「イタリア発!グラフィック・ノベルの魅力 オンライン対談:ロレーナ・カノッティエーレ×鵜野孝紀」にzoomで参加しました(2020.10.23)@イタリア文化会館
「日本でヨーロッパの漫画を広めるということは、南極のペンギンに冷蔵庫を売るようなもの!?」
日本のグラフィック・ノベル界でまことしやかに囁かれるちょっと皮肉めいたこの言葉。
漫画大国として日本の漫画は今や世界中で愛されていますが、イタリアにも70年以上におよぶ長い漫画の歴史があり、時代ごとに新しい作家を輩出してきました。
近年、日本でもヨーロッパのグラフィック・ノベルや漫画の人気がジワジワ高まっています。
グラフィック・ノベルと日本の漫画の違いやその魅力について、漫画家のロレーナ・カノッティエーレと、翻訳家で編集者の鵜野孝紀がオンラインで対談します。(日伊逐次通訳付)
なお、この対談は「言葉とイメージのはざまで:グラフィティ、イラストレーション、漫画」をテーマにした第20回世界イタリア語週間(2020年10月19日〜25日)の一環として開催されます。
* * *
対談はまず 漫画家のロレーナ・カノッティエーレ(Lorena Canottiere)さんのグラフィック・ノベル最新作「salvo imprevisti(2019)」(不測の事態が起こらない限り)についてのお話から入りました
4人の登場人物のうちの1人はAIであり 家事ロボットとして家にいるうちに退屈してリサーチを始めて人間の感情に近づいてゆきます 反対に人間の方はだんだんとコミュニケーション不足になってゆき...
この作品の制作方法についても伺いました 半分は紙にアクリル絵の具 半分はPCで彩色したとのこと AIから見たシーンはPCだけでデジタル的に制作したそうです
前作の「Verdad(真実)」では2018年1月 審査員満場一致でアルテミシア賞を受賞したのですが この作品はスペイン内戦について描いた作品で 黒を使いたくなかったそうです
続いて いつ頃からどのようにして漫画を描き始めたのかという話に入りました
子供の頃から絵を描くのが大好きで 小学校の先生が 作文に絵をつけてごらんなさいと言われて描いたのが最初の作品とのことです 芸術高校でも習いましたが 特に小さい頃に「corriere dei piccoli」を読んでいて大好きだったそうです
このcorriere dei piccoliは1908年に創刊されたイタリア最古の漫画ですが 70~80年代にはなんと 日本のアニメも載っていたのです💛
キャンディ・キャンディ 009 ハイジ ベルばら ルパン三世 鋼鉄ジーグ エースをねらえ ecc. もう~嬉しいですね💑
これらを見て育った世代のロレーナさんですが 露骨に日本の漫画・アニメの影響を出す作風ではなく イタリア人作家の影響も受けたそうです というのも子供の頃はテレビアニメのみで 漫画本はまだ当時あまり出版されておらず 出版が始まってからの世代の作家とは作風も違うのだそうです
そして話はフランスのコミック界へと...
フランスのコミック界は 男性作家が男性読者に向けて描くものが多く 女性漫画家は原稿料などで不利な面もあり 対して日本は女性漫画家が女性読者に向けて描くものが多いのですね
イタリアでは 男女別のジャンルに分かれておらず 90年代の10年間頃に 大きな暗黒時代があったそうで コミック出版社も倒産したり廃刊になったりしたそうで そこにちょうど日本の漫画が入ってきたというわけなのですね
そして ロレーナさんもアドバイスをいただいたというイーゴルト(Igort)氏が 2000年に新しいムーブメントを起こしてから変わり 活性化しました
イタリアの女性漫画家は少なかったのですが最近増えてきて 特別な個性的なスタイルで プロットから作画まで一貫してやっています
そして日本でのコミック出版の実情について...実は減っているのですね
日本では出版数はここ数年数%減っているのに対して 翻訳本は3割近く減り 欧州の漫画を出版するのは実は難しいのだそうで 今後の巻き返しが期待されるところですね また落ち着いたら日本にも来たいとのことでした💑 とても優しそうな方で zoomの画面を通して微笑みかけてくださり すぐそこにいるかのように感じました
イタリアやヨーロッパの漫画はグラフィック・ノベルと称して オールカラーが多くコレクション的に集められており 日本のような安い紙に白黒印刷で毎週出している漫画本とは違います
まるで絵本のような イタリアならではのグラフィック・ノベル作品に触れてみたいと思いました
開催のお知らせは こちら
貴重なオンライン対談を開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます
