「如意なるものあり。不如意なるものあり」
これを清沢満之がさぶろうに耳打ちした。よって、そのご親切を拝受した。あのなあ、さぶろう、思うて思い通りになるもんと、そうはならんもんとがあるんだよなあ、と。
如意なるものは、だから、如意にしてええ。不如意なるものは? どうにもならんもんはどうにもならん。ほっておいてええちゅうこっちゃなあ。
こちらの不如意は仏さまの如意の中。こちらの手が届かぬところは仏さまの領域なんだろうなあ。疾病不如意。生死不如意。台風不如意。光明不如意。仏法仏智不如意。
それをそうせしめていてくださる仏さまの意に従えば、不如意といへどもすなわち如意であった。
エノコログサが夕日に染まっているので、赤い。万物はうっとりして秋が深まっていく。秋が深まるのに、こちらの如意は無用であった。ああ、よかった。これでよかった。手放しでよかったのだった。
これを清沢満之がさぶろうに耳打ちした。よって、そのご親切を拝受した。あのなあ、さぶろう、思うて思い通りになるもんと、そうはならんもんとがあるんだよなあ、と。
如意なるものは、だから、如意にしてええ。不如意なるものは? どうにもならんもんはどうにもならん。ほっておいてええちゅうこっちゃなあ。
こちらの不如意は仏さまの如意の中。こちらの手が届かぬところは仏さまの領域なんだろうなあ。疾病不如意。生死不如意。台風不如意。光明不如意。仏法仏智不如意。
それをそうせしめていてくださる仏さまの意に従えば、不如意といへどもすなわち如意であった。
エノコログサが夕日に染まっているので、赤い。万物はうっとりして秋が深まっていく。秋が深まるのに、こちらの如意は無用であった。ああ、よかった。これでよかった。手放しでよかったのだった。