがたいです。
プラチナ社の#3776シリーズの万年筆の動画を見つけました。
“Fusion of Science Fountain pens” The world of fountain pens that utilize capillary action
意外なほど手作業が多いことに驚き、あらためてこれは大事に使おうと感じたことでした。
先日、修正テープの詰替え用カートリッジを購入してきた時に、ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』2024年12月号をもらってきました。今号の特集は、
2024年Bun2大賞〜読者が選んだベスト文具30発表
というものです。Bun2 大賞の結果は、大賞が「ウカンムリクリップ」、2位が「本に寄り添う文房具」で、いずれも本を開いたままにしておけるというのが特徴です。
考えてみれば、昔の「ちゃんとした本」は製本がしっかりしていて、表表紙と背表紙とをしっかり開くように指で抑えてクセを付けてから本文を開くようにすると、自然に開いたまま保存できるようになるのでした。それが、接着剤で固めるような簡易な製本が増えて、こうした「開けたままにして置ける」道具が必要になったということで、むしろ製本文化の衰微を憂うべき事態なのかもしれません。
これに対して第3位は、Jetstream の新インクのボールペンで、話題性が高かったけれど新鮮なインパクトの点でやや弱かったということでしょうか。以下、30位までありますが、実際に買ってみたのはコクヨの水平に開けるノートくらいで、実際にはまだ使っていませんのでノーコメント。ブングジャムの文具放談も面白く読みました。
◯
むしろ、「今年使った中で一番ありがたかった文具」という観点から「私的文具大賞」を選んでみると、「両親、祖父母とゆかりの人々の記憶」をまとめた(*1,*2)際に使った次の2点が印象深いです。いずれもすでに定評のある製品ですが、
結局、むりに自費出版するまでもなく、20冊ほど作って親族等に配り、懐かしく喜んでもらえたようで、文具が実際的に役立った形でした。
(*1): 『両親と祖父母とゆかりの人々の記憶』はどのように書いたか〜「電網郊外散歩道」2024年7月
(*2): コクヨの「レポートメーカー」で簡易製本し小冊子を作る〜「電網郊外散歩道」2024年7月
地域の行事予定に変更が生じたのでダイアリーの記載を訂正しようとしたら、修正テープを使い切ったようで、だめでした。お出かけのついでに行きつけの文具店に立ち寄り、たしか詰替え用の製品があったはずと探してみたら、ありました。製品名がトンボMONOの修正テープCX5で、詰替え用がCR5です。マツダの車みたいな型番ですが、数字は修正テープの幅(5mm)を表しているみたい。
詰替え用カートリッジは、定価300円のところを税込264円です。この修正テープはいつ頃から使っているのだろう。
裏に日付がありました。2020年の6月25日ですから、コロナ禍の中、ピンチヒッターで1年間だけフルタイムで働いていた年です。あれからもう4年か。
交換そのものはいたって簡単で、要するに先端部のロックボタンを Open 位置にスライドさせるとパカッとフタが開きます。そこで詰替え用カートリッジと交換してフタを閉め、ロックボタンを元に戻す、というものです。
上が使い切った方で、下が新しいカートリッジ。なるほど、こうやって巻き取っているのだな。
さっそくダイアリーの記載を修正し、変更後の日程も書き加えて作業完了。ただ訂正するだけならば二重線を引いて削除し、別の日に新しい予定を書き入れれば良いだけなのですが、今後の利用を考えると、この機会に修正テープを使える状態にしておくことは大事です。トンボMONO CX5、便利な良い製品です。
小型のメモ帳や手帳等に買い物などの ToDo リストを作成し、実行できたものをチェックしてつぶしていくやり方は、昔からよくやっていました。でも、必ずしも一度に全部を実行し完了できるとは限りませんので、チェックできなくて白抜きのままになる項目が出てきます。これを、忘れないようにときどき集めては不要になったものを削除して「未達項目リスト」を新しい ToDo リストとして作っておきます。
こうした ToDo リストの後始末は、私の場合、手帳や小型のメモ帳でも必須のルーティンです。やり残したものがないかどうかを確認できるだけでなく、時期が過ぎてみたらたいした重要性はないことがわかった、などということもあります。ToDo リストを完璧に実行することにこだわる必要は、実はないということでしょうか。
最近の未達項目を集めてみたついでに、TWSBIダイヤモンド580ALラヴァーにモンブランのロイヤルブルーインクを補充しました。
当方、備忘録やダイアリーなどふだんの筆記具はもっぱら万年筆ですが、提出書類に書き込んだり、電話の応対でメモを取るときなどはボールペンです。そうそう、備忘録ノートでも演奏会のメモなどは暗いところでもなぐり書きができるボールペンを使っています。使っているボールペンはジェットストリームとパワータンクを主体に、一部の色はサラサやエナージェルを補う形です。先ごろ、三菱鉛筆からジェットストリームに「ライトタッチ」という触れ込みの新インクが発表され、今までの製品とは異なるデザインで発売されました。これは試しに使ってみなければと思い、海洋プラスチックを使った軸のジェットストリームと間違えたり(*1)しながら、このたび黒の0.7mmを購入し、しばらく使ってみました。
デザインは、まあ好き好きでしょうから、使ってみた率直な感想を。
だいぶ前に、コンビニでトイレ休憩をしたときに購入してあった無印良品の再生紙使用A6判ダブルリングノートを見つけ、買い物メモや雑多な覚え書き等に使い始めました。ノートに上等とは思えない再生紙を使うという発想は正直言ってあまり賛成できませんが、ゴムバンド付きでゴムの張力はかろうじて保たれているようです。殺風景な表紙には何かの景品でもらった Dropbox のロゴを貼り付け、元コンピュータ・フリークらしさを残しております。
(*1): ジェットストリームの新インクだと思ったら〜「電網郊外散歩道」2024年7月
パイロット社の万年筆用ブルーブラック(BB)・インクは、私が万年筆を使い始めたときから使っている、最も使用期間の長いインクです。学生時代も同インクを使って講義を書き留めましたが、昭和から平成に変わる頃からパーソナル・コンピュータが身近になり、使う頻度が激減していきました。その理由は、主として使う用紙が上質紙からコピー紙に転換していったために、インクの裏抜けが甚だしい万年筆を避けてもっぱらボールペンを中心とするように変化していったからです。
しかし、2013年にプラチナ社の古典ブルーブラック・インクがコピー紙でも裏抜けしないことを知り、同インクを採用することで再び万年筆を主体とする生活に戻りました。現在も、もっぱら同社の古典BBインクを複数のペンに補充しながら使う形になっています。ではパイロットのBBインクは出番がなくなったのかというと実はそうではありません。30mL の小瓶がもうすぐ空になりそうなので、先日、70mL の容量のものを見つけて喜んでいるほどです。これはなぜか。
実は、パイロット社のBBインクを、1979年から愛用するカスタム・グランディの中字で、裏抜けしないツバメノート等に書くのはすらすらスムーズで、筆跡もはっきりしていて視認性が実によろしい。その点で、得難い美質があると感じています。
要するに、備忘録ノートや便箋など、インクが裏抜けしにくい紙あるいは片面使用が前提の紙に書くなどの用途には問題がないということです。手帳・ダイアリーやメモ用紙などを含めた様々な紙に書くメインの筆記具としては、プラチナ古典ブルーブラックインクの汎用性が断然優れていると感じます。一方で、ツバメノートや便箋など、裏抜けを問題としない限定された用途では、パイロットのブルーブラックインクも活躍の場面があるということでしょう。