2日くらい前の夕方の出来事です。
東京はまだ30℃近くあって、暑くて頭がボーとしていました。
家に帰る途中、僕は自転車に乗っていた。
そして、大きな公道の横断歩道で信号待ちをしていた。
僕の待っている横断歩道の右隣に、大きな街路樹があって、その脇にツツジの低い木があった。
そのツツジの木から突き出るように長い雑草が生えていた。
いつもは注意深い僕ですが、その時は暑くて頭が働かず、街路樹と雑草が死角になっているのに気づかなかった。
信号は変わり、青になった。
僕は反応が速く、元気がいいので、いつもならすぐにパッと横断歩道を渡る。
しかし、その時はボーッとしていて、二秒くらい反応が遅れた。
そして、自転車のペダルに足を乗せ、横断歩道に入った瞬間、信号無視をした車が僕の前を通りすぎた。
たぶん、黄色がおわり、赤になってから、急いで突っ込んできたのだろう。
猛スピードの車は、僕の自転車の前輪に、かするくらいの距離だった。
もし、信号が変わって、いつものように素早く横断歩道を渡っていたら、間違いなく即死だったろう。
それくらいのスピードだった。
車の運転手も、街路樹が死角になって僕が見えなかったに違いない。
ここ何年かで、一番死に近づいた瞬間だった。
久しぶりに頭に血がのぼってしまい、怒りで拳が震えた。
もし、追っかけて運転手が捕まえられたら、怒鳴りつけて喧嘩になっただろう。
でも、自動車は遠くに消えていった。暑くて追いかける気力もなかった。
しばらく自転車を漕ぎながら、怒りを鎮めようと試みた。
怒りは思ったよりすぐに収まった。
なぜかって?
だって、今、僕はこうして無事に生きているし、なんの問題もない。元気そのものだ。
そして、僕は思った。この生命は拾った命だ。
死んでしまったのに、神様にもう一回生き返させてもらった命。
そう考えたら、怒る理由はまったくない。
むしろ、すげーラッキーだったな。
「オレってさいこうー」と叫びたくなった。
叫びませんでしたけれどね。
まあ、結局、何でもポジティブにもっていくのが僕のいいところです。
最後は、自慢話になりましたね。
すいませんでした。