大城ナミさんは、2003年にインドのジャイプールで開催されたIFTR国際学会で出会ったインド舞踊の大家でかつPhDの基調講演者を思い起こさせる。研究者であり優れた舞踊家のその方は、直にお話しする機会があり、「日本の着物がタイトで、身体を帯びでしっかり縛っているのは、規律性が高い文化を象徴しているね」と話した。対してインドの民族衣装、サリーはもっと水のように自由だと~、文化の違いをこのように話した . . . 本文を読む
評判の芥川賞を読みたくて、いつものように文藝春秋を購入したが、値段がまた上がっている。 また休刊から32年ぶりの『新沖縄文学』も買った。兼島拓也の戯曲「花売の縁オン(ザ)ライン」が読みたかった。実演の舞台で曖昧だった点が明快になって良かった。ザックリ部分的に読んだ印象は、彼の感性はすごい、と言える。 もう少しじっくり読んで、舞台の記憶をたどりたいが、森川の子の人物造形と、当時の時空、人間関係性、そ . . . 本文を読む
喜納さんは世界的に「花」でよく知られている。特に「ハイサイおじさん」は甲子園の応援曲として、若者にも親しまれている。 昨今、喜納さんの壮大な、神話のような詩編に、全ての武器を花にと訴える詩人の感性のスケールさを感じている。 昨今、若い頃のコンサート動画を観て改めて、喜納昌吉さんの先駆性に驚いた。何気なく聞いていた「ハイサイおじさん」だが、その歌詞を吟味すると、川田さんが紙面で書かれているように、戦 . . . 本文を読む
第二次、第三次保持者の古典から雑踊りまで、演目は8日と重なる踊りもある。地謡は、沖縄タイムス系と琉球新報系に分かれている。 保持者の皆さんはそれぞれに家元や会主、各流派の顔の方々ゆえに、裾野の広い琉舞界のいわばトップである。 それゆえに、会場は幾分緊張感が感じられた。将来この中から人間国宝が誕生するのである。 一人舞は、全てが試される怖い舞台に違いない。全身全霊、それは舞踊家の個々の人生、現況の体 . . . 本文を読む
さし草工房joyで食事して、それから桜を愛でる予定で3人で出発。ナビで全国を走り切ったNさんがご一緒だった。避寒のため2ヶ月ほど那覇に滞在している還暦を過ぎた方。逞しい。 南部は、道路が複雑で、新しいバイパスもあり、慣れないので戸惑ったが無事さし草屋の可愛らしいレストランに着いた。安堵した。小雨は降っていた。暖かいさし草茶を飲みながら、初対面のお喋りを楽しんだ。Nさんを紹介してくださった八代子さん . . . 本文を読む
宜野座村ガラマンホールはなぜか「沖縄芝居研究会」の定番の舞台公演になっています。疑問は、村出身の芸能達者の方々が演じていた「沖縄芝居」がいつのまにか姿を消しました。「宜野座村文化のまちづくり」委員会は、村の芸達者な方々をなぜ応援し、名護市民劇や仲尾次 のように、ウチナーグチの継承もかねて舞台で上演できるような体制に持っていかないのでしょうか。疑問です。 宜野座は村踊の盛んな地域ですが、沖縄芝居は、 . . . 本文を読む
寡占企業のように、前国立劇場おきなわ芸術監督の嘉数道彦さん、現芸術監督金城真次さんたち一行がプロデュース公演のように、独占している。 この傾向は気になる。4つの1月から3月までに沖縄芝居公演のチラシを紹介したい。まずは「東り立ち雲」です。以前の役者の迫力がないのです!役者が身体的にも小さくなってしまいました。不思議です。以前より身体は高くなっているはずなのですが、真喜志康忠さんのような、男気のある . . . 本文を読む
具志さんの感性、才能のきらめきが、舞台奥に設置されたオーケストラの人数の多さに象徴されていた。優れた古典や民謡の演唱者、演奏者が並んだ。音曲や歌の魅力が、この独演会を特別なものにした。具志さん作詞作曲の音楽が流れ、自ら踊るという作品もあり、多才な実力と舞踊、演技が繰り広げられた。 歌と音曲が暗転の時も絶えず流れた舞台は、それだけで心地よかった。舞踊に振り付けられた地謡の演唱と音曲もまた「チチグトゥ . . . 本文を読む
(玉城政子さん、吉田妙子さん)昨日の11日、来賓挨拶者の現役俳優吉田妙子さんと高速道路を突っ走った。 妙子さんは体調が万善ではなかったが、挨拶は、この間のキャリア故にウチナーグチも織り込んでとてもちちぐとぅ(聞いて快い話)だった。 祝宴の主は玉城政子さん!元「ときわ座」のつれあい、風格の良かった芝居役者玉城健さんと共に、主役を演じて来た方だ。20代の頃の彼女は美しい。1960年当時、平良とみさ . . . 本文を読む
(29年前に上演された琉球史劇「東り立ち雲」のチラシ兼パンフ。当時はまだ生粋の芝居役者の顔触れが見事だったのだ!現在史劇を演じる役者は心もとない。かろうじて一部の組踊保持者や伝承者、舞踊家、沖縄芝居研究会の演者が目立っているが、昔日の存在感は出せないままだ!30年の空白の中で芝居が衰退していったことが如実に感じられる。50代から70代の役者が希薄で、いきなり40代、30代の登場である . . . 本文を読む