「山で遭難して帰ってこないかもしれないから、これ頼むね」とか、
「今日、交通事故で死ぬかも知れないから、これちょっと覚えておいて」とか、
自分が死んでしまった時のことを想定して、話するときがあります。
そういうとき、かなりの確率で「やめてください、縁起でもない」と言われます。
いや、けっこう現実的な話をしてるんだけどね、と思っています。
だって、いつだって死ぬ可能性があるんだから。
でも、こうも思います。
ああそうだった、言霊信仰だと。
言霊信仰とは、言葉そのものに霊力があるという信仰です。
ある言葉を口に出すと、その内容が実現してしまうという考えです。
だから、みんな不吉なことを口に出さないようにしている。
たしかに、相手を思いやり、その場の雰囲気を悪くしないことは大切です。
しかし、悪いことを予測しないと、いざ事が起こったときには慌ててしまいます。
ボヤーっとなにも考えないでいると、思考停止します。
だから、言霊信仰に配慮しつつ、不吉なこともどんどん話したほうがいいと思うのです。
でもね。そうはいっても、「縁起でもない」と言ってもらえるとちょっと嬉しいかな。
なんですか、僕を心配してるのかってね。
だから、言霊信仰も否定はしませんよ。