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「日本でヨーロッパの漫画を広めるということは、南極のペンギンに冷蔵庫を売るようなもの!?」
日本のグラフィック・ノベル界でまことしやかに囁かれるちょっと皮肉めいたこの言葉。
漫画大国として日本の漫画は今や世界中で愛されていますが、イタリアにも70年以上におよぶ長い漫画の歴史があり、時代ごとに新しい作家を輩出してきました。
近年、日本でもヨーロッパのグラフィック・ノベルや漫画の人気がジワジワ高まっています。
グラフィック・ノベルと日本の漫画の違いやその魅力について、漫画家のロレーナ・カノッティエーレと、翻訳家で編集者の鵜野孝紀がオンラインで対談します。(日伊逐次通訳付)
なお、この対談は「言葉とイメージのはざまで:グラフィティ、イラストレーション、漫画」をテーマにした第20回世界イタリア語週間(2020年10月19日〜25日)の一環として開催されます。
* * *
対談はまず 漫画家のロレーナ・カノッティエーレ(Lorena Canottiere)さんのグラフィック・ノベル最新作「salvo imprevisti(2019)」(不測の事態が起こらない限り)についてのお話から入りました
4人の登場人物のうちの1人はAIであり 家事ロボットとして家にいるうちに退屈してリサーチを始めて人間の感情に近づいてゆきます 反対に人間の方はだんだんとコミュニケーション不足になってゆき...
この作品の制作方法についても伺いました 半分は紙にアクリル絵の具 半分はPCで彩色したとのこと AIから見たシーンはPCだけでデジタル的に制作したそうです
前作の「Verdad(真実)」では2018年1月 審査員満場一致でアルテミシア賞を受賞したのですが この作品はスペイン内戦について描いた作品で 黒を使いたくなかったそうです
続いて いつ頃からどのようにして漫画を描き始めたのかという話に入りました
子供の頃から絵を描くのが大好きで 小学校の先生が 作文に絵をつけてごらんなさいと言われて描いたのが最初の作品とのことです 芸術高校でも習いましたが 特に小さい頃に「corriere dei piccoli」を読んでいて大好きだったそうです
このcorriere dei piccoliは1908年に創刊されたイタリア最古の漫画ですが 70~80年代にはなんと 日本のアニメも載っていたのです💛
キャンディ・キャンディ 009 ハイジ ベルばら ルパン三世 鋼鉄ジーグ エースをねらえ ecc. もう~嬉しいですね💑
これらを見て育った世代のロレーナさんですが 露骨に日本の漫画・アニメの影響を出す作風ではなく イタリア人作家の影響も受けたそうです というのも子供の頃はテレビアニメのみで 漫画本はまだ当時あまり出版されておらず 出版が始まってからの世代の作家とは作風も違うのだそうです
そして話はフランスのコミック界へと...
フランスのコミック界は 男性作家が男性読者に向けて描くものが多く 女性漫画家は原稿料などで不利な面もあり 対して日本は女性漫画家が女性読者に向けて描くものが多いのですね
イタリアでは 男女別のジャンルに分かれておらず 90年代の10年間頃に 大きな暗黒時代があったそうで コミック出版社も倒産したり廃刊になったりしたそうで そこにちょうど日本の漫画が入ってきたというわけなのですね
そして ロレーナさんもアドバイスをいただいたというイーゴルト(Igort)氏が 2000年に新しいムーブメントを起こしてから変わり 活性化しました
イタリアの女性漫画家は少なかったのですが最近増えてきて 特別な個性的なスタイルで プロットから作画まで一貫してやっています
そして日本でのコミック出版の実情について...実は減っているのですね
日本では出版数はここ数年数%減っているのに対して 翻訳本は3割近く減り 欧州の漫画を出版するのは実は難しいのだそうで 今後の巻き返しが期待されるところですね また落ち着いたら日本にも来たいとのことでした💑 とても優しそうな方で zoomの画面を通して微笑みかけてくださり すぐそこにいるかのように感じました
イタリアやヨーロッパの漫画はグラフィック・ノベルと称して オールカラーが多くコレクション的に集められており 日本のような安い紙に白黒印刷で毎週出している漫画本とは違います
まるで絵本のような イタリアならではのグラフィック・ノベル作品に触れてみたいと思いました
開催のお知らせは こちら
貴重なオンライン対談を開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます
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