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<知ってるようでよく知らない言葉・モノ・コト> 貿易戦争

2025-02-12 09:56:38 | 知ってるようでよく知らない言葉・モノ・コト

 「貿易戦争」 2018.4.1(日) 掲載
 自由貿易のもとで一方の国の産業が打撃を受ける「貿易摩擦」が引き金となり、国家間で輸入制限などの応酬が続く状態を指す。各国は輸入量の上限設定や関税の引き上げにより、貿易赤字の短期的な減少が見込めるが、保護主義が広がることにより輸出産業の弱体化や経済成長の阻害、不況につながるリスクも高まりかねない。
 第2次世界大戦後は日本を巡る貿易摩擦が目立った。高度経済成長期の1960年代以降に日本の輸出が急増し、主に米国との間で鉄鋼や自動車、半導体といった品目を巡る貿易摩擦が発生。日本は米国などでの現地生産の拡大のほか、オレンジやコメの輸入自由化受け入れにより、決定的な貿易戦争に陥ることは避けてきた。
 保護主義と貿易戦争の広がりが第2次世界大戦の一因になったとの反省から、国際社会は48年に関税貿易一般協定(GATT)を発効させた。95年には国際機関の世界貿易機関(WTO)が発足、自由貿易のルール作りや裁判に似た紛争処理制度を設けている。ただ全会一致を原則とするWTOでのルール作りは難航し、近年では2国間で結ぶ自由貿易協定(FTA)を重視する国が増えている。

*https://www.nikkei4946.com/knowledgebank/selection/detail.aspx?value=1376 より

 【解説】 トランプ氏の貿易戦争、勝者と敗者はだれか 米大陸では関税発動は停止 2025年2月4日
 アメリカのドナルド・トランプ大統領が3日、メキシコとカナダに対する高率関税の発動を30日間停止にした。4日に発動すると脅していたが、直前に両国の首脳それぞれと協議し、停止を発表した。

 トランプ氏は、国境と犯罪に関する取り締まり強化を引き出しており、勝利を宣言できるだろう。一方で、カナダのジャスティン・トルドー首相とメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領も、それぞれ政治的勝利を挙げたと言えるだろう。

 世界に経済的衝撃をもたらす貿易戦争は今のところ、米大陸では停止となった。

 誰が引き下がったのか。次に何が起こるのか。

 各地で取材するBBC記者が、3カ国それぞれの事情を解説する。

 トランプ大統領、瀬戸際外交が実を結ぶ コートニー・スブラマニアン、BBCニュース(米首都ワシントン)

 アメリカに最も近い貿易相手国に対してトランプ大統領が仕掛けた大勝負は、実を結んだようだ。メキシコとカナダは、国境警備の強化と、合成麻薬フェンタニルの密輸対策に合意した。

 米経済を盾に他国から譲歩を迫る戦略によって、トランプ氏の「アメリカ第一主義」は勝利を手に入れた。米国内の消費者に大陸規模の貿易戦争の経済的影響を感じさせることなく、トランプ氏は核心的な内政問題に取り組むことができる。

 トランプ氏が関税をめぐって取った戦略は、目新しいものではない。

 1期目では鉄鋼とアルミニウムに関税をかけ、メキシコ、カナダ、欧州連合(EU)の反発を招いた。ただ、エコノミストらは、それらは限定的だったとする。

 今回トランプ氏は、メキシコ、カナダ、中国からの輸入品のすべてに関税をかけると宣言した。中国については、10%の関税が米東部時間4日午前0時1分(日本時間5日午後2時1分)に発動。これを受けて、中国政府は報復措置を発表している。

 停止期間の30日が過ぎたときに、トランプ氏がカナダとメキシコへの脅しを実行に移すのかは、なお不透明だ。この不確実性が懸念を呼んでおり、各企業は米市場への依存度を下げたり、この貿易戦争の行方が明確になるまで新工場建設や採用を控えたりしている。

 「死に体」のトルドー首相、貿易戦争で停戦引き出す ジェシカ・マーフィー 、BBCニュース(カナダ・トロント)

 北から聞こえたのは、1月特有の北極圏からの突風の音ではなく、米関税の30日間停止に対し、カナダの政治家やビジネス界のリーダーらがもらした安堵(あんど)のため息だった。

 関税の脅威は残っているものの、壊滅的な貿易戦争になりそうだった状況で、トルドー首相は一時休戦を実現させた。その点で政治的勝利を主張できる。

 カナダの政治家らは、何がトランプ氏を満足させるのかを見極めようと必死だ。トルドー氏は、レームダック(死に体)状態の首相として最後の数週間を終えるところで、カナダのこうした内政状況は、何の役にも立っていない。

 3日に発表された国境警備の措置は、目新しくはない。

 カナダは昨年12月、13億カナダドル(約1390億円)規模の対策を発表した。フェンタニルの取引を妨げる取り組み、警察など法執行機関のための新たなツール、アメリカの法執行機関との連携強化が含まれるとした。

 カナダとアメリカの国境地域では少し前から、監視用ドローン(無人機)と軍用ヘリコプター「ブラック・ホーク」2機がパトロールを始めている。

 カナダ当局は、国境に関するトランプ氏の懸念を真剣に受け止めていることを示そうと、数週間前からこうした取り組みを強調してきた。

 新たな要素は、「フェンタニル対策トップ」の任命と、組織犯罪やフェンタニルと戦うために2億カナダドルを投じる情報指令のようだ。

 疑問として残るのは、カナダとアメリカの今後の関係にとって、これが何を意味するのかということだ。同盟関係にある両国のパートナーシップは、トランプ氏の経済的な脅しによって深く揺らいでしまった。

 シェインバウム大統領は時間を稼ぐ ウィル・グラント、BBC中米・キューバ特派員(メキシコ市)

 今回の貿易危機の間、メキシコのシャインバウム大統領は国民に「冷静な判断」と「落ち着き」を求めてきた。

 1月31日の時点でも、メキシコ製品への25%の関税がぎりぎりで猶予されると確信していると話していた。そして、3日早朝のトランプ氏との電話を経て、そのとおりになった。

 直後に合意について発表したシェインバウム氏は、笑みが絶えなかった。同氏の支持者らは、トランプ氏との交渉で秀でた技術を示したと称賛している。

 シェインバウム氏は確かに、フェンタニルの密輸問題に力を入れるとして、多数の兵士を国境に派遣することに同意した。だが重要なのは、同氏もトランプ氏から、望んでいたものを確保したことだ。

 関税の停止はもちろんだが、それ以外にも、アメリカからメキシコへの高性能の武器の流入に対してアメリカが対策を強めることを、トランプ氏に「約束」させたのだ。これは、麻薬組織のメンバーの手に、それらの武器が渡るのを防ぐのを目的としている。

 そしてシェインバウム氏は、重要なものをもう一つ手に入れた。時間だ。

 電話協議での合意を土台に、関税の一時停止を恒久的なものにするまでに、数週間の猶予がある。

 いま期待されているのは、アメリカのマルコ・ルビオ国務長官が近々メキシコを訪問し、これらの問題について話し合い、両国の保健・安全保障当局者らによるフェンタニルに関する合同グループが設立されることだ。

 もしシェインバウム氏が実際に、これ以上の貿易摩擦を生まないことに成功すれば、昨年10月に就任したばかりの新政権にとって、最初の大きな勝利となるだろう。

 そして、トランプ氏と同氏の政権との今後の付き合いについての基調をつくるかもしれない。

 (英語記事 Who won and lost as Trump's trade war is delayed - for now)

*https://www.bbc.com/japanese/articles/cgq0g55x151o より


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