こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-5

2008年11月27日 22時33分28秒 | Weblog
市場では、まだまだ北海道米は、人気が残っているという声も聞くし、値段も安売りではないという声も聞く。それなのに、なぜ自分だけが「駄目だ」と言い続けているのか。
今の現状を整理しなおせば、まだ自分の力だったら、プロジェクトは動かせるのではないかという声も聞く。
正直言って、修正をしようと思えば、直ぐにでも修正は出来る。
プロジェクトを継続させようと思えば、それも現実には可能なのだ。

では、自分は何について怒っているのか。
勘の良いひとなら、既に気がついているだろう。

北海道米をブランド化させるためには、たぶん今回がラストチャンスとなるから、絶対にミスは許されないという事。
今回についてだけは、店頭での対面販売でなければブランド化出来ないという事。
「ななつぼし」の美味しさを理解できる消費者は、まだ少ないという事。
北海道米の美味しい食べ方を提案しないと、一過性のブームで終わってしまうという事。
階段を上っている最中に、価格の下げての販売をしてはいけないという事。
「きらら397」と同じ失敗をしないよう、低品質のお米や、毎回品質の違うお米の販売をしない事。
品質に大きなブレがある「おぼろづき」「ふっくりんこ」については、流通と販売を制限する事。
「おぼろづき」「ふっくりんこ」が失敗すると、「ゆめぴりか」がデビュー出来なくなってしまうという事。
生産者が、勝手栽培をしたり、勝手な価格で販売をしないように、地域の足並みを揃えるようにする事。
話題のあるお米の栽培だけに偏るのではなく、品種に合った適地での栽培を、地域に薦めるようにする事。
等について、シッカリと説明していたにもかかわらず、勝手な判断で行動して、勝手にスーパーで「ななつぼし」の販売を低価格で仕掛けて、消費者から「美味しくない」と言われてしまって、自分で自滅して、自分でラストチャンスを無駄にしてしまったホクレンに対して怒っているのだ。

それと、ちょっと話題になった程度で舞い上がって、勝手に「おぼろづき」「ふっくりんこ」を栽培して、消費地では絶対にクレームとなるバラパラな品質のお米を作って、さらに、観光地という、消費地の人が見る環境であるにもかかわらず、勝手に隣同士で価格競争しながら激安をしている、おろかな生産者たちに対しても、物凄く怒っているのだ。

産地側が勝手なことをしているのに、どうやってプロジェクトを動かせばよいというのか、そんな産地を、なぜブランド化させなければならないのか。
自分は、北海道で仕事をしていた関係から、本当なら、どの産地よりも北海道米をブランド化をしてあげたいのだが、こんな状況では、出来るはずがないし、実行する必要性が見えない。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-4

2008年11月27日 21時44分09秒 | Weblog
そもそも北海道米プロジェクトとは、どういう構想になっていたのだろうか。
北海道米については、今後、このプロジェクトは使えないと考えられるが、まだ他の産地では利用できる可能性も残っていることから、説明してみようと思う。

このプロジェクトの最終到達イメージは、業務用米と見下されている北海道米を、「コシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれ」と同等で、誰もが知っているお米にすることなのだが、ただ知っているというだけでは意味がなく、棚に並んでいたら、率先して手にって貰い、好んで食べてもらえるブランド米にすることなのだ。

知っている米とブランド米というのは、実はイコールではない。
知っていても、価格が特売価格であったら、それはブランド米にはならず、ただの特売米となってしまうのだ。
現実に売られている「あきたこまち」「はえぬき」「きらら397」を、特売米とかお買い得米という人はいるだろうが、ブランド米だという人は、ほとんどいないと思う。
「コシヒカリ」についても、一定の価格以上で売られている「コシヒカリ」についてはブランド米として考えているが、特売価格で売られている産地のお米については、特売米として、割り切って消費者は購入しているという現実がある。
だから、北海道米についても、消費者がブランド米だと考えてくれる価格で販売できるまでに、シッカリと育て上げなければならなかったのだ。

具体的に言うと、デビューが決まっている「ゆめぴりか」については、産地の将来のためにも、若い後継者を作り出すためにも、お米の新しい時代のためにも、大ブランド米と肩を並べる、1kg600円代で、堂々と販売したいと考えていたのだ。

産地とホクレンのミスで販売計画が立たなくなってしまった「おぼろづき」「ふっくりんこ」については、この特徴を好む消費者のこだわり具合、このお米の話題性、そして栽培の難しさ、さらにこのお米の実力等を考慮して、また「ゆめぴりか」を1kg600円代にレベルアップするための橋渡のお米として、1kg570~590円内での販売を考えていた。

既にに販売している「ななつぼし」については、品質・食味・安全性などを、もう1レベルアップし、1kg500円に成長させることで、スーパー・量販店で販売されている、産地ごとで品質・食味などがバラバラであるが、価格が1kg356円前後の「ななつぼし」との、強烈な差別化を考えていた。

さらに、「美味しくない」と悪いイメージが定着してしまっている「きらら397」についても、北海道米の色々な銘柄米がブランド米になることで、不適地で無理をして作らなくてはならないという必要性が無くなるため、適地のみに栽培地域を再編しなおし、デビュー当時の、良食味「きらら397」を蘇らそうと考えていた。

これだけでは、まだプロジェクトの全貌からすると、1割も説明してはいないのだが、つまり、北海道米プロジェクトというのは、話題性などで有名になっていくタイプではなく、北海道米の実力で、一歩一歩確実に、階段を上るように、成長させていくプロジェクトだったのだ。
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