なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

キリのないキリの話

2021-05-21 05:23:28 | 植物

この季節になると「あ~ここにもあったんだ」と気付く木。
でも背が高くて「花が撮れな~い」と嘆く木。
さて、何でしょう。







は~い、キリ(桐)ですね。キリ科キリ属。
今回、3か所で美しく咲いたキリの花を見かけ、写真が撮れたので一挙大公開~
上の3枚はお散歩コースの山科川にほど近い公共施設の庭で咲いていたキリの花です。
たまたま歩道より下に咲いていたのでバッチリ撮れました。
(結構大雨降ってたので、雨も一緒に写っています)

お次はいつもの宇治川で!
え?どこにあるのって?
左下の方に、紫色の花を付けた木が見えますか? これがキリです。


工事のフェンスがあるのでちょっと無粋ですが、花は綺麗です。
ビロードのような黄土色の蕾を覚えておられるでしょうか。
ここからこんな風に咲くんですね。




キリは日本全国どこでもあるので、てっきり自生していると思っていましたが、大分・宮崎の県境にしかみられないそうです。
ではなぜ津々浦々で見られるかと言うと、植栽されたものが野生化したようです。
キリは成長が早いので、昔農家では女の子が生まれたらキリの木を植え、その子がお嫁に行くときに箪笥にして持たせた・・・
というのは有名な話。
今でも農家には見上げるような大きなキリの木が残っていることがあります。
なぜ箪笥にしなかったのか(できなかったのか)、ちょっと気になります。
箪笥にする費用が捻出できなかったのか、娘にそんなの要らないと言われたのか、お嫁に行けなかったのか・・・
キリの数だけドラマがある・・というのは言い過ぎでしょうか。
単に勝手に生えてきただけだったりして・・・

このように、キリの材は軽く、狂いが少ないので、家具や下駄に利用されます。
特に、燃えにくいという性質があるため、火事の多かった江戸時代に、「担いで逃げられる」ということで重宝されました。
金庫の内張などにも使われるそうです。

こちらはやんたんで見かけたキリの木です。
明らかに勝手に生えてきた感じですね。

花はゴージャスですね。雌雄同株。


そうそう、桐の花は、日本国の紋章にも使われています(五七の桐)。
(パスポートにも書かれていますね)
豊臣家の家紋も桐の花です(五三の桐)。
昔から神聖な花と言われていたのがよく分かります。


書いても書いてもキリがないので、この辺で・・・
植物的な記録はまたいつか頑張ります。


【撮影:いずれも5月上旬 京都市、宇治市、宇治田原町】

コメント (14)
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