「カラヴァッジョ展」見学会&イタリアンランチの会・総会を開催しました(2016.3.6)@国立西洋美術館
お天気に恵まれた3月6日(日) 8名で行ってきましたカラヴァッジョ展!!
カラヴァッジョが大好きなサークルの先生も来てくださり 私も「芸術新潮 カラヴァッジョ特集号」や映画「カラヴァッジョ・天才画家の光と影」DVD等で入念に(?)準備をして サークルの皆さんにプリントを配るなどせっせと下準備して当日を迎えました (今年は150周年で特に展覧会が多くて行くのも大変...?)
* * *
400年ぶりに発見されたカラヴァッジョの「法悦のマグダラのマリア」(1606年、個人蔵)の前に立ち しばし動けなくなりました これは彼が35才の時に 死刑判決が出てマルタ島へ逃げる少し前に描いたもので 客死したポルト・エルコレのボートの中で見つかった作品のひとつです。(最後まで手元に置いていた作品なのですね...)
このマグダラのマリアの表情といい涙といい 彼の人生を反映させているような気もする暗い絵に惹きこまれてしまいました
詳しくは こちら
Ⅰ. 風俗画: 占い、酒場、音楽
ここでは例の「女占い師」がありました これは売れない頃に「聖母像」を描いたキャンバスを再利用して上から描いたことが のちにX線調査で分かったのだそうです
その隣にはカラヴァッジェスキのシモン・ヴーエ作「女占い師」もありましたが やはりカラヴァッジョの方が秀逸(*^^)
Ⅱ. 風俗画: 五感
「トカゲに噛まれた少年 (Boy Bitten by a Lizard)』そして『ナルキッソス』(共にパンフにある)が待っていました
Ⅲ. 静物
カラヴァッジョが遺した唯一の静物画 「果物籠」はなく パンフィロ・ヌヴォローネの「果物籠」がありました
カラヴァッジョの作品は「果物籠を持つ少年」(チラシ表紙)と「バッカス」でした この「バッカス」は3月13日まで開催中の「ウフィツィヴァーチャルミュージアム」(イタリア文化会館)でも展示されており 赤ワインの表面に彼の自画像が小さく描かれているというものです
Ⅳ. 肖像
画家はモデル代を節約するために自画像をよく描いたと説明がありました
カラヴァッジョの描いた肖像画としては 「マッフェオ・バルベリーニの肖像」があります
個人蔵で今回初めて来日! とても整った顔立ちです
また カラヴァッジョ自身も自画像を作品の中に多く描いてきました 特にメドゥーサとか ホロフェルネスとか...
Ⅴ. 光
ここでは彼のchiaroscuro(明暗)手法が紹介されています
「エマオの晩餐」(1606,ミラノ、ブレラ美術館) これは若い頃と後期に描かれたものと2枚あり その対比がとても印象的です
キリストと言わずに夕食に招き、途中でキリストと分かり驚く人々が描かれていますが 若い頃に描かれたものは 手の振りも大きく明るいのですが 死刑判決が下された35才で描かれたものは(1606年)バックが暗闇で(逃走資金獲得のためバックを黒くして早く仕上げたという説あり) 表現が内面化しています 人は変わる そして作品も大きく変わるのですね...
ジョルジュ・ド・ラトゥールの「煙草を吸う男」これは カラヴァッジェスキが 「光と影」を受け継いでいった中で「光源そのものを絵の中に描く」手法を使った絵です 他にも蝋燭等を描いた作品 生まれたばかりのキリストが輝く作品などもありましたね
Ⅵ.斬首
さてまずは「メドゥーサ」(個人蔵)が 楯に貼られて展示されていました!! (同じ作品が開催中のウフィツィヴァーチャルミュージアムにもあります)
主要な作品が個人蔵というのもなかなかスゴイですね... これは映画によると斬首の処刑シーンを見て影響を受けて描いたそうです リアルです...
Ⅶ. 聖母と聖人の新たな図像
「洗礼者聖ヨハネ」 そしてまた グエルチーノの作品 長崎のフランシスコ会福者たちの殉教を描いたタンツィオ・ダ・ヴァラッロの作品もありました
そして「エッケ・ホモ(この人を見よ)」これはチゴリとカラヴァッジョに競わせて描かせたその両方が展示されていました 彼はpentimento(描き直し)が多く それが真筆かどうかの判定の鍵となったそうです
そしてまたそこここに 史料として 刀剣の不法所持やパリオーネ裁判 食堂でのアーティチョーク事件(油かバターかでもめて料理人に乱暴を働いた) 借家等の1600年代当時の直筆の書類がありました すべてローマ国立古文書館所蔵のものです
そして終了後外にでて記念写真を撮り いつものお店 上野公園内の le quattro stagioniに行き 8名でナポリピザをいただきながらイタリアンランチ
自己紹介や近況報告のあとで総会 新年度の楽しい企画等をあれこれ相談してお開きとなりました~
新しい企画がヒラメクと昼夜を問わず夢中で考え続けてしまうので カラヴァッジョを通り越して来年のことを考えてしまい迎えた当日ですが どうにか無事に終わりホッとしています...
