電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

交響曲全集

2006年08月31日 22時54分41秒 | -オーケストラ
交響曲の全集というと、お気に入りの何曲かはしばしば取りだしますが、どうしても全部を聞くまでに時間がかかります。そのかわり、おやっと思うようなすてきな曲に出会うこともあります。ラファエル・クーベリック指揮ベルリンフィルの交響曲全集より、ドヴォルザークの交響曲第三番。ただいまエンドレスで聞いてます。若い時代の作品ですね。いいなぁ、もう少し聞いてからコメントいたしましょう。
写真は、わが家のアホ猫二匹のうちの一匹。いつも足元に寝ていて、毎朝「エサくれ~」と起こしに来る、目覚し時計のような猫です。
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J.S.バッハ「クラヴィーア協奏曲第5番」を聞く

2006年08月30日 19時26分12秒 | -協奏曲
通勤の音楽、ここしばらくは、カーステレオでJ.S.バッハの「クラヴィーア協奏曲第5番」ヘ短調、BWV.1056 を聞きました。
本来はチェンバロで演奏されるところ、アンドラーシュ・シフのピアノで、ジョージ・マルコム指揮イギリス室内管弦楽団が演奏しています。それでも、まったく違和感は感じられません。

第1楽章、アレグロ。弦楽合奏の中でクラヴィーアが独奏楽器として旋律をうたう。当時としては画期的なことでしょう。後年の古典派・ロマン派のピアノ協奏曲の始まりがここにあったのだろうと思うと、感慨深いものがあります。
第2楽章、ラルゴ。オーケストラがピツィカートでそっとリズムを刻む中で、ピアノが美しい旋律を聞かせます。バッハの音楽を聞く喜びを感じるひとときです。
第3楽章、プレスト。弦楽が緊密なアンサンブルを聞かせます。ピアノも弦楽とかけあい、短いけれども充実した音楽です。

DENONの全集"MyClassicGallery"シリーズの1枚(GES-9204)、管弦楽組曲とカプリングされていますが、もともとは1979年8月29日~30日に、ロンドンのヘンリーウッド・ホールでデジタル録音されたものです。27年前の今日、ロンドンで響いていた音楽を、今こうして自宅のスピーカを通して聞いているわけで、当時若手だったアンドラーシュ・シフも、すっかりいいおじさんになるわけだと、自分のことを棚にあげて妙な頷き方をするのでした。

■シフ(Pf)、ジョージ・マルコム指揮イギリス室内管弦楽団
I=3'26" II=3'00" III=3'21" total=9'47"
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『朝の知的生活術』を読む

2006年08月29日 19時44分34秒 | -ノンフィクション
現代情報工学研究会『朝の知的生活術』という文庫本を読みました。1994年3月刊の講談社+α文庫、人間の豊かさの指標として「資産と空間と時間」をあげ、自由に使える時間を見直すために、朝の時間を工夫し生かしている人を取材したものです。
本書は次の内容からなります。

第1章 「朝時間」の発見~なぜいま早朝が注目されるのか
第2章 時代はフレックス~24時間を有効に使う
第3章 「キャリア」は朝つくられる~出勤前に情報を素早くキャッチ
第4章 早起きの楽しみ方~自分だけの時間をどう過ごすか
第5章 「朝型生活」のすすめ~生きた時間を創造する方法

そうですねぇ。読後感はちょっと「微妙」です。
創造的な仕事をしている人が知的生産の技術を駆使しているからといって、知的生産の技術を身につければ創造的な仕事ができるとは限らないように、創造的な仕事をしている人が朝型の生活をしているからといって、朝型の生活をすれば創造的な仕事ができるとは限らないのではないでしょうか。夜間勤務の単身赴任生活も経験した立場からすると、原因と結果が逆転しているようにも思いますし、家族と過ごす時間を軽視した、自分本位の考え方ではないかと思える点もあります。

