師走の12月に「甲状腺癌」の宣告を受けていたこともあって新年
になってもどことなく不甲斐ない日々を送っていたようだ。
そして1月18日に入院、その午後に甲状腺癌の手術について説明
があった。特にリスクについての説明では、手術後の自分の姿がどう
なっているのかを想像するだけで不安が込み上げてくる。一緒に聞い
ていた妻の心境は、想像するに余りあるものがあったろうかと思う。
1月20日午前9時手術室に、家族は待合室で手術が終わるのをた
だただ待つことになる。
手の甲の血管に麻酔用の針が刺されたことまでは意識として記憶し
ていたがそのあとは全然分かっていない。
10時間余の時間が経過した午後7時過ぎに手術が終わってCTU
室に運ばれ主治医が声をかけてくれたようだ。意識がうつろな状態だ
ったと思うが家族を呼んでくれた。一言二言話をしたようだが思わず
「声がでている」と非常に嬉しい感激があった。というのも手術前の
リスクの説明で「声を失うこともあり得る」ということに対して「声
がでている」という素朴な嬉しさだ。
左耳のすぐ下から肩側へ首周辺に沿って右鎖骨の部分まで切開して
いたが術後の痛みもなく経過も順調で入院生活16日間の2月2日に
退院した。
次のステップとして3月にアイソトープ(放射線)治療をする予定
だが今はその準備段階としてホルモン剤の服用中止が始まり今週末か
らヨードを含む食材を禁止する食事制限に入る。
とにかく3月一杯が甲状腺癌との戦いとなる。桜が咲く4月に元気
を取り戻せるようになれば菊づくり7年目のスタートとなろう。