さてこの『クリフォード訪琉日記』の翻訳部分はわかりやすく面白いのですが、それと本の冒頭に紹介された挿絵の画像の綺麗な仕上がりですが、何より圧巻は原稿用紙にして100ページに及ぶと推測できる浜川さんの解説です。19世紀冒頭から琉球王国衰亡にいたる東アジアの状況、アジアへの帝国主義的野望を持ったイギリスの視点や動向、そして琉球側の視野や対応など、読ませます。朝鮮・中国への野望をもって始まったアヘン戦争も起こります。清の近代化・機転の遅さはイギリスに振り回されることになります。そして琉球王国の運命もまた翻弄されていきます。 . . . 本文を読む