今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

弱り足テンちゃん

2017年06月09日 | (故)テン
このブログにはいろんなニャンコが登場します。彼らの生き様をもっともっと伝えたくても、順番を回すのに時間がかかってうまくいきません。ちょっと面白いエピソードがあっても、書くのを待っていると冷めちゃって結局お蔵入りとか。

じゃあもっと(頻繁に)書けば? とか言われればその通りなんですが、トシがトシでして、それにお店に厄介になっている身分としては気遣いだの何だので結構忙しいんです。もちろんそんなオジンの世迷い言(ノラ救済)を理解してくれているお店の人たちには感謝感激雨あられ。

てなことで、これからは気になっていることを優先して書くことにしました。
今日はさっそくテンちゃんです。つい先日の記事で「達者です」と言い切ったばかりですが、実は気になっていることがありまして、まあ自分自身に対する警告も込めて書いています。

            
               ただいま日陰で休息中

気になっているのはテンちゃんの脚力低下。体力そのものが低下しているのかもしれません。理由は明白。何しろ狭い部屋とリード付の生活、運動不足が歴然なのです。かつて体調が戻った当初は、軽々と机に飛び乗り、さらにロッカーに飛び乗り、ロッカーからロッカーへと空中を飛び跳ねていました。

今はどうかというと、昼も夜(多分)も一日中寝そべっています。最近では、散歩に出ても歩こうともせずにその場にドテッ。日向だととりあえず日陰まで歩いてドテッ。とにかく何があってもドテッ。

            
        裏の草場から(自分の事務所がある)店内を見つめる

事務所では机に飛び乗るのに一苦労。まず前足でしがみついて、後足でバタバタと(引き出しの辺りを)蹴ってよじ登ってます。そのときの顔が必死の形相で・・。いや笑えません、これは心配しなければいけない状況だと思うのです。

ニャーもそうですが、何だかニャンコってのは感受性が強いのか、リードを付けられると被拘束感を強く感じて厭世的になっちゃうんじゃないかと。今のテンちゃんは無気力これに極まれり、の感すらあります。

            
           自然の風に当たってのお昼寝が大好き
                (いつも寝てるくせに)

さてさて、こんなことでいいのでしょうか。
果たしてテンちゃんは幸せだと言えるのかどうか。
動く必要がないから寝てるのであって、これは安心安全のなせる業だ。ニャンコはもともと怠惰な動物だから、厭世的だなんてとんでもない、むしろ幸せいっぱいなんじゃないかと。

逆に、やはりリード付じゃかわいそうだから、せめて野に放って自由気ままに暮らさせたら、と考える人もいる。テンちゃんが求めてきたときだけお世話する考えだ。かつてニャー、シャッポ、チビがそうだったように。

いずれにしても、テンちゃんにその判断はできない。
保護者にしかわからない情報があるからです。それは、もしかしたらテンちゃんのエイズが発症するかもしれないこと(今は軽い口内炎)、それに疥癬がいつ再発してもおかしくないこと。テンちゃんには不本意かもしれないけど、保護管理下にないとまっとうな生活ができなくなる可能性が高いのです。

だから、テンちゃんを自由にする選択はありません。本人(猫)と一緒に保護者も悩んで、悩んで悩んでよりよい生活を送るしかないのだと思ってます。ニャンコの保護者になること、それはひとつの命、そしてひとつの人生(猫生)を預かること。だから悩む。でもどんなに悩んでも、ニャンコはそれを補って余るほどの癒しをもたらしてくれるのです。

            
          最近のテンちゃんの居場所はドア横のサブ机


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テツとの対話 その10・君の忘れ形見だね

2017年06月07日 | (故)テツ 
やあテツ、早いもんでまた6月が来た
1年前の今頃、お前と随分歩いたよなぁ、深夜の散歩
それまで寝てばかりだったお前があんなに遠くまで
突然の変化に驚いたけど、でも楽しかった

IBDという病気には最後の一花があると言う
お前が逝ったのもその3ヶ月後
でもあれは、そんなんじゃないと思うよ
ほんの3週間ほどの間だったけど
神様が我々にくれた最後のプレゼントだったんだ


テツ12歳、まだ精悍なスタイルを維持

えっ? ニャーかい? もちろん元気だ
お前に似て賢いヤツだよ
お前みたいに人間っぽくはないけど
察しがよくて聞き分けがいいから飲み込みが早い
でもな、相当我慢を重ねているはずだと思うよ

