「染飯-そめいい」
主な伝承地域 藤枝市
主な使用食材 米、もち米、くちなしの実、煎茶
歴史・由来・関連行事
染飯は「瀬戸の染飯」と言われ、旧東海道の上青島村瀬戸町(現在の藤枝市)の茶屋で戦国時代から売られてきており、東海道の名物として知られてきたもの。もち米を蒸した強飯をくちなしの実で染めてすりつぶし、薄くのばして小判の形などにして干して作られていた携帯食。
乾燥したくちなしの実は、消炎・解熱・鎮痛・利尿などの薬効があるとされていたため、瀬戸の染飯は、足腰の疲れを取る食べ物として評判が良かった。
十返舎一九が書いた『東海道中膝栗毛』にも登場するほど歴史のある料理だったが、やがて時代とともに限られた家庭だけで食べられる料理になっていった。忘れ去られそうになってきた約60年前、藤枝市内の弁当業者が商工会議所と協力し、昔は干し飯だったため戻して食べていたものを、現代に合うようすぐに食べられるおにぎりにアレンジして復活させた。
食習の機会や時季
通年食されているが、主に、瀬戸地域ではお祭りや祝い事のある時に作られている。
飲食方法
くちなしの実の皮をむき、中身を潰して半日ぐらい水に浸けておく。黄色い水が出来る。もち米は炊く30分~1時間前にといでおく。炊飯器にもち米を入れ、くちなしの実をつけて出てきた黄色い水を真水で薄めてかき混ぜてから炊く。炊きあがったら10~15分蒸らす。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
市内のお祭りや行事のあるときに、和菓子店で売られている。
また、市内の飲食店で、染飯を現代風にアレンジしたメニューを提供している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/36_7_shizuoka.html より
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