85歳で他界した父の顔が浮かんできた。同じく母の顔も〜。ヘッセは、1962年、85歳で他界、その後も作品は世界中で読まれている。 作家の人生をなぞるように読み始めた。友人に紹介されて以来気になっていた書籍。文庫本。詩篇と、エッセイ、写真が織り込まれている。 詩は直喩で胸を突く。短いエッセイは、確かにそうだと似た感慨を覚えたりしている。 まだ半分を読んだばかり、週末に読み終え、感想をまとめたい。紹介 . . . 本文を読む
確か、2015年に京都からパートナーのFritzと共に奥の細道のルートを6日間旅した美代さんでした。それが芭蕉に対する深い敬愛の念と共に、自らの解釈で『奥の細道』を翻訳するという意気込みに支えられていることを何となく感じても、彼女の深いコミットメントまでよく知りませんでした。 ようやくドイツの出版社から出版されたのですが、専門書なので、高いです。76ページで63ユーロです。9,851円。簡単に手が . . . 本文を読む
最近ローカルの新聞を読まなくなって、身近なニュースにも疎くなっている。いわば、メディア不信の鎖国状態で気が付かなかった。収録された全作品を読んでいない。ぜひ読まなければ~。言葉とアクションにぶれがない、沖縄の島魂のような小説家の峻厳さに心打たれる。魂魄の道 単行本 – 2023/2/3目取真 俊 (著)単行本¥1,980ヤマトゥでの出稼ぎ先で、主人公は偶然、沖縄戦のさなかにス . . . 本文を読む
この特集を見ると、沖縄文学の中に戯曲(演劇作品)が含まれていないのが、片手落ちに見えます。シェイクスピアの戯曲は文学には入らないのだろうか?大城立裕は小説を書き、エッセイを書きそして沖縄芝居脚本を書き、晩年は詩劇(新作組踊)を20編以上書き上げました。詩劇作品の全部が上演されているわけではないのですが、作品は読めます。 この特集を組んだ方々のセンスの古さを、鈍さを感じます。演劇作品はけっこう秀逸な . . . 本文を読む
このブログでもすでに紹介した謝名元さんの脚本集である。ラジオシナリオが面白く引きこまれた。戯曲とも異なるラジオなどのシナリオの面白さを感じた。演劇台本とラジオドラマにした台本の違いにハットさせられた。それぞれに独創的な味わいがあることに驚いた。 芸能・文化<書評>『作品集 ファインダーの中の戦場』 戦争に翻弄される人々描く2023年3月5日 15:00<書評>『作品集 ファインダーの中の . . . 本文を読む
茂木仁史さんと古波蔵ひろみさんの博士論文を軸にした書籍である。意外と安い。手ごろに手に入る値段はうれしい。専門書は高いが舞台公演のお値段で入手できる。 <書評>『首里城の舞台と踊衣裳』 琉球芸能 多角的視点で考察 尚家文書の公開などにより、近世琉球から近代にかけての歴史学における研究成果が多く蓄積されている。琉球芸能研究でも、冠船芸能を上演における準備過程や組踊に関する...琉球新報デジタル&nb . . . 本文を読む
戦時中の沖縄県内の慰安所については、沖縄の女性たちによって掘り起こされ、県内の市町村史の中にもしっかり記録されている。その詳細は深められるべきで、慰安所に連行された女性たちについても、沖縄内で秘匿されている部分まで切開されたらいいと考えているが、微妙なグレーソーンがあるようだ。それが、第三者の視点から、ぐさりと切り込める視点から真実が明らかにされる可能性がある。 この書籍はそのような、沖縄の女性史 . . . 本文を読む
家族関係の小説には目がない友人が、これ面白そうだから読んでみてね、と先日手渡してくれたのが『父の庭』だった。最近「庭物語」の詩を連作で書いていて、それも習作に近い出来栄えで、詩誌に掲載して後からも訂正したい箇所がちらほらの状態の新人「詩誌同人」の昨今である。言葉を練り上げ、遂行することの大変さを年を食った今頃痛切している。さて『父の庭』は63歳の若さで他界した父親の死を悼み、その敬愛する父親の死後 . . . 本文を読む
ラジオドラマは時々車を運転中、NHKFMから流れてくる物語を聞いているぐらいだが、意外と惹きつけるという事はわかる。時に時空間が煩雑で起承転結があいまいなところがあるなー、もっとディテールが知りたいのに、そこは想像で埋めてくださいのスタイルでもあるような印象をもっている。謝名元さんのこの分厚い『ファイダーの中の戦場』はラジオドラマの脚本と戯曲だが、読みやすく、中に没入させる魅力があることが分かった . . . 本文を読む