講演会シリーズ「世界の書棚から」第12回「中国の絵本事情 最前線」に行ってきました (2023.2.10)@板橋区立中央図書館
この日はなんと朝から雪が...⛄
このシリーズでアジアを取り上げるのは初めてです 講師の唐亜明先生は 日本で外国人として初めて 編集者として福音館書店で長年絵本の編集に携わってきたとのこと たくさんの著書をご紹介いただきました
また 絵本の世界に引き入れてくださった松居直氏のことも初めて知り感動しました この方のご尽力なくしては 中国での絵本の発展は難しかったのですね
中国では子供が絵本を読む習慣はあまりなく 絵本文化はようやくここ十数年くらいに発達してきたもので それまでは連環画という 白黒の絵の枠の下に字が書いてあるものを 子どもが自分で読んでいたそうで 読み聞かせの習慣もあまりありませんでした
子どもに買う本としては 文字の多いものが好まれ 絵本は他の本よりどうしても価格も高く 役に立つ本が求められていたこと 経済の遅れや戦争等の影響で 絵本文化の発達が遅れていたのだそうです 一方世界の国々では 中国をテーマにした絵本は多く出されていました
中国での翻訳出版はコロナ前までは9割を占めており また 日本で出された中国のものを中国で出すという逆輸入もありました 西遊記 桃源郷 万里の長城や三国志などを扱ったものなどですね
中国で出た絵本いろいろ 中国の歴史を感じさせますね...
日中合作もありました 日中の経済格差が大きく 日本の経験と技術を取り入れて作られた絵本「百万回生きたねこ」(佐野洋子作)などは 2004年から5年間は売れませんでしたが その後は日本でよりも中国で売れたそうです (作者は北京生まれ)
また オリジナルの絵本づくりについては 保守的な絵本が多い中にあって 「一杯水」「北国之春」等が出てきているそうです 日本でも中国の絵本が多く出版されています
中国の出版社はすべて国営で 「審査」制度があり 政治面等でのチェックで年数がかかることもあるとのこと なので小さなプロダクションが沢山できてゆき 国営出版社に本を出してもらうという形になっているそうで 実態も変わりました
参考: 「絵本が存在しなかった中国に、絵本の市場をつくったポプラ社の大戦略」
販売システムは ネットが8割で 再販制度がないそうです
売れる本はというと 児童教養 たとえばマナーの本や 「10才からの経済学」などの「ためになる本」が多く 子どもの本は2割とのこと
デジタル絵本も発達しているそうです 絵本の賞もあり ボローニャ原画展では中国の作家の作品もかなり増えてきていますね 日本の出版社も中国に絵本を贈る等貢献してきたとのこと
農村の子どもも絵本を読むようなればマーケットも広がってゆき 子どもの力で面白い絵本が広がってゆく可能性もあるそうで 未来につながる仕事なのですね
芸術大学には絵本学科もできたそうです また欧米の絵本より日本の絵本の方が 中国では親しみがもたれているそうです
私も 中国の絵本に触れるのはあまりない機会でしたので 雪の中 行ってよかったです😊
唐先生のお人柄に触れて たいへん感動いたしました
次回は 韓国です
開催のお知らせは こちら