ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第15次支援活動<石巻川開き祭り>(その10)~旅の終わり

2013-08-14 07:21:18 | 能楽の心と癒しプロジェクト
女川町の表敬訪問を終えて、ようやく帰京の途に。その前にこちらの土地の神様にご挨拶してから帰ることにしました。

こちらは熊野神社。地域医療センターの高台の、さらに上の山に鎮座しています。よく整備されて篤く敬われていると感じましたが、この石段にメゲて社殿まで至るのは断念。。石段の下から遙拝させて頂きました。。



かわってこちらは白山神社。津波に流されて、やはり地域医療センターのすぐ後ろに移転した、と聞きましたが、まさか仮設の神社とは。。



前には古い狛犬がやはり移されてあって、もともとの社殿が立派だったことを彷彿とさせます。



参拝してから中を拝見すると、御神輿と、それから小さな社がありました。。これは境内にあった末社のものを代用して主神さまも一緒に祀っているのかもしれませんね。





野球場仮設に至る道の両側にうずたかく積まれていたガレキが撤去されたあとには、なんと立派な滝が姿を現していました!





帰途、今年の3月にようやく復旧が成った石巻線の「浦宿駅」を見ました。石巻線はまだ断続的にしか復旧していませんが、昨年の3月に石巻~渡波が復旧し、そして今年、万石浦の護岸工事が終わって渡波からこの浦宿駅までが復旧しました。浦宿~女川駅は線路が破損しているし、また女川駅は駅舎はじめ周辺がすべて破壊されてしまっているので、復旧の目途は立っておらず、代行バスが運行されています。浦宿駅からは県立女川高校までも歩ける距離なので、通学の足が復旧したのはよかった、と思ったのですが、女川高校は来年の春に閉校の予定なのだとか。。



ところで駅に停車している列車にはアニメの登場人物が描かれてありました。これはやはり今年の春から運行されている「マンガッタンライナー」というものだそうです。石巻の「石ノ森萬画館」のリニューアルオープンに合わせて震災復興と観光促進のために、JRと石巻市が共同で行っている事業なのだそうです。

やがて万石浦を過ぎて、せっかくなので渡波の状況を見に行きました。港湾の施設は地盤沈下している様子がまざまざと見て取れますが、堤防には釣り人の姿も。





それより驚いたのは、昨年見た渡波中学校と石巻市立女子商業高校の校舎が跡形もなく消えていたことでした。。津波の被害を受けて学校はともに移転、ぬえが見たときは校庭はガレキ置き場となっていましたが。。ガレキの撤去も終わったところで校舎も解体されていたのですね。





今回の活動では石巻の秋田屋さんでの魅力的な上演が実現したことや石巻の寺社で奉納上演させて頂いたことがとても印象的な活動になりました。川開き祭りの盛大な様子もうれしく思った ぬえ。女川ではミネさんら仲良しの住民さんに再会できたのも喜ばしいことでした。復旧も少しずつ進み、でも跡形もなくなった更地が増えていくことに なぜか寂しさも思い。。複雑な思いを持ちながら、今回もミッション・コンプリートさせて頂きました。関係各位に深く御礼申し上げます~~!

【この項 了】