ただ、なるほどと参考になる内容や、自分だけではなかったと安心する点もいくつかあります。

(1) 前日の日記を早朝にワープロに記録しながら、今日の予定やニュースをチェックするのは、疲れた夜にするよりも、能率的ではかどる。参考に関連記事を検索するなど、前向きの作業になる。
(2) 惰性のつきあいをやめて、自分の時間を重視する。職場のグチを言い合うだけのつきあい酒は、ほどほどに切り上げる。(ちなみに、私は午後9時の男、と自称しています。たいていの場合、9時になったら切り上げます。)
(3) 異業種交流の楽しさ。同窓生の忘年会でプレゼンをやったり、地域インターネットクラブで講習会をやったり、職場や仕事を離れて、脳みそのふだん使わない部分を活性化することは、理屈ぬきで楽しいものです。

日が長い夏季には、朝5時半に目が醒めてしまいます。食事をして出勤の準備にかかる7時すぎまで、およそ90分。通勤時間が短くなりましたので、夜も2~3時間は使えます。この時間をどう使うか。
朝、まずパソコンの電源を入れ、洗面所に行き、コーヒーをいれます。スケジュールを確認してメールをチェックし、ニュースやブログを見て、話題を仕込みます。地方紙の朝刊が届くと、ローカルニュースにざっと目をとおします。通勤の音楽のCDを選ぶのも楽しい時間です。
帰宅して、着替えてから夕食。片付けてからパソコンの電源を入れ、ざっとニュースとメールをチェックし、夕刊に目をとおします。ふだんテレビを見ませんので、夜の二時間は自由な時間です。

これは、本書の定義で言えば、かなり「豊かな時間」の部類に入るのでしょうか、それとも「中くらいの豊かさ」なのでしょうか。聞いてみたいところです。
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季節の変わり目

2006年08月28日 22時09分41秒 | Weblog
夏から秋への季節の変わり目には、急に雨が降ったり、雷が鳴ったりします。夜の暗闇を貫くように稲妻が光るのを見ると、夏の終わりを実感します。八月ももう数日で終わり。大学生はまだまだ休みが続くでしょうが、運転免許を取るために自動車学校に通っている人は、夏休みに終えることができるよう、追い込みに入っていることでしょう。
道路脇に咲くコスモスの花が風に揺れ、通勤路にも秋の気配を感じます。通勤の音楽、今はバッハのクラヴィーア協奏曲で、アンドラーシュ・シフの演奏です。
写真は裏の畑のプルーン。もう少しすると、収穫時期を迎えます。
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ひこうき広場

2006年08月27日 18時02分03秒 | 散歩外出ドライブ
山形空港の西北、3Mの工場の東隣りに、「ひこうき広場」というのがあるとのこと、昨日、午後から「飛行機」の発着を見ようと妻と出かけてきました。晴れた良いお天気でしたが、快い北風が吹き、あずまやの日陰からジェット機の発着を見物しました。地方空港ですので、機体は現在の感覚では小型のものです。それでも、滑走路を疾走しふわりと空中に浮かぶ様子を見るのは楽しいものです。






お天気もよく、親子連れが散歩に来ていました。
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桃の季節

2006年08月27日 06時26分55秒 | 週末農業・定年農業
桃の季節です。昨年冬に老父が直腸ガンで手術したために、果樹園の剪定作業が充分にできませんでした。おかげで、今年の桃のできぐあいは、いまひとつのようです。大玉が少なく小玉が多いため、規格外で出荷できないものが自家消費に回ります。
規格外とはいえ、味の方は変わりがありません。食べ方と言っても、普通に皮をむいて食べるほか、完熟したものを小口に切り、自家製のヨーグルトに入れるくらいです。
中国の物語『西遊記』では、孫悟空が極楽に行き、禁じられた果物を食べてしまう場面がありますが、あれがたぶん桃だったのでは、と思います。ほんとに極楽の果物という感じです。
当地では今「あかつき」という品種が主力ですが、もうしばらくすると「川中島」という品種に交代していきます。桃の季節、食いしん坊にはもうしばらく幸せが続きます(^_^)/
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小山実稚恵のファリャ「恋は魔術師」を聞く

