こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-プラス1

2008年11月28日 14時36分13秒 | Weblog
北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-終を読んだ、北海道米プロジェクトの中心となっている生産者と担当者から、朝、立て続けに連絡が入った。
消費地で起こっている厳しい現実を知り、かなり困惑している様子が、声からも伝わってくる。

自分でも、「このままでは終われない」という気持ちがあることを伝え、まだ、形を成していない計画ながらも、既に実行体制に入っていることについては伝えた。
しかし、相当に困難であることは明らかで、どこまで計画がプラスに働くかについては、判らないということも伝えた。

とりあえず、北海道米プロジェクトが崩壊しきらないうちに、早急にしなければならないことは、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」と、高度クリーン栽培を実行し始めている産地・地域を、大きく一塊となっている北海道米という枠から、切り離してしまうことだ。

北海道というところは、東北の米どころ数県分の大きさを持っていることから、そもそも、地域も違うし、気候条件も違うことから、北海道米という、ひとまとめにした言い方をする事自体に無理があるのである。
ましてや、一般的な栽培方法の北海道米と、北海道の将来を考えて提案されている高度クリーン栽培米とでは、お米の特徴、炊き上がり具合、美味しさなどについて、まったく別物であると考えたほうが良いくらいに違っているのである。

したがって、北海道米プロジェクトを始動した直後は、「北海道」という大きな名称や、「ななつぼし」という、大きく括った言い方は、避けたほうが良いのではも考えていたのだが、北海道米の将来のためには、あえて区別をしないほうが良いだろうと考えていたし、生産者が滅茶苦茶なことをしないだろうと信じたい気持ちもあったし、ラストチャンスという事から、ホクレンとしてもシッカリやっていくだろうと考えていたことから、あえて同じにしたのだった。

しかし、それが今、自分たちの首を締め付けていることから、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」については、この考え方を止めて、当初の計画とおり、地域名・栽培タイプを絞り込んだ、北海道米とは異なった、差別化米として販売をし直すことにしようと考えている。
そのために、まず考えなければならないことは、ブランド名から「畦畔香るななつぼし」というブランド名から「ななつぼし」という品種名を消した、新しい名称を付け直すことだろう。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも、「ななつぼし」といわれてしまうと、どうしても、低品質の「ななつぼし」だったり、安売りの「ななつぼし」と、同じイメージとなってしまうことから、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」は、北海道米であって北海道米ではなく、「ななつぼし」であって「ななつぼし」ではない、「これが新しい北海道米なのだ」と、消費者に伝えるようにするつもりである。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-終

2008年11月28日 00時26分19秒 | Weblog
スーパーや百貨店で販売されている「おぼろづき」「ふっくりんこ」は、売れているのだろうか。
本来なら、プロジェクトを実行している関係上、ホクレンが教えてくれるべきものなのだろうが、ホクレンからは、まったく情報が入ってこないため、スーパーや百貨店で販売されている北海道米の現状については判らない。
2008年10月21日から開かれた三越札幌店での「2008ホクレン大収穫祭」では、「ゆめぴりか、1袋(2キロ)1000円」が、イベント初日の1時間に続いて2日目も45分で完売となったという事も、インターネットで知ったし、少し前に、滝川市の生産者が、都内で「高度クリーン米ななつぼし」を販売したのだが、そのことについても、産地からは連絡がなく、偶然新聞で知るという、真にお粗末な現状。

「ゆめぴりか」を消費地でデビューさせるか、そのまま諦めてしまうかについては、「おぼろづき」「ふっくりんこ」の販売状況が鍵となるのだが、状況が判らないのでは、作戦など立つはずがない。
しばらくは、ホクレンが、どう出るのかを待つことにしたほうが良いだろう。
このまま、何にも言ってこないのなら、もう北海道米のブランド化は諦めたのだと考え、他のブランド化を待っている産地を、急いで動かしてあげようと思っている。

「ゆめぴりか」のために、どうして「おぼろづき」「ふっくりんこ」の販売状況が鍵となるのかというと、この2銘柄の特徴の違い、炊き上がりの違い、美味しさの違い等を、全国からお米が集まっている消費地の消費者が、シッカリと理解できるのかについて、疑問があるからである。

「おぼろづき」は、おいしさの秘密はお米のデンプンに含まれる“アミロース”。
アミロースを含む割合が少ないお米は、粘りが強くなります。
一般の「うるち米」のアミロースが20%前後であるのに対し、「おぼろづき」は概ね16%以下で、やわらかい食感と強い粘りが自慢です。
http://www.hokkaido-kome.gr.jp/hinsyu/89.html

「ふっくりんこ」は、平成15年採用、道南で生まれ育ちローカルブランドとして確立。
平成19年産から作付・販売区域を拡大し、全道に進出しました。
その名の通りふっくらした食感で、冷めても硬くなりにくく、おいしさ長持ち。
http://www.hokkaido-kome.gr.jp/hinsyu/fukkuri.html

と、北海道米販売拡大委員会のHP「北海道のお米」には書かれている。

確かに「おぼろづき」「ふっくりんこ」は、北海道米としては優れた品種であるかも知れないが、全国から見れば、同じような特徴を持った銘柄米は、いくつか存在している。
しかも、その産地のほうが、シッカリとしたブランド米の道を歩んでいる。
北海道米は、随分と知られるようにはなっているものの、まだまだブランド米にはなっていないため、全体としての評価は、依然として低いままなのだ。
したがって、価格を安くして販売するのであれば、ある程度は売れると思うが、ブランド化するための価格で販売するとなると、他の産地に流れていってしまう可能性がある。

また、「粘りが強く」や「ふっくらした食感」等という、炊き上がり具合についても、現在の消費地の好みとは、若干異なっている。
現在、圧力IH炊飯器を持っている消費者であれば、どんなお米でも、粘りを出すことは可能であることから、消費者のほうでも、「あえて知らないお米に挑戦しなくても・・」という考え方がある。
したがって、炊き上がりの部分だけを力説しても、一度は買ったとしてもリピーターになる人は少なく、長期的に売れるような気がしていないのである。

北海道米をブランド米にするためには、まだまだ解決しなければならないことは山ほどあるのだが、さて、どうなることやら。

---------------終わり--------------
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