ああ、わかってる
みうとニャーのことが心配なんだな
報告もしてなかったけど、お前はずっと見てるもんな
でも改めて、お前の忘れ形見は無事に家族の一員になった
約束を果せて一安心だ


夜散歩の頃は食べっぷりも豪快、食い意地が張っていた

ただ、今の状態は、はっきり言って試練だな
ニャーがみうを追うのは狩りの本能
みうが怖がればますます追う
ニャーは怒られるってわかっているけど、本能には逆らえない
みうが怖がらなくなるか、ニャーが諦めるか

今のところどっちも難しそう
でもな、こんなときは焦らず騒がず、じっくりじっくりだ
みうは怖くても自分からニャーに近づくこともあるし
ニャーは人の前では我慢できるようになった
二匹ともいい子だから、きっと大丈夫だと思うよ


ハナとくもを立て続けに失って黄昏るテツ

それにしても、お前たち三匹は本当に仲が良かったな
ちょっかい出したり出されたり、そして怒ったり怒られたり
だいたいお前が怒られる方だったけど
それ以外にお前たちの喧嘩ってものを見たことがなかった
三匹で外にいるときノラが来ても、直ぐにハナが追っ払ったし

ご飯はいつも奪い合い
でも奪われても怒りもしないで相手の分を食べに行く
結局交換と同じことで、交換したのをまた交換して
いやあ本当に仲のいいことだった


三匹食事風景・いつも他のお椀が気になって・・

ニャーとみうはお前たちと違って
この家に来たときはすでに人格(猫格)ができていた
人間だって、赤の他人がいきなり共同生活始めるってのは大変なもんだ
お互いプライドだってあるしな

テツよ、みうは最近あのベッド下によくいるよ
そう、お前が強制給餌を嫌って逃げ隠れたあのベッド下だ
あそこにはまだお前の臭いが残ってるだろう
みうも、お前を思い出しているかもしれないな

大丈夫、お前の忘れ形見に後悔はさせないさ
ニャーも賢い子だから、きっと新しい生活に順応する
お前が見守ってくれてるしな

試練は雨
雨降って地固まる、だ


思い出に耽る?ことが多かった晩年


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2017年06月05日 | (故)くも
騒動の後は私の部屋で暮らすことになったみう、まだまだ警戒心の塊ですが、たまにベットの上でくつろいでいる姿が。そんなみうを見ていると、やはり私の部屋を根城にしていたくものことを思い出します。

雲・・・いつもひらがなで書いてますが正式な名前は漢字の「雲」。子供たちが付けた名前で、その由来は写真を見れば一目瞭然。(色が雲) ハナより7才下、テツより2才下で、生まれて間もなく3番目のニャンコとしてわが家にやってきました。

          
         プレーリードッグスタイルが得意だったくも

くもは、自分(私)と接している時間が一番長かったニャンコだと思います。何しろ冬も夏も寝るときはずっと一緒だったので。家に来た当初はテツ同様にハナを慕っていたくもが、ハナと袂を分けて私の部屋で暮らすようになったのは2年ほど経ってから。それからくもは、その生涯の殆どを私のベットで過ごすことになるのです。

ただ、私の部屋は3匹が憩いの場としていたベランダや屋根への通り道。他の2匹も頻繁に出入りしたので落ちつかなかったと思います。袂を分けてもハナと仲が悪いわけではなく、食事はいつも一緒、トイレは結局、最後まで一つを3匹で共用していました。

          
   3匹の仲のよさに、当時はニャンコってそういうもんだと思っていた
             (左からくも、テツ、ハナ)

くもが10才を過ぎた頃は(17才になった)ハナがあまり2階に行かなくなって、♀ニャン2匹は食事とトイレ、そして散歩のとき以外は殆ど別々の暮らしとなりました。テツはその2匹の間を行ったり来たり。

          
           とにかくいつも私のベットにいたくも
            (フリーのテツが頻繁にお邪魔に)

テツが若い頃はくもにじゃれかかって追っかけ回すことがしばしば。そんなとき小柄なくもは子供部屋(今は空室)のベット下に逃げ込んだ。当時のテツは大きくて入れなかったけど、晩年になって激痩せし、強制給餌を嫌がって今度は自分が逃げ込むことに。実はこの場所、今はニャーに追われたみうが逃げ込んでいるのです。

