助けられ助けられ助けられ助けられ助けられている。
ということは?
助けている主体者がいる、ということである。
助けようというはっきりした意思を持って、意図して、助けている、ということである。
その意思や意図を、わたしは知らない。知らないでいる。知らないでもいいことになっている。知らせようともしていない。
なぜだろう?
わたしだったら、知らせるのに。わたしの名を伝えて助けるのに。これこれの意図があって、その実現を図ってなんじを助けている、と伝えるのに。だから、それを知っておくがいい、そしてその意図に違反しないようにすべきだ、などと言って聞かせておくのに。
わたしはただ闇雲に、のべつまくなく、無条件で、無制限に、助けられ助けられ助けられ助けられ助けられている。
それを思うと泣きたくなる。有り難くて泣きたくなる。
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たとえば、わたしの60兆個の細胞が、みじかなところで、そうしている。わたしを助けている。助けられているので、わたしの今日がある。今日ただいまがある。