「つみっこ」
主な伝承地域 秩父地域、本庄市
主な使用食材 小麦粉
歴史・由来・関連行事
昔から小麦の栽培が盛んだった埼玉県は、うどん文化が根付いているが、本庄市や秩父地域で愛される「つみっこ」は、うどんよりも手早くつくれることから、特に忙しい時に重宝した郷土料理だ。いわゆる「すいとん」のことで、地域によっては「とっちゃなげ」や「だんご」「つめっこ」と呼ばれることがある。「つみっこ」という名称は、「つみとる」という意味の本庄地方の方言で、小麦を水で練って作った生地を「つみとる」ようにちぎって鍋に入れたことから、このように呼ばれるようになったと伝わる。地元でとれた小麦粉と季節の野菜をたっぷりと使うため、優しく滋味深い味わいの上、栄養バランスが良い。秩父地域では、学校給食でも提供されている。
食習の機会や時季
秩父地域では農家の忙しい時の食事としてつくられており、本庄市では、かつて養蚕や機織りが盛んだった頃に仕事の合間に食べられていた。このことからも分かるように、手早くつくれる「つみっこ」は、忙しい日に手早くつくり、食される日常食であった。
飲食方法
小麦粉に水を加え、よくこねたら丸くまとめて寝かせておく。シイタケやニンジン、長ネギなど季節の野菜を食べやすい大きさに切り、だし汁鍋で煮る。野菜に火が通ったらこねておいた生地を引っ張ってちぎり、鍋に入れていく。生地がやわらかい場合はスプーンを使うとよい。火が通ったら醤油で味をつけ、ひと煮立ちさせる。生地にすりおろした大和芋や卵を加えるとやわらかく仕上がる。お好みで七味を振り、いただく。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭でつくられるほか、一部地域の学校給食や県内の飲食店でも味わえる。本庄では、「つみっこ合戦ファイナル」というイベントが2019年に開催され、スタンダードな「つみっこ」のほか、豆乳ごま風味、ミネストローネ風などがふるまわれた。また、「つみっこ」の普及啓発活動を行う「武州本庄つみっこ研究会」が、各種イベントで「つみっこ」を提供している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/33_14_saitama.html より
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