プラチナ社の古典ブルーブラック・インク専用としている廉価万年筆プレッピー(Preppy)のインクが切れましたので、先に導入していたインク・コンバータで補給(*1)しました。なかなか快適です。字幅は0.3mmと表示されており、パイロットのプレラ透明軸の細字(F)よりは太く、老眼の中高年には、プレラ青軸の中字(M)と同じくらい鮮明に見えます。決して繊細過ぎる細さではありません。
実は、昨年から今年にかけて、廉価万年筆に色々と手を出し、たくさんの種類が手元に集まってしまいました。複数の万年筆を均等に使うことは現実的か、などという疑問を記事(*2)にしたりしておりますが、やはり手が伸びるものとそうでないものとが出てきます。ペリカンの400Nは、徹底的に水洗いして現在は休暇中で、メインに使っているのはパイロットとウォーターマンですが、近頃はこのプレッピーの出番が多くなっています。その理由は?
実は、嵌め合わせがカチッと快適なプレラの、インクの自然乾燥がやっぱりはやい(*3)ように感じられてなりません。透明軸に「紺碧」を入れたものなどは、細字でそれほど使用頻度は多くないのに、いつの間にかインク量が半分くらいに減ってしまっています。透明軸なので、よけいに目立ちます。青軸プレラも、インク残量がほぼゼロになっています。これは、インクを補充した時期の違いと筆記量によるものですが、尻軸が不透明なので目立ちにくいものの、あれいつのまに、という感じで減ってしまっています。むろん、これはパイロットのコクーンもカスタムもウォーターマンも同じこと(*4)で、万年筆の自然乾燥の度合いは五十歩百歩でしょう。
この点、超安価な製品なのに、プレッピーは立派だと感じるようになりました。軸の材質に疑問(*5)はありますが、スリップシール機構のおかげでしょうか、いざ使おうという時にインク量が減っていて、ということがありません。実はプラチナ社の古典ブルーブラックインクを試すためにコンバータも購入したのでしたが、これならば同社の本格的な万年筆をメインにして使ってみてもいいかな、と思い始めました。どうやら、プラチナ万年筆のスリップシール機構というのは、ボールペンにおけるジェットストリームの登場のような、万年筆における本質的な改善ポイントのようです。
(*1):プレッピーにコンバータで古典ブルーブラックのボトルインクを使ってみる~「電網郊外散歩道」2013年6月
(*2):複数の万年筆を均等に使うことは現実的か~「電網郊外散歩道」2012年9月
(*3):インクの減り方の違いはどこに~「電網郊外散歩道」2013年5月
(*4):万年筆の乾燥を防ぐためには~「電網郊外散歩道」2013年7月
(*5):プラチナの超安価万年筆プレッピーの弱点~「電網郊外散歩道」2012年9月
【追記】
スリップシール機構というのは、同社の#3776シリーズのようなネジ式のものの名称なのかもしれません。由来を調べてみたら、このプレッピーのキャップは、マーカーやサインペン等の乾燥防止のためのものを転用しただけで、偶然にも一年間放置したプレッピーがそのまま書けたのに驚いて、スリップシール機構の開発が始まった、とありました。その意味では、プレッピーのキャップをスリップシール機構というのは適切ではないのかも。でも、たしかに原点になったものではあるようです。瓢箪から駒、かな。
実は、昨年から今年にかけて、廉価万年筆に色々と手を出し、たくさんの種類が手元に集まってしまいました。複数の万年筆を均等に使うことは現実的か、などという疑問を記事(*2)にしたりしておりますが、やはり手が伸びるものとそうでないものとが出てきます。ペリカンの400Nは、徹底的に水洗いして現在は休暇中で、メインに使っているのはパイロットとウォーターマンですが、近頃はこのプレッピーの出番が多くなっています。その理由は?
実は、嵌め合わせがカチッと快適なプレラの、インクの自然乾燥がやっぱりはやい(*3)ように感じられてなりません。透明軸に「紺碧」を入れたものなどは、細字でそれほど使用頻度は多くないのに、いつの間にかインク量が半分くらいに減ってしまっています。透明軸なので、よけいに目立ちます。青軸プレラも、インク残量がほぼゼロになっています。これは、インクを補充した時期の違いと筆記量によるものですが、尻軸が不透明なので目立ちにくいものの、あれいつのまに、という感じで減ってしまっています。むろん、これはパイロットのコクーンもカスタムもウォーターマンも同じこと(*4)で、万年筆の自然乾燥の度合いは五十歩百歩でしょう。
この点、超安価な製品なのに、プレッピーは立派だと感じるようになりました。軸の材質に疑問(*5)はありますが、スリップシール機構のおかげでしょうか、いざ使おうという時にインク量が減っていて、ということがありません。実はプラチナ社の古典ブルーブラックインクを試すためにコンバータも購入したのでしたが、これならば同社の本格的な万年筆をメインにして使ってみてもいいかな、と思い始めました。どうやら、プラチナ万年筆のスリップシール機構というのは、ボールペンにおけるジェットストリームの登場のような、万年筆における本質的な改善ポイントのようです。
(*1):プレッピーにコンバータで古典ブルーブラックのボトルインクを使ってみる~「電網郊外散歩道」2013年6月
(*2):複数の万年筆を均等に使うことは現実的か~「電網郊外散歩道」2012年9月
(*3):インクの減り方の違いはどこに~「電網郊外散歩道」2013年5月
(*4):万年筆の乾燥を防ぐためには~「電網郊外散歩道」2013年7月
(*5):プラチナの超安価万年筆プレッピーの弱点~「電網郊外散歩道」2012年9月
【追記】
スリップシール機構というのは、同社の#3776シリーズのようなネジ式のものの名称なのかもしれません。由来を調べてみたら、このプレッピーのキャップは、マーカーやサインペン等の乾燥防止のためのものを転用しただけで、偶然にも一年間放置したプレッピーがそのまま書けたのに驚いて、スリップシール機構の開発が始まった、とありました。その意味では、プレッピーのキャップをスリップシール機構というのは適切ではないのかも。でも、たしかに原点になったものではあるようです。瓢箪から駒、かな。