最近は殆どの家猫が"完全室内"暮らしになっているようです。「外は危ない」「他人迷惑」などの理由で役所やネットの専門サイトがそう勧めているからです。もちろん安全は大切ですが、猫が自然に触れることも同じくらい大切なんです。猫は環境変化への順応性が高いので、長い家猫暮らしで外に出たいと言わなくなります。だから大丈夫と言うサイトも多いけど、実は諦めて我慢しているだけなんですね。(参照:過去記事「自然に抱かれて」)
自分も"外飼い"はお勧めしません。やはり外は危ない。なので猫の好きな(新鮮な)雑草を家に取り込んで数ヶ所に置いたりしています。またリードを使いこなせるようになった猫は、外に出して自然に触れる機会を設けています。ハナ、テツ、くものかつての3匹組がそうだったし、今ではニャーとテンちゃんが外の世界を満喫しています。(参照:過去記事「三匹揃って猫散歩」)
本ブログでは、リードをつけて外散歩する猫の話がたくさん出てきます。
でも、元ノラの保護っ子たちは概してリードがお気に召さないようで(つまり苦手)、結局外に出すのを諦めてしまう。今のわが家の子たちは、2匹を除いてリード練習を挫折しました。折をみて練習を再開しますが、果たしてどんな状態が"合格"なのか、またリードで外に出すときの気遣いや注意点をまとめてみました。 尚、本記事の内容は自分の独断によるもので、必ずそうだと保証するものではありません。
最近店に立ち寄ったときのニャー
店でのテンちゃんはリードを感じさせない落ち着きぶり
かつての3匹(ハナ、テツ、くも)はリード散歩がご近所の評判に
猫をリード付で外に出せる状態というのは、逆に外に出したときのリスクについて考えてみるとわかり易いです。そのリスクを挙げてみると:
1.リードそのものを嫌がって外そうとする(首輪抜け)
2.リードが行動の邪魔になったり行動を制限されてイラつき、外そうとする
3.リードが障害物に絡まって身動きとれなくなる
4.危険が近づいても逃げられない(人、自動車、他の猫など)
5.4の結果パニックになって暴れる
6.その他誤飲誤食など普通の外猫と同じ
当家でも、かつてテツが車に轢かれそうになったり、他所猫が襲って来たこともよくあります。(テツは車が来て道路の向こう側に逃げようとしてリードで動けず、パニックになった。) 外猫の来襲は庭に繋がれたニャーが何度も経験しています。上記項目のうち3~6はリードで外に出す時に注意する問題。でも1と2は、これがある限り外に出すことは出来ません。
ニャーやテンちゃんのようなベテランはリードで外にいるとき、まず普段と同じように落ち着いています。リードが動きの邪魔になると、さりげなく手や足を上げて身体の外に回します。リードが張ってそれ以上行けなくなると、何気に諦めて別の行動に移ります。たまにリードが外れちゃったときがあっても、暫くはリードがあるときと同じ行動をとる。要するにリードのことを意識してないのです。
まず家の中でリードの練習をします。幼いときから家にいる猫はリードに慣れるのも早い。ハナ、テツ、くものときは殆ど苦労しませんでした。テンちゃんは保護したときかなり弱っていたので、回復の過程でもうリードをつけていた。ニャーは結構練習しました。まずは家で、それから首輪を(抜けないように)きつくして外デビュー。当初の1,2ヶ月はずっと付き添いました。そのうちかつての3匹組同様に慣れてきたので、今は首輪も広めのままです。
ニャーのリード練習風景(外デビュー)
ニャーのリード練習風景(まだまだぎこちない)
リード装着時でもゆるゆる首輪のテンちゃん(今はニャーも同様です)
ハーネスも検討したが"伏せ"の状態で動かなくなった
では、外に出すときに注意すべき点を挙げてみると;
1.基本は自分が付き添うか、繋げて独りにする場合でも10分置きくらいにはチェックする
以下繋げるときは
2.外に出していることを忘れない
3.自分の目の届く範囲内で繋げる
4.障害物の多いところは避ける
5.自動車や自転車の通り道には決して届かないように繋げる
6.猫の動きを予測して危険なところは避ける
7.簡単に外れたり動いたりしないところに繋げる
やはり繋げるときは、自宅の庭など少しでも安全なところにすべき。6については、例えば塀の上から向こう側に下りたりすると、リードの長さが足りず首吊り状態になったりする。これは首輪が抜けても抜けなくても大変危険なことです。一方テンちゃんには、繋がれていた大きめのラックを倒したり、鉄製のS字フックを伸ばして外して(モドキを)追いかけたりと武勇伝がたくさんあります。
写真の門袖の向こうは花壇で高くなっているので大丈夫
でも、下りるとき門の柵にリードが引っ掛かって首を吊ったことも
大事なことは猫との信頼関係が十分にあって、猫が落ち着いていることです。それでも不意に何かが来たりとか、避けられない不測の事態は起こります。でも慣れてくれば、不測の事態が予測可能になる。そして備えることができるのだと思います。
つまりリードの練習というのは猫が練習するだけでなく、保護者自身も勉強や経験の積み重ねを通して成長しなければならない。なんて難しそうだけど実はそうでもない。愛猫を大切に思う気持ちと、愛猫が今何してるのかと慮る気持ち、それだけです。何より、それですっきりした感じになった猫ちゃんを見れば、本当によかったなと思えてくるのです。
わが家にはまだまだ外に出れない連中がいます。そんな連中は外にいるニャーを羨ましそうに見ている。こっちも諦めずに、リードの練習はこれからも続けていく予定です。以下に、それぞれのリード練習風景を添付しました。
リード練習中のみうは断固拒否の姿勢を崩さず
ちび太は店時代に練習したが、落ち着きがなくてダメだった
リードが椅子に絡まって動けないイエチビ
R直前のリンはリード付で子供たちに再会した
リードをつけただけでパニックになったシロキ