畑に出て行く気が起こらないと言いながら、それでも出掛けて行った。好きだなあ。両者は相思相愛、どうやらラブラブ関係にあるようだ。
畑に居ると癒される、と言うことを本能的に知り分けているフシがある。<無心>という宮殿に静かに厳かに誘(いざな)われる。
で、畑で何をしたか。草取りをした。草を取って耕せるようにした。夏野菜の準備が始まっているのである。僕がいないと畑は畑の顔つきができない、というワケだ。
好きだなあ、としか言いようがない。畑に居ると何時間でもいい。飽きない。畑が、癒やし系ホルモンでも分泌しているのではないのかしらん、などとも思う。
それだけたっぷり癒されている自分がある。6時ちかくまで作業を続けた。畑がずっと畑らしくなった。そういう点では共生関係に近いと言えそうである。
ふふふ、僕は畑の美容師さんかもしれない。あんまり上手な美容師さんでもないだろうが。すぐに呼び寄せられる。僕は丁寧に時間を掛けて、畑を若返らせる。美女にする。その美女を見て惚れ惚れとする。