2006年08月26日 09時31分24秒 | -独奏曲
お盆が過ぎ、涼しい朝です。今朝7時の時点で、室内温度が24度。日中の気温上昇を考え、かろうじて半そでにしました。朝のホットコーヒーが美味しい!
小山実稚恵さんの "Favorite Spanish Piano Works" は、黒を基調とし、赤を配したシックなジャケット(写真左上)です。ケースを開けると、赤に黒の妖しい(?)デザイン(写真右上)。このCDは、間違いなくジャケットで購入したものでありましょう(^_^;)>poripori
収録曲目は、次の17曲。

1 グラナドス「演奏会用アレグロ」(8'16")
2 グラナドス、スペイン舞曲第2番「オリエンタル」(5'10")
3 グラナドス、スペイン舞曲第5番「アンダルーサ」(4'36")
4 アルベニス、スペイン組曲第1曲「グラナダ」(5'28")
5 アルベニス、組曲「旅の思い出」第6曲「入江のざわめき」(4'05")
6 アルベニス、組曲「スペインの歌」第3曲「セギディーリャ」(2'45")
7 アルベニス、組曲「イベリア」(1)「エボカシオン」(5'43")
8 アルベニス、組曲「イベリア」(2)「エル・プエルト」(4'32")
9 アルベニス、組曲「イベリア」(3)「セビーリャの聖体祭」(8'46")
10 アルベニス「パヴァーナ・カプリーチョ」(3'26")
11 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(1)「パントマイム」(4'52")
12 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(2)「情景」(1'08")
13 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(3)「きつね火の歌」(1'29")
14 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(4)「亡霊~恐怖の踊り」(2'08")
15 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(5)「魔法の輪(漁師の物語)」(2'20")
16 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(6)「真夜中」(0'42")
17 ファリャ、組曲「恋は魔術師」(7)「火祭の踊り」(4'04")

グラナドスは、好きな曲ですので、たいへん楽しみました。「オリエンタル」は師匠のラローチャの同曲の演奏(4'57")よりはややゆったりめのテンポで、雰囲気も神秘的な要素があり、とてもていねいに演奏しているように感じます。
アルベニスの静かな雰囲気の曲目は、通勤のカーステレオには不向きですね。でも、自宅で聞くと、弱音の連続する時間にはまた格別の味わいがあります。
そしてなんといってもファリャ!「恋は魔術師」組曲を、オーケストラでなくピアノで演奏したのを聞くのはこのCDが初めてですが、なかなか魅力的です。最後の「火祭の踊り」など、もう情熱的で大迫力です。カーステレオでも良いのですが、できれば自宅の大型(当家比)のスピーカーで、低音をビンビン響かせて聞きたいものです。今日のように涼しい快晴の休日、朝食後のひとときを美人ピアニストさんの演奏で過ごすのは、贅沢といわずになんと言いましょうか!

1992年5月に、下田市民文化会館で収録されたSONYの20ビット・デジタル録音。SRCR-8913という型番で、音はたいへん鮮明です。

一つだけ苦言を。この年になると、リーフレットの真っ黒な地色に小さくて細い白ぬき文字は、つらいものがあります。特に録音データの記載は、拡大鏡の助けを借りないと読むことができませんでした。音楽やオーディオに興味を持ち続け、日本の演奏家のCDにも関心のある団塊世代は皆無ではありません。もう少し、デザイナーが老眼に優しい配慮をしてくれたら、と思います。
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男の子とハンカチ、あるいは非言語的メッセージ

2006年08月25日 19時57分43秒 | Weblog
小学生の頃、出かける前に母親に「ハンカチとちり紙、持った?」と聞かれた人は多かろう。男の子の場合、中学生や高校生の頃にはいささかうっとおしく感じたのではないか。こういう記憶は、どうも私だけではなさそうだ。

男の子たるもの、常にハンカチなど持ち歩くのは女々しい限りだ、と感じさせる圧力が確かにある。テレビや映画や漫画の世界を見れば、ひたむきで一途な男の子はほぼ例外なく上着の袖や自分の腕で涙や汗をぬぐっている。これは、言葉以上に強烈な、非言語的メッセージであろう。
ドラマを見れば、ハンカチで汗を拭くのはほとんどの場合きざな悪役か小心な中年男であり、内心の動揺を隠すための小道具として用いている。これでは、純情な男の子がハンカチを持ち歩く習慣は期待できない。