くもは殆ど鳴かない静かな子でした。よく聞けばだみ声のくも。鳴くのはよほどお腹が空いたときか、(リードで)外にいて中に入りたくなったときくらい。テツにしつこく絡まれたときは「シャー」も。

そんなくもが、10才を越えて間もなく甲状腺機能亢進症という病魔に侵されてしまいました。この病気はやっかいで、初めは一見元気に見えたりしてなかなか気づき難い。でも確実に痩せていき、病気が進むと食べなくなります。くもは早めに投薬開始したがそのせいか今度は腎不全を併発、さらには重度の黄疸症状が。先生によれば肝臓にも問題があるとか。

晩年は薬漬けだったくも、でもいつも静かで柔和な表情で、目立たないけど傍にいるニャンコでした。くもが15才になってハナが亡くなり、1階に居を移した頃、低温やけどで両肘を負傷したことがあります。毎日殆ど動かずにホットカーペットの上にいたためです。病院で先生に言われるまで、やけどだとは思いませんでした。

          
     やけどと診断された痛々しい傷にもくもは無頓着だった

今にして思えば、その頃のくもはいつも物悲しい目をしていた。何か訴えたいことがあったに違いない。それに気づかなかった保護者は最悪だった。ハナが亡くなってから3ヶ月、くもは後を追うように逝きました。そして保護者の後悔が山のように残り、それは今でも続いています。

          
         くも、倒れて最後に入院する2日前の表情

ガリガリに痩せて入院してもなお、戻ってくると信じて疑わなかったアホ保護者。そんな保護者を責めるどころかいつもやさしい眼差しで見つめていたくも。病院で(結果的に)最後の対面となった折に、自分に気づいて力を振り絞って立とうとした。くもの意識はしっかりしていたのだ。でもその翌日の早朝、くもは独りで逝きました。後で宿直の先生から、夜中に何回か鳴いて立とうとした、と聞いた。帰ろうとしたんじゃないかと。

          
       「頑張れよ、また明日ね」と声をかけたのだが・・

くもはその名のとおり、これまでの私の人生における15年分を、浮雲が流れるが如く通り過ぎていったニャンコでした。



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甘えん坊テンちゃん

2017年06月02日 | (故)テン
ゴジラ顔に怪獣声、しかもエイズキャリア。
あまり客受けしそうもなかったテンちゃんが、最近は時としてお客さんに可愛がられている光景が。当初の予想が大きく外れた展開です。

最大の理由は、何と言ってもテンちゃんが甘え上手なこと。かつては保護者と蜜月の時代もあったんだろう、とスタッフ一同推測していますが、もしテンちゃんが純粋なノラで甘え方が天性のものだったら、恐るべしテンちゃん、と言う他ありません。

          
        膝の上で目一杯かわい子ぶりっこのテンちゃん

テンちゃんはリード付きの生活になりました。暑くなったこの時期は事務所を開放するので、部屋の中外行けるように開けたドア付近に繋がれています。夜と冷房運転時は中にいますが、長時間の冷房部屋は避けて屋外の日陰にリード付で避難。(リードの長さは3m。)

リードで外に繋がれているときは、人が来ると(保護者でさえ)逃げようとしてパニくります。自分が拘束されていることを自覚しているのでしょう。でもゆっくり近づけば大丈夫。コツを覚えたお客さんに撫でてもらうと、すかざずスリスリにグリグリそしてゴロンゴロン。膝の上に乗せてもらったり抱いてもらったときは、自分から姿勢を修正してすっぽりはまった形に。

いやはや、あのギャオギャオの怪獣声まで可愛いとか言われて。人間でもニャンコでも、得なんだなあ、甘え上手っていうのは。

          
           この手つきがたまらなく可愛いとか

          
            人の手や腕を枕にするのが大好き
             (こっちは仕事にならんけど)

          
           パレットの上でデレデレのテンちゃん

最近のテンちゃんはあまり鳴かなくなりました。穏やかになったと言うか覇気がなくなったと言うか。これが手術によるものなのか、狭い部屋とリードの生活のせいかはわかりません。食事の量も少し減りました。手厚い加護の代わりにテンちゃんが失ったものは"自由"です。でも、テンちゃんにはそれを比べる術もなく、いつの間にか新しい生活に馴染みつつあるのでした。



テンちゃんは達者です。
そしてリード付の生活という、新しいニャンコ道を開拓中です。

          
       人がいなくなると、少しでもぬくもりのある場所に


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