ロベルト・ロッセリーニ(Roberto Rossellini)監督のネオ・リアリスモ作品「ドイツ零年」 この映画は 戦争集結直前のイタリアで 「無防備都市(Roma, citta' aperta)」「戦火のかなた」に続き ナチ・ドイツの暴虐に対する抵抗運動を描いたロッセリーニ監督のネオ・リアリスモ第3作です
爆撃と市街戦で廃墟となったベルリンの街並み これはドイツ映画でも出てきたどこまでも続く廃墟のシーンと重なるものがあります
配給も電気も物資もなく ナチ党員として「最後まで戦った」ためにケーラー家の長男が配給切符をもらえない エドムント少年の父は重い病で 入院中の方が三食食べられて退院したくない程困窮しており 姉も家族の面倒を見たり 夜の女に近いことをして家計を支え とうとうエドムント少年も 家族のために一途なあまりに ヤバいことをしてしまい...
そんな中 元教師に再会した少年は 闇商売に手を出すようになってしまう 弱肉強食の教えを真に受けた少年は あらぬことか退院した父親を... そして少年自身もまた...
それは元教師は驚くでしょうね~
ドイツそしてドイツ人家庭が舞台でありながら イタリア作品のため言語はイタリア語なのですが 人の名前だけがドイツ語なので その点は面白かったけど とても重い作品でした
ネオ・リアリスモの真髄を見た気がします また当時の社会情勢から 「それは少年の罪ではなく 戦争が遺した社会の罪 戦争を起こした大人たちの罪ではないか」との解説に頷けました
「ドイツ零年 Germania anno zero」 Roberto Rossellini監督作品
1948年 イタリア作品
映画は こちら
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また 「無防備都市(Roma, la citta' aperta)」(1945年ロッセリーニ監督作品)は イタリアの抵抗組織が解放する直前のドイツ軍進駐下のローマで 映画人も手に銃を取って抵抗運動に参加し その一人であるロッセリーニが体験した凄まじい真実をフィルムに収めた作品で これが生のリアリスムかと 戦後の映画の作り方を変える分岐点となった作品にひたすら圧倒されました
*2015年 3月8日(日)に 吉祥寺LCIで開催予定の「イタリア映画セミナー 第1弾 『イタリア・ネオレアリズモ』 【IL CINEMA NEOREALISTA ITALIANO】」に参加予定なので 予習も兼ねてこの映画を見ました
セミナーは こちら
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