甲子園で高校野球の優勝投手が汗をぬぐったハンカチが社会的話題になったのは、実は彼の行為がこういう非言語的メッセージの存在を明らかにしたためではないか。「ハンカチ王子」は柔弱ではなかった。早稲田実業の斎藤投手の発したメッセージ性は大きい。願わくは、男の子が自立への一ステップとしてハンカチを含むマナーの修得を意識できるように、社会の発する非言語的メッセージが変化していってほしいと思う。
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ショパン「12の練習曲集」Op.10を聞く

2006年08月24日 21時53分04秒 | -独奏曲
私がショパンを取り上げるのは、たぶん初めてではないでしょうか。マウリツィオ・ポリーニが演奏したこのCD、実は先ごろ同じものをもう1枚入手しまして、1枚を車の中に常備しております。で、カーステレオで通勤の音楽として楽しんでいる次第。

第3番「別れの曲」、第5番「黒鍵」、第12番「革命」などの愛称のついた曲はもちろんすてきですが、実は愛称のない曲の中にお気に入りの音楽が少なくないのです。
たとえば第6番、この深く沈潜するようなゆっくりした音楽が、仕事帰りの車中では実にぴったりしますし、第4番や第9番の音楽の中に、美しさの陰にあるショパンの激しさ、荒々しさを感じます。
それに、第2番や第8番、第10番といった、右手が忙しく駆け回る見事な技巧を見せながら、左手が変則的なリズムを保つなど、思わず(スゥイング・ガールズ風に)「どごが練習曲だなや!」といいたくなるような面白さがあります。

ハ長調、イ短調、変ホ長調、嬰ハ短調、と続く12曲の配列は、何に基づいているのでしょう。どうもむら気で配列したような不自然さは感じず、むしろ一貫したものを感じます。このあたりはすでに専門家の領域でしょうが、ロマンティックな気分の陰に激しさを秘めているように、もしかしたら、曲の全体を貫く論理的なものが根底にあるのかとも思ったりします。

私もショパン死去時の年齢をはるかに超えましたので、こういう言い方を許してもらえるなら、

「ショパン君、もしかして君は、理系だね?」
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山形が「ラーメン好きの街」日本一の理由

2006年08月23日 19時33分33秒 | Weblog
以前、読売新聞で、山形市が「ラーメン好きの街」日本一だという記事を掲載していました。現在も、WEB上で読むことができる(*)ようです。
この記事によれば、山形市の「中華そば」支出は一世帯あたり15,037円だそうで、仙台市をおさえて堂々のトップだそうです。この理由について、山形県はニ世代・三世代同居の家族が多く、世帯人数が多いため、一度家族で外食をすると、支出が多くなるからではないかと考えました。しかし、平成15年の統計から世帯あたりの人数で割り算して、一人当りの支出額に換算しても、下のデータのように、やっぱり断トツに多いということが判明しました。

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順位 市名 中華そば 世帯人数 1人当たり
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1 山形市 15,037 2.733 5,502
2 仙台市 11,560 2.333 4,955
3 福島市 11,093 2.676 4,145
4 秋田市 9,580 2.538 3,775
5 新潟市 9,189 2.712 3,388
6 富山市 8,939 2.776 3,220
7 金沢市 8,828 2.506 3,523
8 長野市 8,302 2.684 3,093
11 盛岡市 7,846 2.468 3,179
12 青森市 7,786 2.632 2,958
14 甲府市 7,159 2.422 2,956
16 静岡市 6,916 2.662 2,598
49 神戸市 2,477 2.372 1,044
-------------------------------------
単位:左から(円) (人) (円)

この理由ですが、様々な外的な要因を考えてみましたが、これといった決定的なものが見当たりません。実は単純で、蕎麦と同じで山形のラーメンはおいしいから、ではないのかと思いあたりました。おいしいから日常的に食べる。で、店も工夫をこらす。この連鎖的なくりかえしなのかも。

神戸市では、ラーメン以外にも他においしいものがたくさんあるため、ラーメンだけに限定すると支出額が少なくなるのではないかと思います。そういえば、山形市でチーズフォンデュでパンを食べようとすると、とたんにお店が限定されてしまう(^_^;)>poripori

