日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「 ヴィジョンとしてのファルネジーナコレクション」展覧会とセミナーに行ってきました&千鳥ヶ淵ライトアップ🌸(2023.3.31)@イタリア文化会館

2023年04月04日 | イタリアの美術館・博物館

ヴィジョンとしてのファルネジーナコレクション/La Collezione Farnesina, una visione」展覧会とセミナーに行ってきました&千鳥ヶ淵ライトアップ🌸(2023.3.31)@イタリア文化会館

 

散り始めの桜を見ながら夕方のイタリア文化会館に行き 帰りには千鳥ヶ淵ライトアップも観られて 桜🌸の季節に行けてよかったです🌸

この日はまず「ファルネジーナコレクション」の展覧会を見てから 図書館に行き 講演会「ヴィジョンとしてのファルネジーナコレクション」を聞いてきました

 

私は未来派のボッチョーニくらいしか知りませんでしたが とても興味深いイタリアの現代美術のお話を聞きました 

ファルネジーナとは Palazzo dellaFarnesina ローマの北西にあるイタリア外務国際協力省の建物のことです 

その建物の中に 2%法(予算の2%はアートに使うというもの)によって 寄託されたアート作品がたくさん展示されているのですね

 

まずはボッチョーニ(Boccioni) これは未来派の有名な作家で 分割主義(divisinismo)の画家から (まるでガンダムのモビルスーツのような!)彫刻作品を生み出す彫刻作品のひとつ 「空間における連続性の唯一の形態」(1913)というメインの作品が展示されていました 1912年に「未来主義彫刻技術宣言」を公表した翌年の作品ですね これは20セント硬貨のデザインにも使われています 常に横向きですが正面から見ると...

 

    ボッチョーニの「空間における連続性の唯一の形態

 

多時間をひとつの画面に組み合わせる また多素材主義の作家でもありますね

 

そして アルトゥーロ・マルティーニの「秩序への回帰」の流れについて 彼はエトルリア彫刻からインスピレーションを得たそうです

雑誌「valori plastici(造形的価値)」は1918年に創刊されました

戦後に結成されたフォルマ1   

カルラ・アッカルディの「赤いゲーム」という抽象作品もそのひとつです 彼女はイタリアのフェミニズム運動にも寄与しました 

アンフォルメルという フランス等で起きた激しい抽象絵画を中心としたアート 様々な材料を使った作品を創るムーブメントを経て 1960年からは アクロームから 汎・芸術へと流れてゆきますが その代表作は ピエロ・マンゾーニの「魔法の台座」ですね 誰しもこの台座に足を乗せればアートになる! という汎アートなのです

 

オプ・アートのアルヴィアーニ 1965年の「振動するテクスチャー」の表面は アルミで作られた環境芸術作品で これらはアルテ・リッカと称されるものでした 

それに対して アルテ・ポーヴェラがあります そっけないというか これがアート?というものもありますね  1967年の「アルテ・ポーヴェラ」展などぼろ切れのヴィーナスや 床に新聞紙を敷いた作品とか...

ミケランジェロ・ピストレットの「エトルリア人」という彫刻は 鏡絵画といって 作品の前に鏡が置かれています

 

  エトルリア人 

 

そのあとで  1970~80年代に トランスアヴァンギャルディアという 絵画への回帰のムーブメントが起きます

絵画や彫刻をいったんやめる時期があったのちに揺り戻しがあり 具象への回帰が起きます

そして 1990年代からはポストモダンが... オンターニの「クレオパトリア」(1998)は 蛇を手にした クレオパトラならぬ作者オンターニの自画像が...

 

このファルネジーナコレクションは 実はヴィジョンがあったというよりは むしろ 流動性というビジョンというもので フォロ・インペリアーリに候補地を考えていたのですが 何度も変更され フォロ・ムッソリーニへと決まり またその建物の用途も外務省に変更され 1956年にようやく完成したりなどの変遷も伺いました 展示作品は買ったのではなく寄託され 貸借作品がメインとのこと 

 

帰りは 千鳥ヶ淵🌸のライトアップを観ながら帰りました

春はイベントが目白押しですね😊

イタリア現代美術展 ファルネジーナコレクション(2023.3.25~5.7)は こちら

講演会「ヴィジョンとしてのファルネジーナコレクション」のお知らせは こちら

*素晴らしいイベントを開催してくださいましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます

 


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