最近少し会得できてきた能動的な読み方

 [こんな本が出ていた] 

漸く最近になって英文の文書に目を通す時、タイトルや著者、論旨の流れなどから先（次の語句、表現から内容）を予測できることが増えてきた。精読している暇がない時など、いわば高速道路のカーブを予感できるように語彙や成句の意味を読む前から直感して読み進めることがある。私なりに身についてきた能動的な読み方・読解法と言えるかもしれない。書き手が何を言おうとしているかを問い、時には予測し、読みながら著者と対話しているのかもしれない。例えば、最近ではL.A.アリントンの「大盆地の王国」（”Great Basin Kingdom”）を読んでいるが、文体に慣れてくると、上記のような読み方もあって、見出し(例、「初期モルモン教徒の経済的理想」)を見て本文を読むのに苦労が案外少なくなってきたように感じている。著者の考え方・理解や主張、姿勢などを活字の向こう側に感じながら読むようになってきた。

 それと対照的なのが、古代語を解読するような初心者の読み方である。あるいは受動的な読み方である。辞書と首っ引きで、一語づつ調べてゆっくり忍耐強く読んでいく。これも好きな作業で不可欠な訓練だと思っている。例えば、次のような例では一語一語の理解が文の理解の基いとなる。

 　ヘブライ語  (ヘブライ語は右から読む)

      בְּרֵאשִׁ֖ית     בָּרָ֣א    אֱלֹהִ֑ים    אֵ֥ת   הַשָּׁמַ֖יִם   וְאֵ֥ת   הָאָֽרֶץ׃              

　   地　　　を と　　天　　 を　　神は　　造った　　初めに　

   ギリシャ語

     Ἑν     ἀρχῇ       ἦν    ὁ λόγος 

    In  the beginning  was   the Word　（初めに言葉があった）

　ラテン語

　　Gutta  cavat  lapidem.

    A drop  pierce  a stone. (水滴も岩を穿つ)

 私にとってアラビア語も韓国語もこちらの読み方しかできないレベルに留まっている。