(*):ふるさと"地"慢~第1部・ナンバーワン物語[12]中華そば支出~山形市
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宮部みゆき『かまいたち』を読む

2006年08月22日 21時56分49秒 | 読書
宮部みゆきの比較的初期の作品が集められた、新潮文庫版『かまいたち』を読みました。これは、彼女の『霊験お初シリーズ』などの時代小説の原型に近い作品なのでしょうか、以前親しんだ世界に近い設定、登場人物からなっている作品が含まれています。

第1話、表題作「かまいたち」は、江戸を震撼させた連続殺人の真犯人がわからないまま、事件を目撃したおように恐怖が忍び寄るという推理小説ふうの仕立てです。こういう設定は、実にうまいです。
第2話「師走の客」、骨董趣味の失敗はよくある話ですが、犬と蛇がからむ一幕は、平岩弓枝さんのシリーズにありそうな落ちですね。
第3話「迷い鳩」、お初には女の着物の袖に付いた血が見える。だが周囲の者には見えない。これは一種の幻覚ですが、それを霊験(超能力)と設定したところに、このお話の始まりがあります。柏屋にからむ女中の失踪、鳩を飼っていた男の水死、主人の
原因不明の衰弱、そしてろうそく。最後に、江戸町奉行・根岸肥前守が身分を明かします。偶然にも、平岩弓枝さんの『はやぶさ新八』氏が仕える主人ですね。
第4話「騒ぐ刀」、脇差がうめき声をあげるという。そんな馬鹿な、と思うけれど、本編では妙に説得力があります。お初を助けて戦う小太郎という犬も、各地に伝わる「妖怪と戦い倒れる犬」伝説(*)をふまえた設定なのでしょうか。たとえば信州信濃の光前寺、早太郎伝説などです。

(*):山形県にも、鶴岡市大山の椙尾神社のメッケ犬伝説などが伝わっています~犬たちの伝説
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ネコ枕。

2006年08月21日 20時33分40秒 | アホ猫やんちゃ猫
わが家のネコは、昼寝のさいにはお気に入りの場所があります。夏はとにかく日陰で風通しの良いところなのですが、もう一つ重要な条件が。それは「段差」です。
なぜ段差が必要なのかって?それは、写真のように、段差に頭をもたせかけて、枕にして昼寝をするのです。
ネコ曰く、「畳に爪とげばケバが立つ。(ネズミに)情をかければ逃げられる。とかくこの世は住みにくい。」のだとか。いかにも悟りきったネコの境地に達しているようです。
そんなわけで、わが家ではこの敷居の段差を、「ネコ枕」と呼んでいます(^o^)/
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プロコフィエフ「シンデレラ」組曲第1番を聞く

2006年08月20日 10時02分52秒 | -オーケストラ
シンデレラの物語は、いろいろな作曲家が取り上げているようです。私もロッシーニの歌劇「シンデレラ」のDVDを購入し、早口言葉のような(いささか躁状態の)音楽を、少々辟易しながら楽しみました。
ただし、圧倒的に手にする頻度の多いのはプロコフィエフの晩年の音楽。この旋律の見事さ、不思議な雰囲気を表現するオーケストラのかっこよさ。これはなんともいえません。

1.「序曲」、童謡的な可愛らしい始まりではありませんで、堂々とした映画音楽のような、やや物悲しい雰囲気を持つ序曲です。
2.「パ・ド・シャ」、これはどういう意味でしょう。「パ・ド・ドゥ」なんてのもあるから、たぶんバレエ用語でしょう。Googleで"パ・ド・シャ"で検索してみると、こんなページ(*)が。中国語で猫歩ですか。さすが漢字の国。このほうがずっとわかりやすい。
3.「喧嘩」、こちらはいじわるな姉さんたちとの喧嘩か。オーケストラの中で、ピアノが効果的に使われます。
4.「仙女のお婆さんと冬の精」。この曲、好きなんですよ。人を食ったようなユーモラスな木管の出だしからのどかな音楽が展開され、比較的長めの音楽になっています。童話ではカボチャが馬車になり、ネズミが馬になる。実際のバレエでは、きっと見せ場なんでしょうね。
5.「舞踏会に行くシンデレラ」。疾走感のある軽快な音楽が、一転して優雅な足取りに変わります。たぶん、階段を登っていくところか、ホールを進むところなのでしょう。シルクのような美しい音楽です。
6.「シンデレラのワルツ」にふさわしい、ミステリアスな雰囲気をたたえたワルツです。プロコフィエフの音楽の持つ幻想性と叙情性がよく表された音楽のように思います。
7.「真夜中」、時を刻む時計を模した音楽が12時を打ち、盛り上がって終わります。