年齢と共に絵は変わるというのを特に感じた展覧会でもありました 初公開の「法悦のマグダラのマリア」が見られてよかったです
カラヴァッジョ展のお知らせは こちら
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お天気に恵まれた3月6日(日) 8名で行ってきましたカラヴァッジョ展!!
カラヴァッジョが大好きなサークルの先生も来てくださり 私も「芸術新潮 カラヴァッジョ特集号」や映画「カラヴァッジョ・天才画家の光と影」DVD等で入念に(?)準備をして サークルの皆さんにプリントを配るなどせっせと下準備して当日を迎えました (今年は150周年で特に展覧会が多くて行くのも大変...?)
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400年ぶりに発見されたカラヴァッジョの「法悦のマグダラのマリア」(1606年、個人蔵)の前に立ち しばし動けなくなりました これは彼が35才の時に 死刑判決が出てマルタ島へ逃げる少し前に描いたもので 客死したポルト・エルコレのボートの中で見つかった作品のひとつです。(最後まで手元に置いていた作品なのですね...)
このマグダラのマリアの表情といい涙といい 彼の人生を反映させているような気もする暗い絵に惹きこまれてしまいました
詳しくは こちら
Ⅰ. 風俗画: 占い、酒場、音楽
ここでは例の「女占い師」がありました これは売れない頃に「聖母像」を描いたキャンバスを再利用して上から描いたことが のちにX線調査で分かったのだそうです
その隣にはカラヴァッジェスキのシモン・ヴーエ作「女占い師」もありましたが やはりカラヴァッジョの方が秀逸(*^^)
Ⅱ. 風俗画: 五感
「トカゲに噛まれた少年 (Boy Bitten by a Lizard)』そして『ナルキッソス』(共にパンフにある)が待っていました
Ⅲ. 静物
カラヴァッジョが遺した唯一の静物画 「果物籠」はなく パンフィロ・ヌヴォローネの「果物籠」がありました
カラヴァッジョの作品は「果物籠を持つ少年」(チラシ表紙)と「バッカス」でした この「バッカス」は3月13日まで開催中の「ウフィツィヴァーチャルミュージアム」(イタリア文化会館)でも展示されており 赤ワインの表面に彼の自画像が小さく描かれているというものです
Ⅳ. 肖像
画家はモデル代を節約するために自画像をよく描いたと説明がありました
カラヴァッジョの描いた肖像画としては 「マッフェオ・バルベリーニの肖像」があります
個人蔵で今回初めて来日! とても整った顔立ちです
また カラヴァッジョ自身も自画像を作品の中に多く描いてきました 特にメドゥーサとか ホロフェルネスとか...
Ⅴ. 光
ここでは彼のchiaroscuro(明暗)手法が紹介されています
「エマオの晩餐」(1606,ミラノ、ブレラ美術館) これは若い頃と後期に描かれたものと2枚あり その対比がとても印象的です
キリストと言わずに夕食に招き、途中でキリストと分かり驚く人々が描かれていますが 若い頃に描かれたものは 手の振りも大きく明るいのですが 死刑判決が下された35才で描かれたものは(1606年)バックが暗闇で(逃走資金獲得のためバックを黒くして早く仕上げたという説あり) 表現が内面化しています 人は変わる そして作品も大きく変わるのですね...
ジョルジュ・ド・ラトゥールの「煙草を吸う男」これは カラヴァッジェスキが 「光と影」を受け継いでいった中で「光源そのものを絵の中に描く」手法を使った絵です 他にも蝋燭等を描いた作品 生まれたばかりのキリストが輝く作品などもありましたね
Ⅵ.斬首
さてまずは「メドゥーサ」(個人蔵)が 楯に貼られて展示されていました!! (同じ作品が開催中のウフィツィヴァーチャルミュージアムにもあります)
主要な作品が個人蔵というのもなかなかスゴイですね... これは映画によると斬首の処刑シーンを見て影響を受けて描いたそうです リアルです...
Ⅶ. 聖母と聖人の新たな図像
「洗礼者聖ヨハネ」 そしてまた グエルチーノの作品 長崎のフランシスコ会福者たちの殉教を描いたタンツィオ・ダ・ヴァラッロの作品もありました
そして「エッケ・ホモ(この人を見よ)」これはチゴリとカラヴァッジョに競わせて描かせたその両方が展示されていました 彼はpentimento(描き直し)が多く それが真筆かどうかの判定の鍵となったそうです
そしてまたそこここに 史料として 刀剣の不法所持やパリオーネ裁判 食堂でのアーティチョーク事件(油かバターかでもめて料理人に乱暴を働いた) 借家等の1600年代当時の直筆の書類がありました すべてローマ国立古文書館所蔵のものです
そして終了後外にでて記念写真を撮り いつものお店 上野公園内の le quattro stagioniに行き 8名でナポリピザをいただきながらイタリアンランチ
自己紹介や近況報告のあとで総会 新年度の楽しい企画等をあれこれ相談してお開きとなりました~
新しい企画がヒラメクと昼夜を問わず夢中で考え続けてしまうので カラヴァッジョを通り越して来年のことを考えてしまい迎えた当日ですが どうにか無事に終わりホッとしています...
年齢と共に絵は変わるというのを特に感じた展覧会でもありました 初公開の「法悦のマグダラのマリア」が見られてよかったです
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