星々は意外と幼いんだな

沖合に漁船が群をなして見えている。さかんに活動している。活動が朝の太陽に真っ白に輝いて眩しい。眩しがっているのはさぶろうのほかにもいる。いるいるいる。それらがみんな嬉しがっている。踊っている。踊っているのは宇宙の星々だ。星々なんて意外に幼いんだな。これっくらいことでそんなに嬉しがるなんて。さぶろうは、だったら、この地上にあって犇めいているもっと美しいものの数々を見せてやりたくなった。

すいすいすい

仏法仏智不如意。仏法も仏智も、そんなもん、さぶろうは知らんでええんだな。なにもかもお任せしているので、知らん顔で通る。

さぶろうが知ったところで、すぐさまそれがさぶろう色に変色するので、掴み取ったことにはならぬ。肉と魚を喰っているさぶろうの息は臭い。ぬるぬるしてぬるい。その臭い息を仏法と仏智にはあはあ吹きかけんでもええんだよなあ。私欲の欲を喰っているさぶろうの息は臭いからなあ。

仏法仏智不如意。仏法も仏智もともにさぶろうの預かり知らぬところで、すいすいすいすい活動している。

アキアカネすいすいすいすい。オニヤンマすいすいすいすい。さぶろうの空を仏法がすいすいすいすいと活動している。