演奏はテオドル・クチャル指揮ウクライナ国立交響楽団、1994年1月に、キエフのウクライナ国立放送スタジオでデジタル録音されたナクソス盤(8.553273)。プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」に併録されたものです。

プロコフィエフの音楽が、スターリン時代の政治的な文脈を離れることができないというわけでもないでしょうし、暑い夏の休日に、こうして幻想的な音の響きを楽しめるのはありがたいことです。

(*): 中国語バレエ用語辞典
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平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳』(第7巻)「寒椿の寺」を読む

2006年08月19日 21時53分58秒 | -平岩弓技
ここしばらく、寝る前に平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用帳』(第7巻)「寒椿の寺」を読んでいました。秋から冬にかけてのお話で、季節感はややずれていますが、順番ですから仕方がありません。せめて、写真だけでも涼し~いものを・・・

第1話「吉原大門の殺人」、越前大野藩土井甲斐守の家臣の若侍が、妓楼「玉屋」の小ゆきに執心で、無理心中を図ります。
第2話「出刃打ち花蝶」、江戸を離れると危難にあうというジンクスを持つ新八郎、今度は上州で火難に遭遇します。土蔵の二階で下から火が来たら、普通はアウトですね。
第3話、表題作「寒椿の寺」。向島の別宅で独り余生を送る、根岸肥前守の叔母上を訪ねた新八郎は、弘福寺の境内の寒椿の前で、京極家の若殿と供侍を見かけます。蔵前の札差板倉屋の離れで、旗本の本庄新兵衛が殺されていました。出戻りの女をめぐる相克の背景に、鞭打たれた寒椿がぽとりと落ちるイメージが浮かび、秀逸です。
第4話「桜草売りの女」、取り替えられた子供が異なる境遇で育ちます。再び出刃の話ですが、善良な落合清四郎が良い味を出しています。
第5話「青山百人町の傘」、大奥で羽振りの良い妹を持った奥方に頭の上がらぬ組頭は、秋山長三郎をほめますが、本人は行方不明の前妻・露路を探しており、住居は異様なほど荒れています。露路が内職で作った傘には、蛇の目の隠し印がついていました。これも、いくら上役とはいえ弱気に過ぎるんじゃないでしょうか、秋山さん。
第6話「奥右筆の用人」、上野寛永寺の大灯篭に寄りかかった形で初老の武士が死んでいるのが見つかります。キノコを食べた家がどこか、知られたくなかった気持ちはわかりますけれど。
第7話「墨河亭の客」、正月早々に向島の隠居所を訪ねた新八郎、墨河亭という高級料亭の噂を聞きます。オランダ渡りのネズミ取りの毒が使われたらしいのですが、かわいい娘を守ろうとしたにしては、武士のやり方ではありませんね。

なんだかなさけない男の話が多くて、いま一つピンと来ないのですが、とにかく第7巻まで来ました。「寒椿の寺」が一番印象に残ります。
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「はやぶさ新八」氏はなぜあんなにモテモテなのか

2006年08月18日 21時55分08秒 | -平岩弓技
平岩弓技さんの『はやぶさ新八』シリーズでは、主人公はやぶさ新八氏は、お鯉さんはじめ、新妻の郁江さん、小かんなど、実に多くの女性に心を寄せられます。なぜにあれほどモテモテなのでしょうか。

先日、その理由に思い当たるものがありました。平岩弓枝さんは、実は様々な女性を描きたいのだ。それには、都合よくモテモテの男性が必要です。ストーリー展開上、同一人物の方がなにかと楽でしょう。たぶん、それでああなっている、のではないかと思いますが、違うかな?
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