帯ちゃんシリーズ、第三弾!
今回は、帯ちゃんことさっちゃん自身が想い出語りをしています。
さっちゃんのパパはすでに父と呼ばれる時代となりましたので、
題名を少々変更致しました。引き続き、喜怒哀楽をお楽しみ下さい!
題して『 さっちゃんと父 』、どうか宜しく、お見知り置き下さい。。。
≪其の11≫ 酒癖
「さっちゃん、またお父ちゃん、寝てたで!!」
「迎えに行ったらんと、あかんのと違う?」
っんとにもう!まいど まいど困った父さん だよ。
ホ~ント、お父さんの酒癖の悪さには参ったね。
もうすぐ、家に着くってのに・・・
いっつも下のおばちゃんが、呼びに来てたね。
しかも、どうよ!
お母さんがいないときに限って、そうなんだよね~。
小学生の私がどうやって運べっていうのん?
「あっ、いいです。ほっといてください。
起きたら帰ってきますよ!」
え~~、冷たいやっちゃっ て思われるぅ・・?
だってさあ、小学生の力だよ。
背だって低いしどうやって連れて帰れっていうねんなぁ!!
少し寝て、酔いが冷めれば帰ってくるやん!
ほっとけーほっとけー、ねえ、ほっとけーさん。
ほら、
仏(御先祖)さん達がみてるってさ。極寒の地域でもないしー、
灼熱砂漠でもないんやから大丈夫、大丈夫、死にゃあしないさ!
なあんてのが、その時の私だったなあ。
お気楽っていうか・・天然って言うか・・
あっ、そうそう、おおらかな気持ちの持ち主って言うてんか!
まっ、こんな時は、一番近くに住んでるおばちゃんがいつも
連れてきてくれたんだけどね。よく、うちのお風呂を提供してた
こともあって、ほっとけなかったんとちゃうやろか。
一応、遠い親戚でもあったらしいし。
こんなことも私が中学になると随分減ってきた。
思春期を迎えた娘に少しでも遠慮したのだろうか・・・?
いや、それよりもむしろ、金銭的な問題を具体的に
処理しなければどうにもならなくなってきていたのだろう。
一度、死への誘惑(=逃げる)に惑わされた後は、腹をくくっ
たのであろう。全てを投げだす覚悟ができたものと思われる。
まだ、迎えていなかった退職だが、その退職金の前借りをした
ようである。たぶん、働いてきた年月分だとは思うが・・・いや、
もしかしたら本当に全てかもしれない。詳しくは話さなかったが、
「全部借金に使うてしもうたわ。おまえに・・
一銭も残してやられへんけど堪忍やで!!」
と言っていたのは、確かである。
初代犬「忠太」