フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

線香花火

2020年08月03日 07時00分00秒 | 日々の出来事・雑記

8月になって、空は真っ青に晴れ上がり、ジリジリとした日差しがアスファルトを照らしていました。

やっと東京も夏らしくなってきた。

だけど、隅田川の花火も中止だし、江戸川の花火は延期です。

なんとなく悲しいですね。

東京都民は、バイキン扱いで(笑)どこにも行けません。

でもいいです。今日のテーマは美しい花火です。

花火というと、子供の頃に手に持った小さな線香花火を思い出します。

ちょうど夏休みの今頃だったかな。たんまり花火を買ってきて、みんなでワイワイ花火をしました。

みんな派手なドッカンドッカンという花火が好きだったけど、僕は意外に地味な線香花火が好きでした。

線香花火は、しっとりとして最高に美しい。

まず、火を付けると、静かに火薬の燃焼が始まる。

炎が小さい玉になり、生まれたてのこどものように、よちよちと上昇していく。

次第に、火花が飛び散り、危なっかしい少年のように音を立てて振動する。

しばらくすると、力強い生命が弾けるように、火花は松葉の形をして開いていく。

いよいよ花火は、青年期を迎える。

若い魂が、何かを求めて、バチバチと激しくエネルギーを放出している。

灼熱の暑い夏に、彼は激しい恋をしているのでしょう。

そして、だんだんと火の粉は小さくなり、穏やかな音を立て、小さく美しい円を描いて、落ち着いてくる。

まるで、激しさが消え、穏やかになった今の僕のようだ。

そこから数秒経つと、火花は飛ばなくなり、小さくなった火の玉だけが後に残される。

燃え尽きそうな魂のように。

そうです。花火の人生が、いよいよ終わりに近づいている。

なんとも切ない瞬間だ。しかし、最後に火の玉は妖艶な輝きを放っている。

消えそうになっている丸い火の玉が、おもむろにポタッと地面に落ちる。

そして、静かな暗闇がやってくる。

線香花火の中に、僕たちは人生を見ている。

儚くもあるが、美しい人生だ。

こんな感じで、最後まで輝き続けられるように、頑張って生きましょうね。


コメント (2)
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