今日は具体と抽象について考えてみましょう。
もちろん個人差はありますが、女性は具体的なもの、男性は抽象的なものが好きだと言われています。
何かを考えるときに、僕は抽象的に考えるのが好きです。
たとえば、「赤い」ものを思い浮かべてください、と言われたとします。
血、りんご、いちご、トマト、消防車、口紅、みたいなのを列挙しますよね。
このゲームをやったら、僕は負ける自信があります。
たぶん3つくらいで、うーんって唸って止まってしまう。
女性はこういうの強いですよね。
これは、「赤い」という抽象的な言葉を、具体的なものに変えていく作業です。
抽象→具体ですね。
逆に、りんご、バナナ、ぶどう、なし、キウイ、パイナップル、これらをひとくくりの言葉にしてくださいと言われたら?
正解は、果物です。
これは、具体的なものを抽象的な「果物」にくくる作業です。
具体→抽象ですね。
こっちのゲームはかなり強いかな。かなり難しい内容でも正解を出す自信はあります。
僕たちの頭の中は、この具体と抽象を行ったり来たりしているわけです。
この往復作業が人間の知性になります。
どっちが正しいとかではなく、その場合によって適切なものが要求されます。
じゃあ、ちょっと問題を出してみますね。
1、人を褒めるときは、具体的な言葉か抽象的な言葉かどっちがいいですか?
もちろん具体的です。「綺麗ですね」より「綺麗な肌をしてますね」のほうがいいでしょう。
2、責任を取りたくないときは、具体的な言葉か抽象的な言葉かどっちがいいですか?
抽象的な言葉ですね。
抽象的な言葉は解釈の余地がありますから、あいまいにしておくと責任回避ができます。
例えば、官僚や政治家の使う「遺憾です」とかです。遺憾には謝罪の意味はありません。
「〜の点について謝ります」だと、〜の点については責任を負います。
3、誤解を少なくしたいときは、どっちがいいですか?
それは具体的な言葉ですね。
さっきも言ったように、抽象的な言葉だと解釈の余地が残り、誤解されやすいです。具体的に話をしましょう。
こんな感じで、具体がいい場合と抽象がいい場合があります。
だから、どっちも使いこなせるように訓練しておくべきなのですね。